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虫歯リスクが激減!スウェーデン式虫歯予防

なぜスウェーデンは虫歯予防大国なの?

今でこそスウェーデンは虫歯予防国として知られていますが、かつては日本より虫歯や歯周病の多い国でした。虫歯・歯周病だらけの状況を重く見たスウェーデン政府は、1970年代に「虫歯、歯周病予防」を国家プロジェクトとしてスタートさせ、現在では子どもの虫歯は日本の約10分の1以下に減りました。虫歯ゼロ大国スウェーデン式の虫歯予防法をぜひ取り入れましょう。

スウェーデン式虫歯予防法とは?

①お掃除グッズを使おう
歯ブラシだけでは歯の汚れの6割程度しか落とすことができません。虫歯になりやすい場所に合わせて道具を使い分けましょう!
歯と歯の間→デンタルフロス
歯と歯肉の隙間→歯間ブラシ
歯ブラシが届きにくい奥歯のくぼみや歯間→ワンタフト歯ブラシやスポットブラシ

②食後や寝る前にはブラッシング
食後は毎回10分~30分以内に歯を磨きましょう。また、寝ている間に虫歯菌や歯周病菌が増殖するので、寝る前には念入りに歯を磨きましょう。

③フッ素の力で歯をガード
フッ素は、虫歯菌が出す酸に対して抵抗力のある強い歯を作ったり、虫歯菌の働きを抑制したりする、いわば歯のバリアのような存在です。歯磨き粉はフッ素の入っているものを選びましょう。

④食後のキシリトールで歯垢を寄せ付けない
食後キシリトールには、ミュータンス菌などの虫歯菌を減少させ、歯を溶かす酸を作らせない働きがあります。食後、歯を磨く前にキシリトールガムやタブレットを噛みましょう。

⑤0歳からデンタルケア
スウェーデンでは、まだ歯の生えていない赤ちゃんから、食後歯ブラシを口の中に入れて歯ブラシに慣れさせます。そうすると乳歯が生えてからの歯磨きを抵抗なく行うことができるようになります。

⑥歯の健康を守る!プロのケア
スウェーデンでは多くの人が、虫歯はなくても、定期的に歯科医院を訪れています。目的は歯科衛生士による「プロフェッショナルケア(通称プロケア)」を受けること。もちろん当院でも受けることができます。特殊な器具を使ってお口の中を徹底的にお掃除します。
以上、スウェーデン式虫歯予防法として紹介しましたが、これらの予防法は日本でも既に取り入れられています。違うのは虫歯予防に対する「意識」。スウェーデンでは虫歯になったら歯医者に行くのではなく、虫歯を予防するために歯医者に通うのです。歳をとっても健康に過ごしていくために、自分の歯のケアについて意識を高く持っておきたいですね。

2019-05-17 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

歯ブラシあれこれ

先日ショッキングな情報を耳にしました。
日本に住んでいる外国人の中には日本の電車が嫌いだと言っており、その理由は日本人は口臭がきついからということでした。

たしかに日本人の歯磨きの時間は先進国の中では下位に属していて、歯ブラシ消費量、歯磨き回数いずれにしてもお隣の国、韓国とも比較にならない様子。
そんなデータをみると口腔内の様子は簡単に予想がつきますし、反論はなかなか難しいようですね。

口臭予防のために、まずは歯磨き!と歯ブラシを新調する方もいるかもしれませんね。


みなさんはどんな歯ブラシを使っていますか?

