2026-09
インプラントと矯正治療、どちらを先にするべき?順番の考え方
日本橋の歯医者「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
「インプラントもしたいし、歯並びも治したい。どちらを先にすればいいの?」という質問は、診療の場でも意外とよくいただきます。
どちらも時間とお金がかかる治療なので、順番を間違えると後悔につながることがあります。
実は、インプラントと矯正治療には「基本的な順番」があります。
この順番を知らずに治療を進めてしまうと、せっかく入れたインプラントをやり直さなければいけなくなるケースもあります。
この記事では、なぜ順番が大切なのか・どちらを先にするべきかをまとめています。ぜひ参考にしてみてください。

インプラントと矯正、なぜ順番が大切なの?
①インプラントは動かせない
天然の歯と違ってインプラントは移動しない
矯正治療で歯が動く仕組みは、歯と骨の間にある薄い組織が力を受けて、少しずつ位置を変えていくことで成り立っています。
インプラントにはその組織がなく、骨と直接くっついているため、矯正の力をかけても全く動きません。
天然の歯とインプラントでは、そもそも構造が違うのです。
これがインプラントと矯正の順番を考えるうえで一番大切なポイントです。
インプラントを先に入れてしまうと、そのインプラントだけが動かない状態で周りの歯だけが矯正で移動していくことになります。
結果として、インプラントが歯並び全体のバランスを崩してしまうことがあります。
矯正後にインプラントを入れるべき理由
矯正治療で歯並びを整えてからインプラントを入れることで、インプラントを最適な位置に配置することができます。
歯並びが整った状態でインプラントの位置を決めるので、噛み合わせや見た目のバランスが取りやすくなります。
「矯正が終わってからインプラントを入れましょう」とお伝えすると、「そんなに待たないといけないの?」と驚かれる方もいます。
順番ひとつで仕上がりがかなり変わってくるので、「早くインプラントを入れたい」という気持ちをぐっとこらえて、まず矯正からというのが結果的には近道になります。
②矯正でスペースを整えてからインプラントへ
歯並びが変わると入れる場所も変わる
歯を失ったまま長期間放置していると、隣の歯が少しずつ傾いてきたり、噛み合わせの歯が伸びてきたりすることがあります。
この状態でインプラントを入れようとしても、スペースが足りなかったり、噛み合わせが合わなかったりすることがあります。
矯正治療でまず歯並びを整えてスペースを確保することで、インプラントを入れるための適切な環境が作られます。
「隣の歯が傾いているからインプラントが難しい」と言われた方も、矯正で歯並びを整えることでインプラントができるようになるケースがあります。
順番を間違えるとどうなる?
インプラントを先に入れてから矯正をしようとすると、インプラントが動かないために矯正の計画が大きく狂ってしまいます。
周りの歯だけが動いていくので、最終的な歯並びのバランスが崩れてしまいます。
取り返しがつかない状態になってしまうと、インプラントをやり直すことになり、費用も通院回数も最初からやり直しです。
「順番を事前に教えてもらっていれば」という後悔につながりやすい部分なので、治療計画の段階でしっかり確認しておくことが大切です。

