2025-01

歯医者の飛び込みは迷惑?当日診てもらうには

日本橋の歯医者「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。

「歯医者の飛び込みって迷惑かな?」
「すぐ診てもらいたいんだけど、予約なしでも行けるの?」

内科のクリニックと違い、歯医者は予約が必要なところがほとんどです。

歯医者に急に診て欲しい時に予約が無い場合でも、飛び込みでも診てもらえるのでしょうか?

結論から言うと、当日に飛び込みで診てもらうことが可能な場合もあります。

しかし、飛び込みでの診療は歯医者側にも患者様側にも問題が出てしまうこともあります。

 

私は今まで10年以上臨床の場で勤務してきて、予約なしで飛び込みで来院された患者様を何名も見てきましたが、ほとんどの場合できる限りの応急処置になることが多いです。

しっかりと治療を進めるには、飛び込みでの来院ではなく予約が必要です。

ただ、痛みなどがあると、応急処置でも良いのでどうしても当日に診て欲しい時もあると思います。

 

この記事では、歯医者にはなぜ予約が必要か、飛び込みでのデメリット、当日に診てもらう方法を解説しています。

歯医者に向かう女性

歯医者の予約はなぜ必要か

そもそも、内科などは予約がいらず飛び込みで行くことがほとんどなのに、歯医者はなぜ予約が必要なのでしょうか?
歯医者に予約が必要な理由を解説します。

①診療自体に時間がかかることが多い

時間のかかる理由

内科の場合、診察をして薬を処方するという流れがほとんどで、数分で終わることが多いですが、歯科の場合は治療が必要なことがほとんどなので、数分というわけにはいきません。

1人の患者様の平均治療時間

消毒や抜糸などすぐ終わる処置もありますが、基本的には15〜30分程度かかる処置が多いです。

また、診療台も予約時間の間はその患者様専用になるので、治療中は他の患者様を診ることはできません。

中には麻酔の待ち時間や歯科衛生士を上手く使って、同じ時間帯に数名の患者様を診る先生も居ますが、私が今まで診療に携わってきた中では同時に診るのは2〜3名が限界という感じがします。

どの治療も一定の時間がかかり、一度に多くの患者様が来院しても診ることができないため、スムーズに治療が進められるよう予約制となっています。

②治療を計画的に進めるため

口腔内の状況の確認

小さい虫歯の場合は一回の来院で終わることもありますが、虫歯の治療や歯周病の治療は程度によっては一回で終わらないこともあります。むしろ一回では終わらないことの方が多いでしょう。

検査を行った上で、患者様のお口の中の状態に合わせて治療計画を立て、治療を進めていく必要があります。

治療の内容によっては、被せ物やマウスピースなど作成するのに時間がかかるものもあり、予約の日にちに合わせて計画的に作成しています。

治療計画に必要な検査

治療の内容にもよりますが、虫歯や歯周病の程度を診るためには、レントゲンの撮影による検査が必要です。また、歯周病治療を行うにあたって、歯周ポケットの数値を測る検査も必要になってきます。

③治療の準備片付けが必要なため

治療に必要な機材

歯科の治療では、「基本セット」と呼ばれる診察に必ず使用する器具のセットを患者様ひとりひとりに用意しています。

それに加え、歯を削る器具や詰めるための材料、型取りの材料など、治療内容に合わせて用意する必要があります。

治療の準備内容

前述した通り治療の内容によって準備する機材は変わってきますが、限られた時間内で治療をスムーズに行うため、ある程度治療の流れを予測して機材を準備しています。

偶然立て続けに同じ内容の処置が入ってしまうと、その処置で使用する器具の在庫がすぐに無くなってしまうため、予約で管理する必要があります。

治療後の片付けは「滅菌」することが大切

歯医者では、患者様のお口の中に使用する器具は全て滅菌する必要があります。そのため、用意していた器具の数よりたくさんの患者様が来院してしまうと、使用する器具がなくなってしまいます。また、滅菌をかけるのにも時間がかかるため、ある程度の来院数を把握し器具の準備をしておかなければならないのです。