ドラッグストアで買う人、歯科医院で選んでもらう人、中には旅館でもらったのを使っている人もいたりします。

理想的な歯ブラシはどんなものか知っているでしょうか?
基本的には小さめのヘッドで毛は柔らかめから普通が良いでしょう。
硬すぎる歯ブラシは歯茎を傷めますので、柔らかな毛の方がオススメです。
ただ歯ブラシと言ってもメーカーやブランドによって特徴はおろか、使い心地も寿命も全く違います。

さて今回は歯ブラシの歴史をみてみましょう。
メソポタミア文明の遺跡では黄金のつまようじなんてものが発見されているそうです。5000年も前のものと推測されているようで、世界最古のケアグッズといえるようですが、その歴史は想像以上に古いのですね。

ヒポクラテスは羊の毛を歯の清掃に勧めたそうです。
馬毛、豚毛の歯ブラシは今でも販売されています。
しかし乾燥しやすく衛生的なナイロンが好まれてきて、現在は歯ブラシの毛はナイロンが一般的です。

ところで年間捨てられる歯ブラシの量はなんと36億本だとか。プラスチックゴミの問題などを考えると心配になる数です。

近年そんなことから柄の部分が竹で出来ているものも見かけます。割り箸でも同じようなことを聞きますが、成長が早くて環境のために比較的優しい素材のようですね。

昔は獣の骨を加工して柄にして、毛を針金で束ねて留めたものを歯ブラシとしていたようです。
柄の歴史をみると、鯨のヒゲやセルロイドなどを経て、今ある形の樹脂製となり、ナイロンの毛という組み合わせが一般化したようです。

インドやアフリカ、アジアのある地域では今現在でも木を噛んでほぐした状態で歯を磨く習慣があるそうです。歯ブラシは存在していても敢えて併用している人もいるのだとか。

日本の歯ブラシはとても小さくて、子供用なのかと海外から来た人は驚くようです。
お口の大きさを考えると小さいほうが隅々まで磨きやすく、奥歯の裏だって親知らずまでもよく届くのです。

良く見てみると歯ブラシの植毛状態も様々です。丸や、楕円形のものもあります。

海外旅行に行く機会があれば、歯ブラシコーナーを見てみるのも面白いかもしれませんね!

2019-05-15 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

舌のおはなし

最近ニュースなどで舌の病気について見聞きした人がいるかもしれません。

ある市町村では口腔外科の予約が3ヶ月先まで一杯になってしまったとか。
お口に関心を持ってくれる人が多いのはとても嬉しいことではありますが、どうか診察を希望する皆さんが大きな病気ではないよう祈るばかりです。

さて、歯について話題になることあってもこのように舌について考えたことがある人はそう多くないかもしれません。
じっくり舌を見てみるチャンスさえあまりないかもしれませんね。

舌は筋肉でできています。焼肉屋さんなどで牛タンを食べる人がいるかもしれません。舌の形は見えている部分だけではないことを知っていますか。
人間の舌はなんと200グラムもあるのだそうです。
口を開けて見える部分以外にも根元に向けて長く大きく続いているので、実際はとても大きく重いものなのです。

その大きく重たい舌は、その筋力が弱れば様々な問題を引き起こすことがあります。
いびきとも関係しているのは結構知られていますよね。

筋肉が鍛えられている舌は締まってよく働きますが、筋肉が弱ればダラっと形だけ大きく、喉元を塞ぐように存在してしまいます。
舌のトレーニングをするだけでも随分と顔の印象も変わるなどと言われています。
筋肉だといわれればそれも想像がつくでしょうか。

他にも舌のトレーニングは、舌の汚れからくる誤嚥性肺炎を予防するとか、いびきが少なくなる、口呼吸を防ぐことができるなどのメリット、その他認知症や脳疾患、心筋梗塞などの病気のリスクを低下させることができると言われています。

舌には口の中の汚れがたまり、こびりついています。
カレーやワインなど着色しやすいものを口にしたとき、舌の表面にも色がついているのを見たことがある人もいるかもしれません。

こうした汚れを取り込みやすい舌の汚れは、
気になるお口のニオイの原因の8割を占めているとも言われています。
鏡で見たとき舌が白く見えたら、1日一度でもいいので舌専用のブラシなどで掃除をすると良いでしょう。
ザラザラした舌触りを活かした、舌ケアのラムネのようなお菓子も見かけるようになりました。

擦り過ぎは味覚異常を起こしてしまうこともあるので、優しく奥から舌の先に向かってかき出すようにしてみましょう。
毎日舌を見ていると、舌の異常やトラブルにも気付きやすくなります。

