デンタルニュース

親知らずが痛い…抜くべき?様子を見ていい?

日本橋の歯医者「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。

「親知らずが痛いけど、抜くべきなのか様子を見ていいのかわからない」というご相談は、診療の中でもよくいただきます。

親知らずは人によって生え方も状態もまったく違うので、「抜いた方がいい」と一律には言えないのが正直なところです。

ただ、痛みが出ているときには何かしらの理由があります。

この記事では、親知らずが痛くなる原因から、抜いた方がいいとき・様子を見てもいいとき、抜歯の流れまでまとめています。

親知らずでお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

親知らずが痛むイメージ

親知らずが痛くなる原因

①生え方によって起きるトラブル

まっすぐ生えていない場合

親知らずは一番奥に生えてくる歯で、生えるスペースが足りないことがよくあります。

スペースが足りないと斜めや横向きに生えてしまい、隣の歯を押すような形になることがあります。

このような生え方だと、歯ぐきや隣の歯にずっと圧力がかかっている状態になり、痛みや違和感が出やすくなります。

診療室でレントゲン写真を見ると「こんなに傾いて生えてたんですね」と驚かれる方も多く、ご自身では気づきにくい部分でもあります。

半分だけ生えている・歯ぐきに埋まっている場合

親知らずが歯ぐきの中から半分だけ顔を出している、あるいは完全に埋まっているという方もいます。

半分だけ生えている状態は、歯ぐきとの間にすき間ができやすく、そこに汚れが入り込んで腫れやすくなります。

「急に痛くなった」という場合、よく見るとこの状態になっていることが多いです。

汚れが溜まりやすい場所なので、歯ブラシだけではなかなかきれいに保てません。

②痛みの種類でわかること

歯ぐきの腫れによる痛み

親知らずの周りの歯ぐきが腫れて痛むことがあります。

前述したように、歯ぐきとの間にすき間がある親知らずに汚れが溜まり、細菌が増えることで起こります。

この腫れは、疲れがたまっているときや体調を崩したときに出やすいという特徴があります。

実際に「忙しい時期になるとここが痛くなる」とおっしゃる方が多いです。

虫歯による痛み

親知らずは一番奥にあるため、歯ブラシが届きにくく虫歯になりやすい歯でもあります。

さらに親知らず自体だけでなく、隣の歯との間に汚れが溜まって、隣の歯まで虫歯になってしまうこともあります。

「親知らずが痛い」と思っていたら、実は隣の歯が虫歯になっていたということも珍しくありません。

痛みの場所が親知らずなのか隣の歯なのか自分では判断しづらいので、歯医者で確認することが大切です。

歯茎に埋まっている親知らず

抜いた方がいいときと様子を見ていいときの違い

①抜いた方がいいとき

腫れや痛みを繰り返している

親知らずの周りの腫れは、一度起こすと繰り返しやすくなる傾向があります。

腫れと痛みが落ち着いたかと思えば、しばらくしてまた同じ症状が出る、という方は珍しくありません。

繰り返すたびに歯ぐきや骨への負担が積み重なっていくので、こういった方は抜歯を考えた方がいいことが多いです。

「また同じところが痛くなった」という回数が増えてきたら、抜歯のタイミングを考えるきっかけにしてみてください。

隣の歯に影響が出ているとき

親知らずが隣の歯を押している、隣の歯との間に汚れが溜まって虫歯になっている、という場合は、親知らずを残すことで隣の健康な歯にまで悪い影響が広がってしまいます。

親知らずの手前の歯は一生使う大切な歯なので、親知らずのせいでダメージを受けてしまうのは避けたいところです。

このような状態のときは、早めに抜歯を相談することをおすすめしています。

②様子を見てもいいとき

まっすぐ生えていて噛み合わせに問題がないとき

親知らずがまっすぐに生えていて上下できちんと噛み合っている場合は、必ずしも抜く必要はありません。

きちんと機能している歯であれば、他の歯と同じようにケアをしながら使い続けられます。

「親知らずがあるって聞いたけど抜かなくていいの?」と聞かれることもありますが、状態がよければそのまま残すという判断になることも多いです。

腫れが一時的なものだったとき

親知らずの周りが腫れても、それが疲れや体調不良による一時的なもので、その後きちんとケアをすることで落ち着いている場合は、すぐに抜歯が必要というわけではありません。