基本は「矯正が先・インプラントが後」
①矯正を先にするメリット
インプラントを最適な位置に入れられる
歯並びが整った後にインプラントの計画を立てることで、どこにどの角度で入れるかがずっと決めやすくなります。
スペースが確保されている状態だと、周りの歯とのバランスを見ながら位置を調整できるので、仕上がりの精度が上がります。
矯正後にインプラントを入れた患者さんから「自分の歯と見分けがつかない」と言っていただけることがあり、順番通りに進めることの大切さを実感しています。
仕上がりが自然になりやすい
歯並びが整っている状態だと、インプラントの被せ物のサイズや形を周りの歯に合わせて決めやすくなります。
逆に歯並びが乱れたままだと、被せ物の大きさや角度が合わせにくくなって、どこか不自然な仕上がりになりやすいです。
「言われないと気づかなかった」と言ってもらえるくらい自然に仕上げるには、矯正で土台を作っておくことが効果的です。
②矯正後にインプラントを入れるまでの流れ
矯正が終わってすぐインプラントできる?
矯正が終わっても、そのままインプラントにすぐ進めるわけではありません。
歯が新しい位置に落ち着くまでの間、リテーナーという装置をつけて歯が戻らないように固定する期間が必要です。
この時期に骨や歯ぐきもじわじわと安定してきます。
「矯正が終わったのにまだかかるの?」と感じる方もいますが、ここを飛ばしてしまうとインプラントがうまく定着しないことがあるので、もう少しだけ待つことが大切です。
期間はどのくらいかかる?
矯正治療の期間は、歯並びの状態によって異なりますが、一般的に1〜3年程度かかることが多いです。
その後の保定期間が数ヶ月〜1年程度あり、骨や歯ぐきが安定してからインプラントの治療に進みます。
インプラント自体の治療期間も数ヶ月かかるので、全体でかなりの時間がかかることを覚悟しておく必要があります。
「こんなに長くかかるの?」と驚かれる方もいますが、両方の治療をきちんと進めることで、長く満足できる結果につながります。
最初に全体のスケジュールを把握しておくと、気持ちの準備がしやすくなります。

例外的にインプラントが先になるパターン
①インプラントを矯正の土台として使う
アンカーインプラントとは?
「基本は矯正が先」とお伝えしましたが、例外的にインプラントを先に入れるパターンもあります。
そのひとつが「アンカーインプラント(インプラント矯正)」と呼ばれる方法です。
矯正では通常、別の歯や装置を支点にして歯を動かしていきます。
アンカーインプラントはその支点として、小さなインプラントを骨に埋め込む方法です。
固定源がしっかりしている分、通常の矯正では難しい動きができることがあります。
最終的に口の中に残るインプラントとは別物で、矯正が終わったら取り外すことがほとんどです。
どんな人に向いている?
アンカーインプラントは、通常の矯正では難しい動きが必要な場合や、奥歯を大きく移動させたい場合などに使われることがあります。
すべての方に適用されるわけではないので、担当の先生に相談してみてください。
「インプラントと矯正を両方するなら一緒にできないの?」と思う方もいますが、アンカーインプラントはその答えのひとつになることがあります。
ただし、専門的な判断が必要なので、自己判断せずに歯医者で確認することが大切です。
②その他、順番が変わるパターン
まずは歯医者に相談することが大切
インプラントと矯正の順番は、口の中の状態や治療の目的によって変わることがあります。
「矯正が先」が基本とはいえ、口の中の状態は人それぞれ違うので、同じ順番がすべての人に当てはまるとは限りません。
たとえば、矯正の必要がない方はインプラントだけで対応できますし、インプラントを入れる場所の状態によっては矯正なしで進めることもあります。
「自分の場合はどうすればいいの?」と迷ったときは、まず歯医者に相談して、自分に合った治療計画を立ててもらうことが一番です。
歯医者選びのポイント
インプラントと矯正を両方検討している場合は、両方の治療に対応している歯医者を選ぶか、それぞれの歯医者が連携して治療を進めてくれるところを選ぶと安心です。
「インプラントは得意だけど矯正は対応していない」という歯医者もあるので、治療を始める前に確認しておくといいでしょう。
両方の治療を見据えた計画を立ててもらえる歯医者の方が、トータルでスムーズに進めやすいです。

まとめ
インプラントも矯正もしたいと思ったとき、まず頭に入れておいてほしいのが「矯正を先に終わらせてからインプラントへ」という流れです。
インプラントは骨と直接くっついていて動かせないため、矯正で歯並びを整えた後に入れることで、最適な位置に配置できて見た目も噛み合わせも自然に仕上がりやすくなります。
時間はかかりますが、最初に治療全体の計画をしっかり立てておくことが、後悔しない結果につながります。
例外的なパターンもあるので、どちらから始めればいいか迷っているときは、まず歯医者に相談して自分に合った順番を確認してみてください。
インプラント治療、自分には向いている?治療前に確認しておきたいこと
日本橋の歯医者「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
「インプラントをしたいけど、自分には向いているのかな?」
「どんな人がインプラントに適しているの?」
そんな疑問を持っている方は多いと思います。
インプラントはすべての方に同じように適用できる治療ではなく、口の中の状態や全身の健康状態・生活習慣によって、向いている方とそうでない方がいます。
ただ、「向いていない」と言われても、事前の治療や準備で条件を整えられるケースもあります。
まずは自分の状態を正しく知ることが、インプラント治療への第一歩になります。
この記事では、インプラントに向いている人・注意が必要な人の特徴と、向いていない場合でもできる可能性があることをまとめています。ぜひ参考にしてみてください。