予約がいっぱいの歯医者だと、スタッフも皆忙しいため滅菌作業のタイミングが遅くなり、器具の在庫がギリギリになってしまうことなどもあります。

滅菌は120〜135度まで温度を上げて行うものなのですが、私は以前器具の在庫がギリギリになってしまった時に、滅菌が終わったばかりの熱々の器具をなんとか冷やしながら使用した経験が何度かあります。

予約制を取り入れていてもこういったことが起こるため、予約なしで診療していたら、すぐに足りない器具が出てきてしまうでしょう。

機器の消毒を行う歯科衛生士

飛び込みでかかる時のデメリット

歯医者で予約が必要だとわかっていても、どうしても当日診て欲しい時もありますよね。

飛び込みで歯医者にかかる場合のデメリットを解説します。

①予約の患者様が優先となるので待つことが多い

歯医者の基本的な待ち時間

治療が予定通りに終わらないこともあるので、多少予約時間とのズレが生じることもありますが、予約している場合であれば、基本的には待っても5〜10分程度でしょう。

飛び込みの待ち時間

歯医者は予約制なことがほとんどのため、事前に予約していた患者様が優先となります。

予約している患者様を時間通りに診ながら、空いたタイミングで飛び込みで来院された患者様を診るため、長時間待たなければならないことが多いです。

中には、偶然空き時間がありすぐ診てもらえる場合もありますが、1時間以上待つ場合もあるでしょう。

②応急処置だけになることがある

応急処置の内容

治療内容にもよりますが、飲み薬の処方や、お口の中の消毒や薬の塗布など、対処療法になることが多いでしょう。

応急処置の治療時間

予約の患者様の治療の合間に診るため、治療時間をしっかり確保することが難しく、通常の診療のようにしっかり診れないことが多いです。

そのため治療の続きを進めたい場合は、飛び込みではなく予約をして治療時間を確保する必要があります。

当日診てもらっている男性

どうしても当日診てもらいたい場合は?

いつもしっかり予約を守っている方でも、急に歯が痛くなって、どうしても当日に診てもらいたい時もあると思います。その場合どのように行動したら良いかまとめたので、参考にしてみてください。

①電話で当日予約をする

電話の必要性

飛び込みで歯医者に行くのではなく、事前に必ず電話をしましょう。

場合によっては、数時間かかるオペなどの処置が入っていたり、どうしても対応できない時間があります。

事前に電話しておくことで、そういった時間帯を避けることができます。

事前予約のメリット

歯医者側に予約のキャンセルがでて、空いている時間がある場合もあります。また、治療が早く終わり空き時間ができそうなところを案内してくれたりもするので、飛び込みで行くよりも待ち時間を短縮できる可能性があります。

歯医者側からしても、予約外の患者様が来る時間帯がわかっていた方が、事前に準備できることもあります。

②現在の症状を伝える

出ている症状を全て伝える

痛みや腫れなどがあることをきちんと伝えないと、緊急性がないと思われ断られる可能性もあるので、出ている症状は全て伝えましょう。

症状から治療の予測ができる

どのような症状が出ているか伝えておくことで、歯医者側も必要な治療の予測ができます。治療の予測ができると、必要な器具もあらかじめ準備することができ、スムーズな診療が行えます。

③当日予約可の歯医者を探す

かかりつけで対応できない場合もある

通っている歯医者が休診日であったり、オペなどの中断できない長時間の処置が入っていて診てもらえない場合もあります。

その場合は痛みを我慢せずに、他の歯医者で診てもらいましょう。

治療中なのに他の歯医者に行っても大丈夫かな?と思ってしまう方も居るかもしれませんが、私の経験上「かかりつけが休診日でやっていなかったから他院に行った」という方は結構居ます。

歯医者で勤務している立場からしても、緊急性のある症状の場合は早めに応急処置をした方が良いとわかっているので、痛みや腫れなどがある場合は早めに診てもらえるところに行きましょう。

