デンタルニュース

口腔がんは早期発見が大切

口腔がんとは?

口腔(こうくう)とは、お口の中全体を指します。
そして、そこにできるがんを総称して「口腔がん」と呼んでいます。
タレントの堀ちえみさんの罹患で注目されました。

舌や頬、歯ぐきなど、様々な部位にできますが、最も多いのは舌にできる舌がんです。
日本では年間約8,000人(2016年)が口腔がんになります。
がん全体のおよそ1%ですが、年々増加しており、30年前と比べると約3倍に増えています。

口腔がんは、初期症状のうちに発見すれば簡単な治療で治すことができ、後遺症もほとんど残ることはありません。
しかし進行した口腔がんでは、手術により舌やあごの骨を切除するため、顔が変形することがあります。
このため、日常の生活に大きな支障を残すことがあるのです。
だからこそ、早期発見が重要です。

口腔がんは痛みがない!?

口腔がんは痛みを伴わないものが多く、口内炎と間違われてしまうことがあります。
口内炎は長くても二週間程度で治りますが、なかなか治らない場合は、口腔がんが疑われます。
その他の特徴として、かみづらい感じがする、舌などにしびれを感じる、頬・舌に動かしづらさを感じる、首のリンパ節の腫れが3週間以上続く、などの変化や違和感が表れることもあります。

自分で見つけましょう

口腔がんは、自分で見つけることができます。
早く見つかればほとんどが治せるのです。
月に一度、明るい場所で鏡を見ながら確認し、次の様な異常が見られたら歯科口腔外科にかかりましょう。

口腔がん自己チェックのすすめかた

1. 下唇の内側と、下あごの歯肉とその間を見て、触ってください。
2. 上唇の内側と、上あごの歯肉と、その間を見て触ってください。
3. 頬の裏側の粘膜を見て、触ってください。
4. 舌を前に出し、舌の両側、下側をよく見て触ってください。
5. 下顎から首にかけて触って見てください。

こんな症状が見られたら、すぐに歯科口腔外科を受診しましょう

□ 口内炎や口の中の傷が2週間経っても治らない
□ 口の中にしこりや腫れ、ザラザラしたところがある
□ 口の中に色の違う部分がある(白斑や赤斑など)
□ 口の中(舌・歯肉・頬粘膜・口唇・口蓋から出血する)
□ 最近、痛みや腫れで急に入れ歯が合わなくなってきた
□ 歯以外の所がしみたり、ヒリヒリする
□ 噛んでしまった場所や、抜歯後の傷がなかなか治らない

この記事を監修した人

医療法人社団周優会 常務理事 笠原幸雄

医療法人社団周優会
常務理事 笠原幸雄

所属学会

東京シティー日本橋ロータリークラブ会員
お江戸日本橋歯科医師会選挙委員会 委員長
一般社団法人 日本橋倶楽部会員
東京科学大学歯学部 東京同窓会参与

略歴

私立開成高校卒業
早稲田大学理学部卒業
東京医科歯科大学歯学部卒業
東京医科歯科大学病院勤務
笠原歯科医院 蔵前開設
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 人形町開設
医療法人社団周優会 日本橋グリーン歯科 常務理事
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 六本木開設