インプラントに向いている人の特徴
①口の中の状態が整っている
歯周病や虫歯が治療済みである
インプラントに向いている方の条件としてまず挙げられるのが、口の中の状態が安定していることです。
歯周病や虫歯が治療済みで、口の中に活発な炎症がない状態であることが大前提になります。
歯周病が進行している状態でインプラントを入れても、細菌の影響でインプラントが定着しにくくなったり、インプラント周囲炎になりやすくなることがあります。
「口の中がきれいな状態」を作ってからインプラントに進むことが、成功への近道です。
「インプラントをしたくて来たのに、まず虫歯と歯周病を治してからと言われた」という方もいます。
遠回りに感じるかもしれませんが、この順番を守ることがインプラントを長持ちさせるための土台になります。
顎の骨の量が十分にある
インプラントは顎の骨に埋め込む治療なので、骨の量と質が重要です。
骨の量が十分にある方は、インプラントがしっかり定着しやすく、治療がスムーズに進みやすいです。
骨の量はレントゲンやCTで確認することができます。
「骨が十分あるかどうか不安」という方も、まずは検査を受けてみることで現状を把握できます。
骨の量が足りない場合でも対処法があるので、自己判断せずに相談してみてください。
②生活習慣が安定している
禁煙している・禁煙できる
インプラントに向いている方の特徴として、喫煙していないことも大きなポイントです。
たばこに含まれる成分は血流を悪くして、インプラントと骨がくっつきにくくなる原因になります。
非喫煙者の方は、インプラントの定着率が高く、トラブルが起きにくい傾向があります。
喫煙習慣がある方でも、治療前から禁煙することでリスクを下げることができます。
「インプラントをきっかけに禁煙しました」という方も実際にいます。
禁煙できるかどうかが、インプラントの成功を左右する大きな要素のひとつです。
定期的なメンテナンスに通える
インプラントは入れたら終わりではなく、その後のメンテナンスが長持ちするかどうかを大きく左右します。
3〜4ヶ月に1回程度の定期メンテナンスに継続して通える方は、インプラントに向いていると言えます。
「治療が終わったらもう通わなくていいと思っていた」という方もいますが、インプラントを長く使い続けるためにはメンテナンスが欠かせません。
仕事が忙しくても定期的に時間を作れる方のほうが、インプラントとの相性がいいです。

インプラントに向いていない・注意が必要な人
①口の中の状態が気になる場合
歯周病が進行している
歯周病が活発に進行している状態では、インプラント治療を始めることが難しいです。
歯周病菌が多い口の中にインプラントを入れると、インプラント周りにも炎症が起きやすくなり、定着しないまま失敗してしまうリスクがあります。
歯周病が進行している方は、まず歯周病の治療を優先する必要があります。
「インプラントがしたくて来たのに、歯周病を先に治してからと言われてがっかりした」という方もいますが、この順番が結果的にインプラントを成功させるための大切なステップです。
骨の量が少ない場合はどうする?
歯を失ってから時間が経っていたり、歯周病で骨が溶けてしまっていたりすると、インプラントを埋め込むための骨が足りないことがあります。
この場合は「向いていない」と諦めてしまいがちですが、骨を増やす処置(骨造成)を行うことでインプラントができるようになるケースもあります。
骨の量が少ないからといって、すぐに諦める必要はありません。
まずは検査で現状を確認してから、どんな選択肢があるかを相談してみてください。
②全身の状態や生活習慣が影響する場合
喫煙習慣がある
喫煙習慣がある方は、インプラントのリスクが高くなります。
たばこは歯ぐきへの血流を悪化させ、インプラントと骨の結合を妨げます。
また、免疫力が低下するため傷の回復も遅くなりやすいです。
「吸わなければ大丈夫ですか?」と聞かれることがありますが、完全に禁煙することが望ましいです。
手術の前後だけ禁煙しても、長期的に喫煙を続けていると定着率に影響が出ることがあります。
インプラントを検討しているなら、禁煙を真剣に考えるいい機会だと思います。
持病がある場合の注意点
糖尿病・骨粗しょう症・血液をサラサラにする薬を服用しているなど、全身の状態によってはインプラント治療に注意が必要なことがあります。
ただし、持病があるからといって必ずしもインプラントができないわけではありません。
持病がコントロールされている状態であれば、インプラントができるケースも多いです。「持病があるから諦めていた」という方も、一度歯医者で相談してみることをおすすめします。
かかりつけの内科医と連携しながら治療を進めることもあります。

