デンタルニュース
熱いものがしみるのはなぜ?冷たいものとの違いと受診の目安
日本橋の歯医者「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
「熱いお茶を飲んだときだけズキッとする」「味噌汁で急にしみる感じがする」という方は、意外と多いです。
冷たいアイスや冷たい飲み物は全然平気なのに、熱いものだけ気になるというパターンです。
診療の場でも「最初は気のせいかと思っていたけど、最近また同じ感じがして」と、しばらく経ってから相談に来られる方がよくいます。
冷たいものがしみる知覚過敏と違って、熱いものがしみる症状は気づきにくく、受診したときにはかなり進んでいたというケースも少なくありません。
「そのうち治るかな」と様子を見ているうちに、治療が大がかりになってしまうこともあるので、少しでも気になったら早めに確認しておくのが安心です。
この記事では、冷たいものと熱いものがしみる違いから、考えられる原因・受診の目安まで、わかりやすくまとめています。ぜひ参考にしてみてください。

冷たいものと熱いものがしみる、何が違うの?
①冷たいものがしみる場合
知覚過敏の可能性が高い
冷たいものを飲んだときに「キーン」とする感覚、経験したことがある方も多いと思います。
これは多くの場合、知覚過敏によるものです。
歯の表面のエナメル質が薄くなったり、歯ぐきが下がって歯の根元が出てきたりすることで、外からの刺激が神経に伝わりやすくなっている状態です。
冷たいものがしみる知覚過敏は、歯の神経自体がダメージを受けているわけではないことが多く、知覚過敏用の歯磨き粉や歯医者でのコーティング処置で良くなるケースがほとんどです。
様子見でいいことも
たとえば歯のクリーニングや歯石取りのあとに一時的にしみやすくなることがあります。
この場合は処置によって歯の表面が一時的に敏感になっているだけで、多くの場合は数日で落ち着きます。
ただし、1週間以上続くようなら一度相談してみてください。
②熱いものがしみる場合
神経が炎症を起こしているかもしれない
熱いものがしみるときは、冷たいものがしみる場合と少し状況が違います。
熱い刺激に反応するということは、歯の神経がすでに炎症を起こしている可能性があります。
神経が正常な状態であれば、熱い刺激にそこまで敏感に反応することはありません。
「冷たいものは平気なのに熱いものだけしみる」という場合は、知覚過敏よりも虫歯や神経のトラブルを疑った方がいいことが多いです。
冷たいもので痛みが和らぐときは要注意
熱いものがしみるときに、冷たい水を口に含むと痛みが和らぐという方がいます。
実はこれ、神経の炎症がかなり進んでいるときに出やすい症状です。
「冷やすと楽になるから大丈夫」ではなく、むしろ早めに受診してほしい症状のひとつです。
この状態を放置すると、神経を取る治療が必要になることもあります。

熱いものがしみるときに考えられる原因
①虫歯が深くなっている
初期との違い
虫歯の初期段階では、痛みをほとんど感じないことが多いです。
しかし虫歯が歯の内側にある神経に近づいてくると、じわじわと刺激が伝わりやすくなり、熱いものがしみるようになってきます。
「甘いものを食べたときだけ気になっていたのが、最近は熱いものでもしみるようになった」という変化がある方は、虫歯が進行している状態かもしれません。
痛みの種類や頻度が変わってきたときは、早めに確認してもらうことをおすすめします。
放置するとどうなるか
虫歯による痛みは、進行するにつれて「しみる」から「ズキズキ痛む」へと変わっていきます。
さらに放置すると神経が死んでしまい、一時的に痛みが消えることがあります。
「痛くなくなったから治った」と思いがちですが、これは決して良い状態ではありません。
その後、根っこの先に膿が溜まってより大がかりな治療が必要になることがあります。
②歯の神経が限界に近づいているとき
どんな症状が出やすいか
歯の神経が炎症を起こしているとき、熱いものがしみる以外にもいくつかの症状が出やすいです。
たとえば何もしていないのにズキズキ痛む、夜になると痛みが強くなる、痛む歯がはっきり特定できるといった症状です。
診療の場でも「最初は熱いものがしみる程度だったのに、だんだん何もしなくても痛くなってきた」とおっしゃる方がいます。
症状が変化してきたときは、神経の炎症が進んでいることが多いので、早めに診てもらうことが大切です。
神経を取る治療になることも
神経の炎症がひどくなると、神経を取る治療(根管治療)が必要になることがあります。
神経を取ること自体は珍しい治療ではありませんが、治療の回数も増えますし、その後の歯の寿命にも影響します。
熱いものがしみる段階で来ていただければ神経を残せるケースも多いので、気になったら早めにご相談ください。