歯医者の探し方

歯医者の中には、当日予約が可能であったり、初診・急患随時受付などの表記がある歯医者もあります。

検索サイト等で調べ、電話してみましょう。

④予約のマナーを守る

遅刻しないようにする

歯医者では患者様のために、治療時間や診療台の確保、器具の準備をしています。当日の電話をして診てもらえることになったら、遅刻しないようにできれば早めに来院するようにしましょう。

無断キャンセルはしない

やむを得ず予約を変更したい時は早めに連絡しましょう。

予約したのに行かないという無断キャンセルは、歯医者で働いている人だけでなく、他の患者様の迷惑にもなるので絶対にやめましょう。

歯医者を予約しようとしている女性

まとめ

歯医者では、予約の治療内容に合わせて器具やスタッフの人数などの調整をしています。

飛び込みでの受診は、事前に予約していた患者様の迷惑になってしまう可能性がありますし、十分な治療を受けられない可能性もあります。

緊急時以外は、きちんと予約をして計画的に治療を受けましょう。

また、緊急時の場合もいきなり飛び込みで歯医者に行くのではなく、当日であっても電話予約をしましょう。そうすることで、歯医者側も前もって準備できたり、患者様も待ち時間が少なくなるなど、双方がスムーズに治療を行う状態にすることができます。

2025-01-17 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

歯医者を途中で変えることはできる?

デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。

歯医者に通院していると、「治療途中だけど、通うのを辞めたい」「歯医者を変えたいけど、勝手に変えていいのかな?」と思ったことのある方もいるのではないでしょうか?理由としては、引っ越しや仕事の都合で通院が難しくなったり、担当医と治療方針について合わないと感じていたりなど、さまざまだと思います。

結論からいうと、治療途中で歯医者を変えることは可能です。

この記事では、歯医者を途中で変えることのメリット・デメリットや注意点、自分に合う歯医者の探し方を紹介しています。治療途中で歯医者を変えようと思っている方は参考にしてみてくださいね。

歯科医院のイメージ

歯医者を途中で変えることはできる

歯医者を治療途中で変えることは可能であり、法的な手続きも必要ありません。私が今まで歯医者で勤務してきた経験上でも、治療途中で来院された方もいれば、転院された方もいらっしゃいました。担当医に歯医者を変えることを言いづらいと感じるようであれば、必ず報告しなければならないという義務もありません。

ただし、今すでに歯医者の予約を取っている場合は、無断キャンセルしてしまうと他の患者さんの迷惑になってしまうこともあるので、必ず予約をキャンセルしてから転院するようにしましょう。転院には以下のようなメリットとデメリットがあります。

歯医者を途中で変えるメリット

歯医者が変わることで、設備や担当医も変わるので、新しい検査や診断により、見逃されていた問題を見つけることができる可能性があります。また、今よりも家や職場から通いやすい歯医者を選ぶことで、通院がしやすくなりますね。事前に歯医者の情報を調べ、自分の症状や希望に合った歯医者を選択することで、治療方針や説明に納得できる可能性が高まるでしょう。

歯医者を途中で変えるデメリット

治療するにあたってお口の中の情報が必要であるため、転院先でもレントゲン写真や検査などは再び行うことがほとんどです。そのため、レントゲン撮影の料金や初診料などの費用が二重にかかります。

紹介されて転院する場合は紹介状を作成するため、治療内容の引き継ぎがきちんとされていることが多いですが、無断で転院した場合は、引き継ぎがスムーズにされていないため、診察や治療が最初からやり直しになる可能性があります。

また、合わないからといって何回も安易な転院を繰り返すと、適切な治療が受けられない可能性があります。その理由としては、コロコロ担当医が変わると、経過を見ていないので症状や身体の状態を把握しにくいのと、担当医によって治療方針が違うため、一貫した治療を行えないことが挙げられます。