向いていなくてもできるケースがある
①事前の治療で条件を整えられることも
歯周病・虫歯を先に治療する
「今の状態ではインプラントが難しい」と言われても、事前に必要な治療を行うことで条件を整えられることがあります。
歯周病や虫歯を先に治療して口の中の状態を安定させてから、改めてインプラントに進むという流れです。
「最初は向いていないと言われたけど、治療を続けてインプラントができるようになった」という方もいます。
諦める前に、まず今の状態で何が必要かを確認してみてください。
骨造成で骨の量を補う方法も
骨の量が足りない場合は、骨を増やす処置(骨造成)を行うことでインプラントが可能になることがあります。
骨造成は追加の時間と費用がかかりますが、骨の量が足りないからといってインプラントを諦める必要はない場合も多いです。
ただし、骨造成が必要かどうか・どんな方法が適しているかは、骨の状態によって変わります。
レントゲンやCTで詳しく確認してから判断することになるので、まずは検査を受けてみることが大切です。
②まずは相談してみることが大切
自己判断せずに診てもらう
「自分はインプラントに向いていないだろうな」と自己判断して諦めてしまう方が意外と多いです。
でも実際に診てみると、意外と条件が整っていたり、少し準備をすればできる状態だったりすることもあります。
インプラントができるかどうかは、実際に口の中を診て・レントゲンを撮って・全身の状態を確認してから判断するものです。
「どうせ無理だろう」と思い込まずに、一度相談してみることをおすすめします。
「相談に来るまでずっと自分には無理だと思っていた」とおっしゃる患者さんが、実際に検査してみたら問題なくインプラントができた、というケースは少なくありません。
思い込みで選択肢を狭めてしまうのはもったいないです。
条件が整えばインプラントできることも
今すぐは難しくても、治療を積み重ねることで条件が整っていくこともあります。
「今は向いていないが、〇〇を治してから来てください」という形で、将来的にインプラントを目指せることもあります。
大切なのは「今の状態で何が必要か」を正確に把握することです。
そこから逆算して、インプラントに向けての準備を一歩ずつ進めていくことができます。

まとめ
インプラントに向いている人・向いていない人の違いは、口の中の状態・骨の量・生活習慣・全身の状態など、さまざまな要素が関係しています。
「向いていない」と感じていても、事前の治療や準備で条件を整えられるケースも多いです。
「自分はインプラントができないだろう」と諦める前に、まずは歯医者で現状を確認してみることが大切です。
実際に診てもらわないとわからないことがほとんどなので、気になっている方はぜひ一度相談してみてください。
インプラントは「入れたら終わり」ではなく、その後のメンテナンスを続けることで長く使い続けられる治療です。
向いているかどうかを確認することが、長く満足できるインプラント生活への第一歩になります。
歯周病があってもインプラントはできる?治療前に知っておきたいこと
日本橋の歯医者「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
「歯周病があるけど、インプラントはできるの?」という質問は、診療の場でもよくいただきます。
歯を失った原因が歯周病という方も多く、「歯周病があるとインプラントは無理なのかな」と不安に思っている方は少なくありません。
「歯周病があるから無理だろう」と最初から諦めてしまう方もいますが、実際はそうとも限りません。
大切なのは今の口の中の状態をきちんと把握して、必要な順番で治療を進めることです。
この記事では、歯周病とインプラントの関係・治療の流れ・インプラントを長持ちさせるためのポイントまで、まとめています。ぜひ参考にしてみてください。

