デンタルニュース
歯ぐきから血が出るのはなぜ?原因と自分でできる対処法
日本橋の歯医者「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
歯磨きのあとにうがいしたら赤くなっていた、歯ブラシに血がついていた、そんな経験がある方は意外と多いです。
「前からこうだから」と気にせず過ごしている方もいますが、健康な歯ぐきは基本的に血が出ません。
出血があるということは、歯ぐきが何かを訴えているということです。
原因によっては早めに対処した方がいいケースもあるので、まずは自分の状態を知ることが大切です。
この記事では、歯ぐきから血が出る原因と自分でできる対処法を、わかりやすくまとめています。ぜひ参考にしてみてください。

歯ぐきから血が出る原因
①歯磨きのときだけ出る場合
磨き方が強すぎる
歯磨きのときだけ血が出るという方で、多いのが磨く力が強すぎるケースです。
「しっかり磨かなきゃ」という気持ちから、歯ブラシをゴシゴシと力を入れてこすってしまう方がいますが、歯ぐきはとても薄くてデリケートな組織です。
強い力で磨き続けると、歯ぐきが傷ついて出血しやすくなります。
歯ブラシを握る力が強い方は、持ち方を鉛筆を持つような「ペングリップ」に変えるだけで、自然と力が抜けやすくなります。
「力を抜いてください」とお伝えすると「これで磨けてるんですか?」と不安そうにされる方も多いのですが、歯ぐきへの負担を減らしながらきちんと汚れを落とすには、軽い力で細かく動かす方が効果的です。
歯ぐきに炎症が起きている
磨き方は問題ないのに血が出るという場合は、歯ぐきに炎症が起きている可能性があります。
歯と歯ぐきの境目に汚れや歯石が溜まると、歯ぐきが細菌に刺激されて赤く腫れ、少しの刺激でも出血しやすい状態になります。
この状態が続くと歯肉炎になります。
ただ歯肉炎は、早めにケアを整えれば比較的改善しやすい段階なので、出血が気になりはじめたときが対処するチャンスです。
②何もしていないのに血が出る場合
歯周病が進んでいるかもしれない
何もしていないのに歯ぐきから血が出る、もしくは軽く触れただけで出血するという場合は、歯周病が進行している可能性があります。
歯周病は歯を支えている骨や組織が壊されていく病気で、初期段階では痛みをほとんど感じないため、気づかないうちに進んでいることが多いです。
診療でも「痛くないから大丈夫だと思っていた」とおっしゃる方がいますが、痛みがないことと問題がないことはイコールではありません。
出血が頻繁に起きているときは、歯周病のチェックを受けることをおすすめします。
全身の病気が関係していることも
まれなケースですが、血が止まりにくい・出血量が多いという場合は、血液の病気や糖尿病など全身の状態が影響していることがあります。
歯ぐきだけの問題ではなく、内科的な原因が隠れていることもあるので、出血の状態が明らかにおかしいと感じたときは、歯医者だけでなくかかりつけ医にも相談してみてください。

放置するとどうなる?
①歯ぐきへの影響
炎症が広がりやすくなる
「出血があるけど痛くないから」と放置していると、歯ぐきの炎症はじわじわと広がっていきます。
最初は歯磨きのときだけ出ていた血が、だんだん少しの刺激でも出るようになり、歯ぐきが腫れて食べ物を噛むだけで痛くなるケースもあります。
炎症が起きている歯ぐきは、細菌が入り込みやすい状態になっています。
早めにケアを整えることで落ち着きやすいので、「また出てる」と気になりはじめたら、早めに対処することが大切です。
歯ぐきが下がってくる
炎症が長く続くと、歯ぐきのラインが少しずつ下がってくることがあります。
歯ぐきが下がると根元が露出して、冷たいものがしみやすくなったり、見た目が気になるようになったりします。
一度下がった歯ぐきは自然には戻らないので、「なんか最近歯が長くなった気がする」と感じたら要注意です。
②歯や全身への影響
歯を支える骨が溶けることも
歯周病が進行すると、歯ぐきだけでなく歯を支えている骨にまで影響が出てきます。
骨が溶けてしまうと歯がグラグラしてきて、最終的には抜歯が必要になることもあります。
歯ぐきの出血を長く放置してきた方ほど、気づいたときには歯がぐらついていたという場合があります。
痛みがない分、進行に気づきにくいのが歯周病のやっかいなところです。
「まだ歯は痛くないから大丈夫」という段階で来ていただけると、できることがぐっと増えます。
出血が続いているときは、痛みがなくても一度診てもらうことをおすすめします。
全身の病気とのつながり
歯周病と全身の病気には深い関係があることがわかっています。
歯周病の細菌が血液を通じて全身に影響を与え、糖尿病や心臓病、動脈硬化などのリスクを高めるという研究も増えています。
「口の中だけの問題」と思わず、全身の健康を守るためにも歯ぐきのケアは大切です。