メリット・デメリットを考えている女性

歯医者を途中で変える注意点

転院先を慎重に選ぼう

転院することを決めたものの、次の歯医者を慎重に選ばないと、また治療途中で変えるという結果になりかねません。新しく通おうとしている歯医者のホームページや口コミ情報を確認し、自分の症状に合った専門分野や治療方針での受診が可能か事前に調べておきましょう。

せっかく良い歯医者を見つけても、場所や診療時間が合わないとなかなか継続して通うことが難しいため、通院の利便性を考慮して探しましょう。

現在の担当医との相談

言いにくいということもあるかもしれませんが、転院を考えている場合は、まず現在の歯医者で相談してみるのも一つの方法です。自分の意見を伝えてみることで、歯医者を変えなくても問題が解決できる可能性もあります。

また、やっぱりどうしても歯医者を変えたいと言う場合は、現在の治療内容を確認しておくと、転院先に伝えられるためスムーズに引き継ぎができます。歯医者にとっては患者様の転院はさほど珍しいことでもないので、正直な理由を話してみても良いと思いますし、言いにくければ「仕事の都合で通いにくくなった」などの理由で十分だと思います。

費用に関する注意

現在の歯医者で、矯正治療や被せ物の治療途中であった場合、中断による返金が可能か、新たな費用が発生しないか確認しておきましょう。転院後、最初から診察し直しになる可能性は高いので、転院先で思わぬ出費とならないよう、新たな費用(初診料、検査料など)を把握しておきましょう。

歯科医師の話を聞く親子

自分に合う歯医者の探し方

転院先を慎重に選ぶためには、転院先の下調べが必要不可欠です。きちんと下調べをして、自分に合う歯医者を探しましょう。

口コミの活用

口コミはたくさんの方が参考にしている重要な情報源です。インターネットの口コミサイトの評価やGoogleマップのレビューなども参考にしましょう。私も歯科に限らず、病院やお店などの情報はGoogleマップのレビューを参考にすることが多いです。

また、近所の歯医者であれば知人や家族からの評判で、信憑性の高い情報を得られます。ただし、極端な評価だけを参考にするのではなく、複数の意見を見て総合的に判断しましょう。

医院の情報確認

公式ホームページで、診療内容や設備を確認しておきましょう。中には治療の実績や症例写真を載せている場合もあるので、そちらも合わせてチェックしておきましょう。歯科医の経歴や専門分野も調べておくと、自分の望む治療に対応可能かどうか事前にわかります。

通院のしやすさ

歯医者の立地だけでなく、診療時間や予約システムもチェックしておきましょう。

私は歯科ではないのですが、以前急ぎでかかった自宅の近隣の病院がありました。しかし、仕事の勤務時間の都合上どうしても頻繁に通うことができず、転院することになってしまいました。急ぎだったとは言え、今後継続して通院が可能かの確認をしておくべきだったと感じました。

歯医者での治療は週1程度のペースで継続的に通うことが多いです。また、自分の予定が空いていても、歯医者の予約がいっぱいで希望通りに予約が取れない場合もあるので、余裕を持って通える時間帯や曜日の歯医者を選びましょう。

重視すべきポイント

自分がどこに重きを置くかで変わってきますが、ポイントとしては

①歯医者の環境:衛生管理や設備の充実度
②担当医の人柄:丁寧な説明と対応
③担当医の技術:治療実績、幅広い症例への対応力

が挙げられます。総合的に見て、自分の希望と合いそうか判断しましょう。

口コミで歯医者を選んでいる様子

まとめ

歯医者を途中で変えても、必ず今より良い歯医者と出会えるわけではありません。良い歯医者に出会おうとして何回も転院を繰り返すと、その度に治療が遅れ、どんどん完治から遠のいてしまうことになります。歯医者を変える場合は、転院を繰り返すことにならないよう、事前にしっかりリサーチしておきましょう。

最終的には実際に足を運び、雰囲気や対応を直接確認することが大切です。

2025-01-10 | Posted in デンタルニュースComments Closed