歯周病とインプラントの関係
①歯周病がインプラントに与える影響
歯周病があると定着しにくくなる理由
インプラントは顎の骨にしっかりくっつくことで機能する治療です。
歯周病が進行している状態では、歯を支えている骨が溶けてしまっていることが多く、インプラントを埋め込むための骨が十分にない場合があります。
骨の量が足りないと、インプラントがしっかり定着しにくくなります。
また、歯周病は細菌による感染症です。
口の中に歯周病菌が多い状態でインプラントを入れると、その細菌がインプラント周りにも影響を与えて、定着を妨げることがあります。
「歯周病を治してからインプラントを」と言われる理由はここにあります。
インプラント周囲炎との関係
歯周病になりやすい方は、インプラントを入れたあとに「インプラント周囲炎」になるリスクが高いと言われています。
インプラント周囲炎は、歯周病と似た状態でインプラント周りの歯ぐきや骨に炎症が起きる病気です。
進行するとインプラントがぐらついたり、最悪の場合抜け落ちてしまったりすることもあります。
歯周病になりやすい体質や生活習慣を持っている方は、インプラント後も特に注意が必要です。
「インプラントにすれば虫歯にならない」と思っている方もいますが、インプラント周囲炎は誰にでも起きる可能性があります。
②歯周病があっても治療できる場合とできない場合
まず歯周病の治療が必要な理由
歯周病が活動している状態、つまり歯ぐきが腫れていたり出血したりしている状態では、インプラント治療を始めることは難しいです。
まず歯周病の治療をしっかり行い、口の中の状態を安定させてからインプラントの治療に進む流れになります。
診療でも「早くインプラントにしたい」という気持ちはよくわかるのですが、歯周病が落ち着いていない状態でインプラントを入れても、うまく定着しなかったり、すぐにトラブルが起きたりするリスクが高くなります。
遠回りに感じるかもしれませんが、この順番を守ることがインプラントをうまくいかせるための一番の土台になります。
完治していなくてもできるケースも
一方で、歯周病が「完治」していなくてもインプラントができるケースもあります。
歯周病は完全に治り切るというより、進行を抑えてコントロールしていく病気です。
歯周病の状態が安定していて、定期的にメンテナンスを続けられる状態であれば、インプラント治療に進めることがあります。
「歯周病があるから絶対にインプラントはできない」ということはないので、まずは歯医者で自分の状態を確認してもらうことが大切です。

インプラント前に歯周病を治療する場合の流れ
①歯周病治療の進め方
検査から治療までの流れ
インプラントを検討する前に、まず歯周病の検査を行います。
歯ぐきの状態・歯石の量・骨の状態などをレントゲンや視診で確認して、歯周病がどのくらい進んでいるかを把握します。
検査の結果をもとに、歯石取り・歯面清掃・ブラッシング指導などの基本的な歯周病治療を進めます。
歯周病が進んでいる場合は、歯ぐきの中の深いところにある歯石を除去する処置が必要になることもあります。
「インプラントの相談に来たのに、まず歯周病の治療をしばらく続けることになった」という方もいます。
「遠回りしているみたいで…」とおっしゃる方もいるのですが、この段階をしっかり踏むことがインプラントを長持ちさせるための一番の近道だと思っています。
どのくらいの期間がかかる?
歯周病治療にかかる期間は、歯周病の進み具合によって変わります。
軽度であれば数回の通院で落ち着くことも多いですが、進行している場合は数ヶ月かかることもあります。
「いつになったらインプラントできますか?」と聞かれることもよくありますが、歯周病の状態が安定してきたタイミングで判断することになります。
焦らずに歯周病の治療に取り組んでいただくことが、結果的にインプラントの成功につながります。
②歯周病が落ち着いてからインプラントへ
治療のタイミングはどう決まる?
歯周病の治療が一定程度進んで口の中の状態が安定してきたら、改めてインプラントが可能かどうかを判断します。
歯ぐきの炎症が落ち着いているか・骨の量が十分かどうかを確認して、インプラント治療に進むタイミングを決めます。
骨の量が足りない場合は、骨を増やす処置が必要になることもあります。
これも追加の時間がかかりますが、インプラントをしっかり支えるための大切な処置です。
インプラント後も歯周病ケアが必要な理由
インプラントを入れたあとも、歯周病のケアは続けていく必要があります。
インプラントは虫歯にはなりませんが、周りの歯ぐきや骨は歯周病菌の影響を受けます。
インプラントを入れたから安心ではなく、むしろインプラントを守るためにも歯周病のケアをしっかり続けることが大切です。
歯周病になりやすい方ほど、インプラント後のメンテナンスを丁寧に続けることが、インプラントを長く使い続けるための鍵になります。