舌のトラブルとしては、主に口内炎のようなものができて治らないとか、普段ないはずの白いもの黒いものなどの何かができたとかいった見た目の異常、また味を感じにくいとか、ヒリヒリするなど感覚のご相談があります。

何か異変を感じたら、かかりつけの歯科医にご相談ください。

2019-04-22 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

お口の清掃用具について

歯磨きを頑張っているけれど、きちんと磨けているのかな、とか、きちんと磨いているのに歯石がついているみたい、など、
歯磨きは毎日していてもなかなか難しいものですね。

お口のお掃除をすると考えたとき、最近では歯ブラシ以外にも沢山の清掃用具が見つかります。大手のドラッグストアだけでなくネットからの購入や歯科医院で買えるものまで、迷ってしまうほどです。
おくちの清掃用具についていくつか紹介してみましょう。

おなじみの歯ブラシをさらに効率よく行うなら、電動歯ブラシがあります。
時間の短縮や、うまく手を動かせない時などに大変便利に使えるもので、超音波や音波歯ブラシなど沢山の種類があります。
毛先の形や動き、電源もそれぞれなので、自分に合ったものを選べるよう、歯科医院で相談すると良いでしょう。
磨きすぎに注意したいので、知覚過敏を起こしている人の使用は少し気をつけた方が良いといえます。

また最近は歯茎マッサージのためにウォーターピックというものも手軽に買えるようになりました。
清掃効果はあまり高くはないのですが、歯茎の血行をよくしたり、水流を利用した抵抗感の少ないケアができます。

歯と歯の間の汚れにはデンタルフロスもおススメです。
欧米では割と馴染み深く映画のワンシーンなどに出てきたりと抵抗は少ない習慣なのですが、日本ではまだまだ浸透していません。
お口のトラブルの原因になる細菌が潜む歯と歯の間の掃除には非常に効果があるアイテムです。食べ物が挟まりやすくなったというお悩みの方にも楊枝を使うより、お勧めしたいのもこのフロスです。
最近は糸ようじ、という呼び名で糸に持ち手のついた商品が使いやすいと知名度が上がってきています。

また歯と歯茎の側の汚れに強い歯間ブラシはフロスより効率よく歯周病ケアにもってこいです。
インプラントやブリッジの周囲にもおススメしたい清掃用具です。炎症の起きている部位をダイレクトにお掃除ができますし、出血部位の確認もできます。
こちらも奥歯が使いやすいL字型、植毛部がゴムでできているやさしい感触のものまで多くの種類が発売されています。

またブリッジの欠損歯のケアにはスーパーフロスと呼ばれるものもあります。
歯茎の側にある掃除しにくい形状の被せものに、優しいケアができるのです。

まだまだ沢山の清掃用具がありますが興味があるアイテムはありましたか。
ただの歯ブラシでの掃除だけでは6割程度しか汚れが落ちません。色々なアイテムを組み合わせて、お口の汚れを落とす工夫をしてみてくださいね。

2019-02-27 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

歯の色をきれいにしたい!

歯の色について話題になることがあります。

歯の色のお悩みは大きく二つに分けることができます。
まず歯自体の色のトーンを明るくしたいという悩み、もう一つは歯についている色素を落としたいというもの。

ホワイトニングをすればいいんですか?と聞かれたりしますが、詳しくはこのどちらのお悩みなのかによって治療の方法が変わっていきます。

たとえば芸能人の歯をイメージしてみてください。
歯並びも整っていて、まるで陶器のように透き通り、真っ白にみえますよね。
あんなふうに真白で透明感のあるような歯の色をイメージするのならば、ホワイトニングがおすすめです。

歯の外側を覆うエナメル質の色素を抜いて白く仕上げる治療です。
近年は自宅で気軽にホワイトニングできるようにもなり、これをホームホワイトニングと呼んでいます。
対して歯科医院で短期間に安全にプロが行うホワイトニングをオフィスホワイトニングと呼んでいるんです。

