デンタルニュース

歯ブラシは1か月で交換した方がいい?交換時期の目安を解説

日本橋の歯医者「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。

「歯ブラシってどのくらいで替えればいいの?」と聞かれることは、診療の場でも意外と多いです。

「なんとなく1か月くらい?」と感覚で替えている方もいれば、「毛先が開いてきたら」と判断している方もいて、人によってバラバラでもあります。

実は歯ブラシの交換時期は、口の中の清潔さに直結しています。

古くなった歯ブラシを使い続けると、しっかり磨いているつもりでも汚れが落ちていないことがあります。

この記事では、歯ブラシの交換時期の目安と、替えどきを見極めるポイントをわかりやすくまとめています。

ぜひ参考にしてみてください。

歯ブラシの交換時期の目安

①1か月が目安と言われる理由

毛先の状態が清掃力に直結する

歯ブラシの交換目安としてよく言われるのが「1か月に1本」です。

これには理由があり、歯ブラシの毛先は使い続けるうちに少しずつ広がったり、毛先が丸まったりしてきます。

こうなると歯や歯ぐきへの当たり方が変わって、汚れを落とす力がどんどん落ちてきます。

1か月というのはあくまでも目安で、磨き方の力加減や磨く時間によって毛先の消耗スピードは人それぞれです。

「まだ使えそう」と思っていても、意外と早く劣化していることが多いです。

新品と古い歯ブラシの清掃力の差

新品の歯ブラシと1か月使った歯ブラシでは、清掃力にかなり差が出ます。

毛先がまっすぐな状態のときは歯の表面にしっかり当たりますが、広がってくると毛先が歯面から浮いてしまい、汚れをかき出す力が弱くなります。

以前、患者さんに染め出し液を使って磨き残しをチェックしたことがあります。

その方は毎日きちんと磨いているとのことでしたが、使っていた歯ブラシの毛先がかなり広がった状態で、染め出してみると歯の表面にプラークがびっしり残っていました。

本人もびっくりされていて「こんなに残ってたんですね」と驚いていたのを今でも覚えています。

歯ブラシの状態がいかに大切かを実感した出来事でした。

②交換が必要なサインを見極める

毛先が広がってきたら替えどき

歯ブラシを替えるタイミングの一番わかりやすい目安は、毛先の広がりです。

歯ブラシを裏返して毛先を見たとき、毛がハの字に広がっていたり、外側にはみ出していたりする状態になったら替えどきです。

「まだ形が崩れていないから大丈夫」と思っていても、1か月経っていたら替えることをおすすめします。

毛先の広がりは使う力や頻度によって変わるので、2週間程度で広がってしまう方もいます。

逆に言うと、毛先が早く広がる方は磨く力が強すぎる可能性があるので、力加減を見直すいい機会でもあります。

見た目以外のチェックポイント

毛先の広がり以外にも、替えどきを判断するポイントがあります。

たとえば歯ブラシの根元部分に汚れや黒ずみが残りやすくなってきた場合や、磨いたあとに歯がツルツルしにくくなってきたと感じる場合も、歯ブラシの劣化が影響していることがあります。

「最近なんか磨いた感じがしない」と感じたら、歯ブラシを替えてみると改善することがあります。

新しい歯ブラシに替えた途端に「全然違う!」と感じる方も多く、それだけ歯ブラシの状態が磨き心地に影響しているということです。

古い歯ブラシを使い続けるとどうなる?

①清掃力が落ちてプラークが残りやすくなる

磨いているのに汚れが落ちていない状態

歯ブラシが劣化すると、毎日磨いていても汚れが十分に落ちない状態が続きます。

プラーク(歯垢)が残りやすくなると、虫歯や歯周病のリスクが上がります。

「ちゃんと磨いているのに虫歯になった」という方の中には、歯ブラシの状態が原因のひとつになっていることもあります。

染め出し液でプラークを可視化すると、古い歯ブラシを使っている方は特に歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間に汚れが残っていることが多いです。