歯周病がある方がインプラントを長持ちさせるために
①日々のセルフケアのポイント
歯周病になりやすい人ほど丁寧なケアが必要
歯周病になりやすい方は、普段のセルフケアをより丁寧に行うことが大切です。
歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスを使って歯と歯ぐきの境目の汚れをしっかり取り除くようにしてください。
「毎日磨いているのに歯周病になった」という方も多いのですが、磨けている場所と磨けていない場所が偏っていることが多いです。
歯医者で磨き方をチェックしてもらって、自分の磨き残しやすい場所を把握しておくことが効果的です。
インプラント周りの磨き方
インプラント周りは、天然の歯とは少し構造が違うため、ケアの仕方にも工夫が必要です。
インプラントと歯ぐきの境目に汚れが溜まりやすいので、歯ブラシを歯ぐきに対して斜め45度に当てて、やさしく細かく動かすようにしてください。
歯間ブラシのサイズが合っていないと、汚れが取れなかったり歯ぐきを傷つけてしまったりすることがあります。
インプラントを入れた後は、歯科衛生士に道具のサイズや使い方を確認してもらうと安心です。
実際に患者さんのセルフケアを確認すると、道具は持っているのに使い方が少し違っていて汚れが残っているケースをよく見かけます。
正しい使い方を知っているだけで、ケアの効果がぐっと上がります。
②定期メンテナンスの重要性
通院頻度の目安
インプラントを入れた後は、定期的なメンテナンスが欠かせません。
歯周病になりやすい方は特に、3ヶ月に1回程度の通院を目安にすることをおすすめします。
メンテナンスでは、自分では取りきれない汚れのクリーニング・インプラント周りの状態チェック・噛み合わせの確認などを行います。
「治療が終わったのにまだ通うの?」と思う方もいますが、インプラントを長持ちさせるためにメンテナンスは欠かせません。
むしろ、メンテナンスをしっかり続けることがインプラントの寿命を大きく左右します。
早期発見が大切な理由
定期メンテナンスで通っていただくことで、インプラント周囲炎などのトラブルを早い段階で見つけやすくなります。
問題が小さいうちに対処できれば、大がかりな治療を避けられることが多いです。
メンテナンスを続けている患者さんの中には、インプラントを10年以上問題なく使い続けている方もいます。
歯周病になりやすい方ほど、メンテナンスを習慣にしていただくことが、インプラントを守ることに直結します。