どちらも保険適用外になりますが、口を開けたときに見える部分をまとめてホワイトニングでき、結婚式前や写真撮影などを控えている方に人気のある治療です。

ほかには過去に治療をしたことのある歯が一本だけ暗く見えるときには、神経のない歯がトーンダウンしていることがあります。
この場合は神経管にお薬を入れて内部から明るくしていくホワイトニングの方法が効果的です。

また既に治療済みの歯であれば、理想の色のかぶせものに代えてしまう方法もあります。

それでは歯についている色素を落としたい場合はどうでしょう。
この原因はたばこのヤニ、コーヒーや紅茶、赤ワインなどのステインが沈着したもので、お茶わんの茶渋のようなイメージです。
歯ブラシの当たりにくいところに主に沈着するもので、歯科医院で歯科衛生士がきれいにお掃除してくれます。

機械や特別な器具を使って色素を取り除きます。
その後の再沈着を防ぐ為に歯の表面をきれいに磨き上げます。
この治療は歯ぐきの近くのお掃除もできるので、繰り返すと同時に歯周病にもなりにくいメリットがあります。

色のつきやすい方は数ヶ月で沈着してくるので、色がついたら美容院のように歯医者さんできれいにするとその他の病気をチェックしながら、お掃除できるので一石二鳥ですね!
こちらは保険適用になる治療がほとんどです。

いずれにしても、歯の色味で困っていたらまずは日本橋グリーン歯科へご相談ください。

2019-01-23 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

PMTCでインフルエンザを予防しよう!

インフルエンザ流行の季節です。
12月になり、インフルエンザが流行する季節となりました。
インフルエンザの予防法といえば
①手洗いうがい
②十分な睡眠
③人込みでのマスク着用
などですが、最近の研究により、口腔内を清潔に保つことがインフルエンザ予防に繋がることがわかってきました。

口腔内の細菌がインフルエンザウイルスの手助けをしている!?

インフルエンザウイルスは、鼻から喉(のど)にかけての粘膜の細胞にくっついて侵入します。
ただし、粘膜はタンパク質で覆われているため、インフルエンザウイルスはなかなかくっつくことはできません。
ところが口の中の細菌は、インフルエンザウイルスが細胞にくっつき、侵入するのを手助けするのです。
「プロテアーゼ」「ノイラミニダーゼ」という酵素をつくりだし粘膜を覆っているタンパク質を破壊してしまうのです。
また細菌が出す毒素(内毒素)は、粘膜に炎症をおこし感染をさらに拡大させてしまいます。
細菌が繁殖した口の中は、インフルエンザウイルスにとって格好の環境なのです。

口腔内の細菌が多いとインフルエンザの薬も効かなくなる!?

インフルエンザウイルスは細胞内に入り込み、ほかの細胞に感染を広げる際、ウイルスの表面にある「ノイラミニダーゼ(NA)」という酵素を使って自身を細胞表面から切り離します。
タミフルやリレンザなどのインフルエンザ治療薬は、この(NA)の働きを妨げることで感染拡大を防ぐ薬です。
しかし研究により口の中の2種類の細菌が、(NA)を作り出しウイルス増殖の手助けすることがわかりました。
口腔内の細菌が多いと、インフルエンザ薬が効かない可能性があるのです。

PMTCで口の中の細菌を減らそう!

お口の中の細菌の数は個人差がありますが、およそ1,000億~1兆個といわれています。
細菌数は個人差が大きく、歯垢や歯石が多く汚れの目立つ人の口腔内には、綺麗な人の10 倍ぐらいの細菌がいます。
「PMTC」とは、Professional Mechanical Tooth Cleaning(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)の略です。

日本橋グリーン歯科では歯科衛生士が、様々な器具や機械を使って歯と歯の間・歯と歯肉の境目などの汚れや歯垢(プラーク)、歯石を徹底的に除去します。
定期的にPMTCを受けることで、お口の中の細菌を減らすことができます。
PMTCは自費治療ですが、たばこやコーヒー、紅茶などによる歯の頑固な着色や汚れも時間をかけて徹底的に落とすことができます。
虫歯や歯周病を予防するためには、3か月に一度の受診をお勧めしています。
今年はインフルエンザ予防の一環としても、当院で「PMTC」を受けてみてはいかがでしょうか?