こんな症状があったら早めに歯医者へ
①受診の目安
痛みが続く・夜に痛む
しみる感覚が一瞬で終わる場合は、様子見で終わることもあります。
ただ、痛みが数秒以上続く・じわじわ長引く・夜寝るときに痛むという場合は、早めに受診してください。
夜に痛みが強くなるのは、横になることで頭部への血流が増えて神経への圧力が上がるためで、神経の炎症が進んでいるときに出やすい症状です。
痛む歯が特定できるとき
「この歯が痛い」とはっきり場所がわかるときは、その歯にはっきりとした原因がある可能性が高いです。
逆に、どの歯か特定できないじんわりした痛みは、複数の歯に問題があったり、歯ぐきや顎のトラブルが関係していたりすることもあります。
どちらの場合も、自己判断せずに歯医者で診てもらうのが安心です。
②歯医者でどんな治療をするの?
状態によって変わる治療の流れ
熱いものがしみる原因によって、治療の内容は変わります。
虫歯が原因であれば虫歯を削って詰める処置、神経の炎症が進んでいれば根管治療、知覚過敏であればコーティング処置や薬の塗布といった対応になります。
まずはレントゲンや視診で状態を確認してから、治療の方針をお伝えします。
早めに来た方がいい理由
同じ症状でも、早い段階で来ていただけると治療が比較的シンプルで済むことが多いです。
「まだ我慢できるから」と後回しにしているうちに、神経を取る治療や抜歯が必要になってしまうケースも実際にあります。
痛みが出る前の定期検診が一番ですが、気になる症状があるときは、我慢せずに早めにご相談ください。
患者さんから「もっと早く来ればよかった」という言葉を聞くことがあります。
熱いものがしみるという症状は、体からの初期症状であることが多いので、気になった時点で一度診てもらうことをおすすめしています。

まとめ
熱いものがしみるときは、冷たいものがしみる知覚過敏とは原因が違うことが多く、歯の神経にトラブルが起きている可能性があります。
「そのうち治るかも」と様子を見ているうちに、治療が大がかりになってしまうことも少なくありません。
冷たいものは平気なのに熱いものだけしみる、痛みが数秒以上続く、夜になると痛みが強くなる、そういった変化に気づいたときは、できるだけ早めに歯医者に相談してみてください。
早い段階であれば、神経を残したままシンプルな治療で済むことも多いです。
歯の神経は一度取ってしまうと元には戻りません。
だからこそ、「まだ我慢できる」と後回しにせず、気になった時点で診てもらうことが、歯を長く守ることにつながります。
熱いものがしみる・痛みが続く・夜に痛むといった症状がある方は、ぜひ一度歯医者でご相談ください。
この記事を監修した人

医療法人社団周優会
常務理事 笠原幸雄所属学会
東京シティー日本橋ロータリークラブ会員
お江戸日本橋歯科医師会選挙委員会 委員長
一般社団法人 日本橋倶楽部会員
東京科学大学歯学部 東京同窓会参与略歴
私立開成高校卒業
早稲田大学理学部卒業
東京医科歯科大学歯学部卒業
東京医科歯科大学病院勤務
笠原歯科医院 蔵前開設
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 人形町開設
医療法人社団周優会 日本橋グリーン歯科 常務理事
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 六本木開設