ただし「様子を見ていい」と「放置していい」はまったく違います。

一度腫れた親知らずはまた腫れやすいので、定期的に状態をチェックしてもらいながら経過を見ていくことが大切です。

親知らずを痛がる女性

親知らずを抜くときに知っておきたいこと

①抜歯の流れ

抜く前の検査

抜歯の前には、レントゲン写真や必要に応じてCTで親知らずの状態を詳しく確認します。

根っこの形や神経との位置関係によって、抜歯の難しさや方法が変わってくるためです。

「思っていたより根が複雑な形をしている」ということもあり、事前の検査でしっかり状態を把握しておくことが、安全な抜歯につながります。

抜歯当日の流れ

抜歯当日は、麻酔をしっかり効かせてから処置を行います。

生え方によって処置の時間は変わりますが、まっすぐ生えている場合は数分程度で終わることもあります。

歯ぐきに埋まっている親知らずの場合は歯ぐきを開けて処置するため、もう少し時間がかかることがあります。

緊張されている方も多いので、処置の前にできるだけ流れを説明して、不安を減らすように心がけています。

「思っていたよりあっさり終わった」と言っていただけることも多いです。

②抜いたあとの注意点

痛みや腫れはどのくらい続く

抜歯後の痛みや腫れは、生え方によって人それぞれです。

まっすぐ生えていた場合は数日程度で落ち着くことが多いですが、歯ぐきに埋まっていた親知らずを抜いた場合は、1週間前後腫れが続くこともあります。

「腫れが想像より大きくて驚いた」という声もよく聞きますが、これは処置の範囲によるもので、適切に冷やしたり処方されたお薬を使ったりすることで徐々に落ち着いていきます。

抜いたあとの過ごし方

抜歯当日は、傷口にできるかさぶたのようなもの(血のかたまり)が取れてしまわないよう、強いうがいや患部を触ることは避けてください。

これが取れてしまうと、強い痛みが長く続いてしまうことがあります。

「うがいしすぎたら痛みがひどくなった」という方もいるので、抜歯後の説明はしっかり聞いていただきたいポイントです。

激しい運動やお酒も数日は控えて、傷口が落ち着くまで様子を見てください。

親知らずを抜歯した後の歯茎

まとめ

親知らずの痛みは、生え方やその時の体の状態によって原因が変わります。

すべての親知らずを抜く必要はありませんが、腫れや痛みを繰り返している、隣の歯に影響が出ているといった場合は、抜歯を考えた方が安心です。

「様子を見ていい」と自分で決める前に、一度レントゲンで親知らずの状態を確認してもらうことをおすすめします。

痛みが出たタイミングは、ご自身の親知らずの状態を知るいい機会でもあります。

また、痛みが落ち着いているときでも、歯医者で診てもらっておくと、今後の見通しがより立てやすくなります。

生え方によって抜いた方がいいのか、そのまま残しても大丈夫なのか判断が変わってくるので、早めに知っておくと心の準備もしやすくなります。

気になる症状があるときは、ぜひ一度歯医者で相談してみましょう。

この記事を監修した人

医療法人社団周優会 常務理事 笠原幸雄

医療法人社団周優会
常務理事 笠原幸雄

所属学会

東京シティー日本橋ロータリークラブ会員
お江戸日本橋歯科医師会選挙委員会 委員長
一般社団法人 日本橋倶楽部会員
東京科学大学歯学部 東京同窓会参与

略歴

私立開成高校卒業
早稲田大学理学部卒業
東京医科歯科大学歯学部卒業
東京医科歯科大学病院勤務
笠原歯科医院 蔵前開設
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 人形町開設
医療法人社団周優会 日本橋グリーン歯科 常務理事
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 六本木開設