2018-11-16 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

口腔ケアについて

口腔ケアとは、口腔機能・衛生状態の維持・向上のために行う専門的なお口の健康管理です。これを定期的に継続することで、口腔疾病予防・口腔機能回復や、健康状態の保持促進、さらにはQOLの向上までを目指します。 

口腔ケアとは、ただ単にお口の中を きれいにするだけではなく、口腔機能を回復させる訓練なども含まれます。
ご自身のお口の中の状態に合わせた訓練を取り入れる事により、毎日のお食事を美味しく楽しめる事ができるでしょう。 

口腔ケアはセルフケア(自分自身で行う毎日のケア)とプロフェッショナルケア(歯科医師・歯科衛生士によるケア・アドバイス・リハビリテーション)が基本です。 

セルフケア
●適切な歯ブラシや歯間清掃用具を選択し、すみずみまできれいに清掃する
●むし歯を引き起こす甘味食品の量を制限し、栄養バランスのとれた食事をよく噛んで食べる
●全身のリラクゼーションを心掛け、顔面、口腔をよく動かし、摂食・嚥下のための良好な口腔機能を保つ
●フッ化物入り歯みがき剤を使用し、むし歯予防に役立たせる
●定期的に歯科健診を受ける

プロフェッショナルケア(専門的口腔ケア)
●むし歯、歯周病の状況を診て、全身状態、口腔内の状況に合った適切な口腔清掃のアドバイス
●日常的には清掃できない部位の専門的歯面清掃
●口腔機能の維持、回復を図る機能的口腔ケア
●食介護への支援
●フッ化物洗口など、予防に関係する薬剤の紹介と正しい使い方の指導

口腔ケアは気道感染予防の中心に位置づけられています。 また、口腔機能を高める口腔ケアにより栄養状態の指標のひとつである血清アルブミン値の改善が期待できることが、平成15年度の厚生労働科学研究でも明らかにされています。

口腔ケアによる誤嚥性肺炎の予防と、他のさまざまな効果

誤嚥性肺炎のカニズムを考えたときに、さまざまな口腔ケアの予防効果が期待できます。 

①器質的口腔ケアにより、口腔と咽頭の細菌数が減少する。

②継続した口腔ケアによって、要介護 高齢者の嚥下するまでの時間が短縮し、誤嚥の予防につながる。

③機能的口腔ケアによって、舌や口唇などの口腔機能が改善し、食べる量が増え、栄養状態の改善が図られる。これにより、免疫能の向上につながる。

老人ホームでは、潜在的に低栄養(血清アルブ ミン値が、3.5g/dl以下)の人が、30~40%前後い るといわれています。その多くが口腔の機能に問 題があることが、最近の研究で示唆されています。 介護予防の取り組みのひとつとして、歯科医師や 歯科衛生士が、口腔機能の低下を起こしつつある 人に対し、義歯を調整することなどにより口腔機能 を引き出し、栄養状態が改善するということが、明 かになってきました。 

2018-11-14 | Posted in  Comments Closed 

 

歯の神経のお話

夜に歯が痛くなって辛かったとか、冷たいものや暖かいもので歯が痛くなって辛かったという方がいらっしゃいます。
虫歯菌が穴をあけているのかしら・・・と聞かれることがありますが、どんなことが起きてこのような症状になっているのでしょうか。

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歯の中には神経が通る管があります。
実はその神経が炎症を起こすことでこの痛みを引き起こします。
冷たい水がしみるくらいの症状ならば様子を見たり、削れた歯の根元を修復すれば回復するのですが、バイ菌の進行程度や神経の症状があまりにもひどく出てしまうときには、この神経をとる治療をしていくことになります。
この処置を抜髄(ばつずい)と呼んでいます。