まとめ
歯周病がある方がインプラントを検討するとき、まず知っておいてほしいのは「順番が大事」ということです。
歯周病が落ち着いていない状態でインプラントを入れても、うまく定着しなかったりトラブルが起きやすくなったりします。
口の中の状態を整えてから進むことが、結果的に一番の近道です。
インプラントを入れた後も、歯周病のケアとメンテナンスを続けることが長く使えるかどうかを左右します。
「自分はインプラントができるのかな」と気になっている方は、まず歯医者で現状を確認してみることをおすすめします。
インプラント治療中に気をつけたい食事のポイント
日本橋の歯医者「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
「インプラントの手術後、何を食べていいの?」「治療中は食事に気をつけた方がいい?」という質問は、インプラント治療を受ける方からよくいただきます。
インプラントは手術を伴う治療なので、食事への影響が気になるのは当然のことです。
実際に「手術後に硬いものを食べてしまった」「熱いものを飲んで傷口が気になった」という方がいました。
治療中の食事は、インプラントがしっかり定着するかどうかにも関わってくるので、ポイントを知っておくことがとても大切です。
この記事では、手術前後から治療期間中まで食事で気をつけたいことをまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

手術前日・当日の食事について
①手術前の食事の注意点
麻酔を使う場合の食事制限
インプラントの手術では局所麻酔を使うことが多いですが、静脈内鎮静法(うとうとした状態で手術を受ける方法)を使う場合は、手術前に食事を控えるよう指示されることがあります。
麻酔の種類や量によって制限が変わるので、担当の歯科医師から事前に説明を受けた内容をしっかり守るようにしてください。
局所麻酔だけの場合は食事制限がないことがほとんどですが、手術前に食べすぎると気分が悪くなることもあるので、手術当日はあまり食べすぎない方が無難です。
体調を整えるために避けたい食べ物
手術前日は、アルコールを控えることをおすすめします。
飲酒は血行を促進して出血しやすくなる原因になるため、手術前日からはお酒を控えておくと安心です。
また、体調を崩しやすい生ものや、消化に負担がかかるものも手術前日は避けた方がいいでしょう。
「前日に飲み会があって…」という方もたまにいますが、手術の結果に影響することがあるので、できれば手術前日の飲酒はしないようにお伝えしています。
②手術当日の食事
手術後すぐは食べない方がいい理由
手術直後は、傷口が新しくできたばかりの状態です。
この時期に食事をすると、食べ物が傷口に触れて刺激になったり、食べカスが傷口に入り込んで感染のリスクが高まったりすることがあります。
手術後はしばらく食事を控えて、傷口が落ち着くのを待つことが大切です。
具体的には、手術後2〜3時間は食事を避けることをおすすめしていることが多いです。
ただし、お口の状況にもよりますので、担当の歯科医師から指示がある場合はそちらに従ってください。
麻酔が切れるまでの注意点
手術で使った麻酔が切れるまでの間は、口の感覚が鈍くなっています。
この状態で食事をすると、熱さや硬さを正しく感じられずに口の中を傷つけてしまうことがあります。
「麻酔が効いている間に食べたら、頬の内側を噛んでしまった」という方もいるので、麻酔が完全に切れてから食事をするようにしてください。
麻酔が切れる時間は個人差がありますが、だいたい2〜4時間程度が目安です。
しびれや感覚の鈍さが残っている間は、食事を待つようにしましょう。