磨いた気になっているのと、実際に落ちているのは別の話なんだということを、ぜひ知っておいてほしいです。

歯ぐきを傷つける可能性も

毛先が広がった歯ブラシは、歯面に当たらない分、変な角度で歯ぐきに当たりやすくなります。

その結果、歯ぐきを必要以上に刺激してしまい、出血や炎症につながることもあります。

「歯磨きのたびに血が出る」という方が、歯ブラシを替えたら出血しなくなったというケースもあります。

歯ぐきのトラブルが気になる方は、まず歯ブラシの状態を見直してみてください。

②衛生面でも古い歯ブラシはリスクがある

細菌が繁殖しやすくなる

使い続けた歯ブラシは、毛の間に細菌が繁殖しやすくなります。

特に保管状態が悪いと、歯ブラシ自体が不衛生な状態になってしまいます。

毎日口の中に入れるものなので、衛生面からも定期的な交換が大切です。

歯ブラシを清潔に保つためには、使ったあとに流水でしっかり洗い、毛先を上にして風通しのよい場所で乾かすことが基本です。

キャップをつけたまま保管すると湿気がこもって菌が増えやすくなるので、持ち歩き用以外はキャップなしで保管するのがおすすめです。

体調不良のあとは早めに替える

風邪をひいたり、口内炎が出たりしたあとは、早めに歯ブラシを替えることをおすすめします。

体調不良のときに使った歯ブラシには、その時期の細菌やウイルスが残っている可能性があります。

回復後も同じ歯ブラシを使い続けると、また同じ菌に触れることになるので、体調が戻ったタイミングで新しいものに替えると安心です。

正しい歯ブラシの選び方と管理のポイント

①自分に合った歯ブラシの選び方

毛の硬さは「ふつう」か「やわらかめ」がおすすめ

歯ブラシの毛の硬さは、かため・ふつう・やわらかめの3種類があることが多いです。

「かための方がしっかり磨けそう」と選ぶ方もいますが、歯ぐきへの刺激が強くなりやすいので、基本的にはふつうかやわらかめをおすすめしています。

特に歯ぐきが腫れやすい方や、磨くときに力が入りやすい方はやわらかめを選ぶと、歯ぐきへの負担を減らしながら磨けます。

「かための歯ブラシじゃないと磨いた気がしない」という方ほど、力の入れすぎで歯ぐきを傷つけているケースが多いので注意が必要です。

ヘッドは小さめが使いやすい

歯ブラシのヘッド(磨く部分)は、小さめを選ぶと奥歯まで届きやすくなります。

大きめのヘッドは一度に広い面積を磨けそうに見えますが、奥歯や歯と歯ぐきの境目には届きにくいことが多いです。

「奥歯が磨きにくい」とおっしゃる方に小さめのヘッドをすすめると、「こんなに違うんですね」と驚かれることがよくあります。

ヘッドのサイズひとつで磨きやすさがかなり変わるので、ぜひ試してみてください。

②歯ブラシを長持ちさせる管理方法

使い方次第で消耗スピードが変わる

同じ歯ブラシでも、磨くときの力加減によって毛先の消耗スピードが全然違います。

ゴシゴシと力を入れて磨く方は2週間もしないうちに毛先が広がってしまうことがあります。

歯ブラシは力で磨くのではなく、毛先を歯にやさしく当てて細かく動かすことが大切です。

力の入れすぎは歯ブラシの消耗を早めるだけでなく、歯ぐきを傷つけたり、歯の表面を削ったりする原因にもなります。

「1か月経たないうちに毛先が広がる」という方は、力加減を見直してみてください。

複数本用意しておくと替えやすい

歯ブラシをストックとして何本か用意しておくと、替えどきを逃しにくくなります。

「買い忘れた」「まだあるからいいか」と替えるタイミングを先延ばしにしてしまうことは多いので、まとめ買いしておくのがおすすめです。

カレンダーに交換日をメモしておく、月初めに必ず替えると決めておくなど、自分なりのルールを作ると続けやすいです。

小さなことですが、歯ブラシを定期的に替えるだけで口の中の状態がぐっとよくなることがあります。

まとめ

歯ブラシの交換目安は1か月に1本が基本ですが、毛先の広がりや磨き心地の変化を感じたら、期間にかかわらず早めに替えることをおすすめします。

古い歯ブラシを使い続けると、毎日磨いていても汚れが落ちきらず、虫歯や歯周病のリスクが上がってしまいます。

「ちゃんと磨いているのになぜか虫歯になる」「最近歯磨きの後スッキリしない」と感じている方は、まず歯ブラシの状態を確認してみてください。

新しい歯ブラシに替えるだけで、磨き心地がガラッと変わることがあります。

歯ブラシのことで気になることがあれば、定期検診のときに気軽に聞いてみてください。

この記事を監修した人

医療法人社団周優会 常務理事 笠原幸雄

医療法人社団周優会
常務理事 笠原幸雄

所属学会

東京シティー日本橋ロータリークラブ会員
お江戸日本橋歯科医師会選挙委員会 委員長
一般社団法人 日本橋倶楽部会員
東京科学大学歯学部 東京同窓会参与

略歴

私立開成高校卒業
早稲田大学理学部卒業
東京医科歯科大学歯学部卒業
東京医科歯科大学病院勤務
笠原歯科医院 蔵前開設
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 人形町開設
医療法人社団周優会 日本橋グリーン歯科 常務理事
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 六本木開設