歯の神経があっても神経をとってもそれほど変わらないとおっしゃる方もいますが、歯の神経をとると歯にはどんなことが起きるのでしょうか。

実は神経をとった歯はドライフラワー状態と言えば分りやすいでしょうか、血流がなくなり枯れ木を歯ぐきが抱えている状態になります。
栄養の届かなくなった歯はとてももろくなって色が変わってきます。
前歯で、一本だけ色が違う人を見かけたことはありませんか?
白く艶のある歯ではなくなって、グレーっぽいような茶色っぽい色に変わっていきます。
感覚もその歯自体からは受けることが無くなるので、神経のない歯だらけになれば味や細かな温度変化も感じにくくなってしまいます。

できる限り歯を残して、自分の歯で噛んでほしいという願いとともに、できるだけ神経も残したいというのが今の歯科界のほぼ共通の考え方になっています。
しかし一度神経の治療をしたは歯は、このような理由で、とてももろく栄養が通っていない状態なのでトラブルも少なくありません。
一度神経をとる治療をした神経管を再度お掃除していかなくてはならない時もあるでしょう。

これは歯の根の先に膿がたまってしまったり、最初の神経処置の結果が思わしくなかったときに必要になります。

これらの治療を済ませた後は人工の神経管を埋める材料で覆って、金属をかぶせたり治療の穴をふさいだりして結果的に修復していくのです。
神経の治療は時間も治療回数もかかるので、通院が嫌になってしまう人もいますが、根気よく続けてほしい一番必要な治療の過程の一つになります。

目に見えない部分ではあるのですが、非常に細かく丁寧な処置が必要になるところで、小さなお口の中で感染した神経の管をお掃除していく必要があります。
治療中は口を開け続けていただくことになるので、辛いところではありますよね。
しかし、根気良く細菌に侵された部分を取り除き、洗浄してきれいにしていくので長引く痛みや不快感から解放されるために必要なことなのです。

このような治療を受けずに自分の歯で美味しくしっかり噛むためにも丁寧なお口のケアは欠かせませんね。

2016-06-09 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

歯に関する豆知識、あれこれ

毎日なんとなくお口のケアをされていることかと思いますが、皆さんはどんなことをしているでしょうか。
歯磨きを一日二回だけです。とか、一日3回食後3分以内に3分間しています。とか、人それぞれだと思います。

そんなケア方法やケアグッズ、はたまた歯科医院にのぼるまで、たまにはちょっとした話題で一息ついてみてはいかがですか
歯に関する豆知識
このごろ、100円均一ショップなどでも歯科グッズを取り扱っていたり、エステサロンや審美歯科での治療などもよく知られるようになるなど、歯科への関心も割と高まって来ているようです。
とても大雑把ではありますが、毎日かかわりのあるお口への関心を高めていただくために、歯科に関する豆知識をご紹介しましょう。
まず 歯科の先進国と言えばスウェーデンです。かつては多くの虫歯患者がいたと言われますが、予防歯科を確立した国と言っていいでしょう。
いまも多くの歯科関係者がスウェーデンに勉強の為、視察に足を運んでいます。
スウェーデンは3歳から19歳まで歯科治療はおおむね無料です!
日本の歯科治療も無料であれば、もっと子供が沢山歯科医院に来て予防に取り組んでくれるのでしょうか。
虫歯を防ぐ、または虫歯にならない糖として有名なキシリトールはフィンランドで初めて実験、その効果が証明されました。
1976年のお話です。今ではガムやチョコレート、飴など多くの商品に添加されていますね。
虫歯を防ぐものの代表と言えばフッ素。聞いたことがない人はいないかもしれませんね、今では有名な物質です。
お茶や海藻にも含まれるものなので、歯科医院での予防治療に積極的に使われています。
海外では食塩や水道水にあらかじめフッ素を入れて、国民の虫歯予防を促進している国もあります。
医療水準は高いものの、医療保 険制度の問題から、お金が払えない人は良い治療が受けられない、医療格差のあるアメリカ。
特に歯並びや、白くない歯は、貧しさを連想させてしまいます。
歯科の治療の中でも専門医がいろいろと分かていて、歯科治療の内容によって別の専門医のオフィスを訪ねることもしばしば。