手術後に気をつけたい食事のポイント
①手術後しばらく避けた方がいい食べ物
硬いもの・刺激の強いものはNG
手術後しばらくは、硬い食べ物・粘着性のある食べ物・辛いものや酸っぱいものなど刺激の強い食べ物は避けてください。
硬いものを噛むと傷口に力がかかって、せっかくできた血のかたまりが取れてしまうことがあります。
また、辛いものや酸っぱいものは傷口を刺激して、痛みや炎症を悪化させることがあります。
患者さんから「手術後に硬いせんべいを食べてしまって、傷口が気になった」という話を聞くことがあります。
「食欲があるから大丈夫」ではなく、傷口が落ち着くまでは食べ物の選び方に気をつけてほしいです。
温度に気をつけたい理由
手術後の傷口は敏感な状態なので、熱い飲み物や食べ物も避けた方がいいです。
熱いものを口にすると血管が広がって出血しやすくなったり、傷口への刺激になったりすることがあります。
「コーヒーが飲みたい」という方もいますが、手術後しばらくはぬるめにして飲むか、落ち着くまで控えてもらうようにお伝えしています。
冷たすぎるものも傷口を刺激することがあるので、常温〜少しぬるめのものが一番安心です。
②手術後に食べやすいものの選び方
柔らかくて栄養が取れるものがおすすめ
手術後は、柔らかくて栄養が取れるものを選ぶことが大切です。
おかゆ・豆腐・卵料理・スープ・ヨーグルトなど、噛む力がほとんど必要なく、栄養もしっかり取れるものがおすすめです。
「何を食べればいいかわからなくて、結局食べられなかった」という方もいます。
事前に食べやすいものを準備しておくと、手術後の食事に困らなくて済みます。
手術の日に合わせて、あらかじめ柔らかい食材を買っておくといいでしょう。
回復を助ける食べ物とは
傷口の回復を助けるためには、タンパク質・ビタミンC・亜鉛などの栄養素が役立ちます。
タンパク質は傷の修復に必要な栄養素で、豆腐・卵・魚などの柔らかいものから取るといいです。
ビタミンCはコラーゲンの生成を助けるので、野菜スープやゼリーなどで補うのもひとつの方法です。
「何を食べてもいいですか?」と聞かれたときは、「柔らかくて栄養があるものであれば何でも大丈夫ですよ」とお伝えしています。
難しく考えすぎず、食べやすいものから少しずつ食べてもらえれば十分です。

治療期間中(インプラントが骨とくっつくまで)の食事
①この時期に気をつけたいこと
患部に負担をかけない食べ方
インプラントを埋め込んでから骨としっかりくっつくまでには、数ヶ月かかることがあります。
この期間中は、インプラントを入れた側でなるべく噛まないようにすることが大切です。
反対側の歯で噛むようにして、患部への負担を減らしましょう。
「どうしても気になって患部で噛んでしまう」という方もいますが、この時期に無理な力をかけるとインプラントが骨とうまくくっつかなくなることがあります。
食事のたびに少し意識するだけで、インプラントの定着に大きな差が出ることがあります。
食後のケアが特に大事な理由
治療期間中は、食後のケアがとても重要です。
インプラント周りに食べカスが残ると、細菌が繁殖してインプラント周囲炎のリスクが高まります。
食後は歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやフロスを使ってインプラント周りをきれいに保つようにしてください。
実際に「食後のケアを丁寧にしている方とそうでない方では、インプラント周りの状態が全然違う」と感じることがよくあります。
治療期間中の食後ケアが、インプラントを長持ちさせることにも直結しています。
②食事以外で気をつけたいこと
飲酒・喫煙の影響
治療期間中の飲酒は、傷口の回復を遅らせることがあります。
アルコールは血行を促進して出血しやすくなるだけでなく、免疫力にも影響するため、できれば治療が落ち着くまでは控えめにしておくことをおすすめします。
喫煙はインプラントの定着に特に大きな影響を与えます。
たばこに含まれる成分が血流を悪くして、骨とインプラントがくっつきにくくなることがあります。
「手術後だけ禁煙すればいい」ではなく、治療期間中はできるだけ喫煙を控えることが大切です。
栄養バランスが回復に影響する
食事の内容だけでなく、栄養バランスも回復に大きく関係します。
偏った食事が続くと免疫力が落ちて、傷口の回復が遅くなったり、インプラント周りのトラブルが起きやすくなったりします。
「インプラントの治療中だから特別なものを食べなきゃ」と難しく考える必要はありません。
バランスのよい食事を心がけて、体の回復を助けてあげることが一番です。

まとめ
インプラント治療中の食事は、手術前後の注意点と治療期間中のケアの2つに分けて考えることが大切です。
手術後は硬いもの・熱いもの・刺激の強いものを避けて、柔らかくて栄養のあるものを選ぶようにしてください。
治療期間中は患部に負担をかけない食べ方と、食後の丁寧なケアを続けることが、インプラントをしっかり定着させることにつながります。
「食事に気をつけるだけでこんなに違うんですね」とおっしゃっていただける患者さんもいます。
インプラントは入れて終わりではなく、その後の過ごし方が長く使えるかどうかを左右します。
わからないことや不安なことがあれば、かかりつけの歯科医院で相談してみてください。