自分でできる対処法
①毎日のケアを見直す
歯ブラシの当て方と力加減
歯ぐきからの出血が気になるときは、歯ブラシの当て方と力加減を見直してみてください。
歯ブラシは歯と歯ぐきの境目に45度くらいの角度で当てて、小刻みに動かすのが基本です。力は「歯ぐきに触れているかな?」くらいのやさしい感覚で十分です。
出血があると「しっかり磨かなきゃ」と力が入りがちですが、炎症が起きている歯ぐきを強くこすると逆効果になることがあります。
やさしく丁寧に磨くことを意識してみてください。
フロスや歯間ブラシを取り入れる
歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れが取りきれないことが多いです。
フロスや歯間ブラシを使うことで、歯ブラシが届かない部分の汚れを取り除けます。
「フロスを使ったら血が出た」という方もいますが、歯ぐきに炎症がある状態では最初は出血しやすいことがあります。
続けて使っていくうちに歯ぐきの状態が整ってくると、出血が減っていくことが多いです。
ただし、痛みを感じるほど強く入れるのはNGなので、やさしく使うことを心がけてください。
②生活習慣を整える
喫煙・ストレス・食生活の影響
実は生活習慣も歯ぐきの状態に大きく関係しています。
特に喫煙は歯ぐきへの血流を悪くして、炎症が起きても出血しにくい状態を作ります。
「タバコを吸っているのに歯ぐきから血が出ない」という方は、出血がないだけで歯周病が進んでいる場合があるので注意が必要です。
またストレスが続くと免疫力が落ちて、歯ぐきが細菌に対して弱くなります。
忙しい時期に口の中の調子が悪くなるという方は、こういった背景が関係していることも多いです。
バランスのよい食事と十分な睡眠が、歯ぐきの健康を支えることにもつながります。
出血が続くときは歯医者へ
自分でケアを見直しても出血が1〜2週間以上続くときは、歯医者で一度診てもらうことをおすすめします。
歯石は自分では取れないので、歯医者でクリーニングをしてもらうことで歯ぐきの炎症が落ち着きやすくなります。
患者さんから「クリーニングしてもらったら出血が減った」「歯ぐきが引き締まった気がする」と言っていただけることがあります。
自己ケアだけで限界を感じているときは、ぜひ一度相談してみてください。

まとめ
歯ぐきからの出血は、気になっているうちが対処しやすいタイミングです。
「前からこうだから」と慣れてしまうと、気づかないうちに状態が進んでいることがあります。
磨き方を見直す、フロスを取り入れる、そういった小さな積み重ねで変わることも多いので、まずは日々のケアから試してみてください。
それでも出血が続くときは、一度歯医者で状態を確認してもらうのが安心です。
歯ぐきが元気なうちに手を打つことが、歯を長く守ることにつながります。
この記事を監修した人

医療法人社団周優会
常務理事 笠原幸雄所属学会
東京シティー日本橋ロータリークラブ会員
お江戸日本橋歯科医師会選挙委員会 委員長
一般社団法人 日本橋倶楽部会員
東京科学大学歯学部 東京同窓会参与略歴
私立開成高校卒業
早稲田大学理学部卒業
東京医科歯科大学歯学部卒業
東京医科歯科大学病院勤務
笠原歯科医院 蔵前開設
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 人形町開設
医療法人社団周優会 日本橋グリーン歯科 常務理事
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 六本木開設