欧米では補助用具の歯間ブラシよりも、フロスを好んで行っている人が大変多いです。
歯ブラシとフロスはセットで考えている人も多く、当たり前のようにフロスをしているシーンが映画やドラマ、CMなどで出てきます。
日本でも多くの種類を見ることができるようになりましたが、さまざまなフレーバーのフロスや歯科関連グッズが多く売られていて面白く、お土産にする人もいるようです。
なんとなく ルーティンになっているお口のケア。
それでも世界をちょっと見てみると一つ一つが面白いですね。

2016-06-05 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

噛むことって大切です

ストレス社会と言われて久しいこのごろですが、歯ぎしりやかみしめによる歯の破折、歯周組織へのダメージ、顎関節への影響や頭痛肩こりなど、クレンチング症候群というものがあります。
噛みすぎてトラブルになる近年、マウスピースを使用して噛む力を和らげるような治療も増えています。
であれば、あまり噛まないほうがいいのかしら?という疑問があったのでお話していきます。
噛むことって大切です

マウスの実験などから噛まない環境を作ったものと噛むように餌を加工した環境を作ったもので比較した結果に大きく差が出ました。
最終的に迷路を抜けるというテストから、噛むことを教えたマウスの方が良い結果を出すことがわかりました。

昔、火のない時代には硬い実などをすりつぶすか砕いて食べていました。
そのころの人間はあごがしっかりしていて、今でいう親知らずという三番目の大臼歯まで生えていることが普通でした。
近年、柔らかい食べ物が増えてきたせいで、顎が発達せず、親知らずは生えることが遅いどころか、退化してしまっている人がどんどん増えているのです。
しっ かりと噛むことをすると、唾液が多く出てきて、歯周組織や、骨が噛む力を受け止め、筋肉がそれを助け刺激となって働きます。

結果的に脳の発育や、成長を助け良い結果をもたらすのです。
幼稚園児の実験では良く噛む子に知能指数が高い子が多いことが分かっています。
記憶力が高まり、学習に関係する物質が多く分泌されたり、血流が良くなるので太りにくく、健康になると言われています。

ストレスが多いときにスルメをかじります、とかガムを噛みますという声を聞きますが、これは正しい対処法と言えます。
イライラを抑えるためにストレスを逃がし、噛むことで血流を良くしていくからです。
スポーツ選手が試合中にガムを噛んで集中力を高めるのもよく知られていることですよね。
眠気防止にガムを噛むのも同じ理由です。
よく噛んで唾液が沢山出てくると、口臭の予防、酵素が多く含まれるために身体の働きを効果的に促すなど利点が沢山あるのです。

小さな子供が生でニンジンを食べるのが好き、と聞くとうれしくなります。
逆にファストフードのハンバーガーにポテトという組み合わせでは、噛まないマウスと同じ結果が出ることが予想されてなんだか悲しくなります。
噛めないような歯並びの子供や、治療を怠って噛む歯がない部位が存在する場合はこのようなストレスを逃がす場が減っていることになります。

また、しっかりと噛むと歯に汚れがつきにくくなります。噛めない部位の歯には汚れがたまってきます。
お口の汚れ具合も、噛む、噛まないで大きく変わってきます。

80歳までに20本の歯を残しましょうという8020運動もあるように、高齢者がしっかりと噛める歯を持っているということは認知症を予防したり、誤飲、誤えんを招きにくくなるよう舌がよく動いたり、唾液がしっかりと働くなどの効果も期待できます。
口の中の汚れが細菌性の肺炎を招くとも言われています。
口の中が汚れないためにも歯をしっかりと使って噛んで、しっかりとお手入れをすることが高齢者にも大切なことになってきます。

しっかりと正しく噛むということは、とても大事なことなのだといえると思います。

2016-04-04 | Posted in デンタルニュースComments Closed