デンタルニュース

くいしばりのリスクについて

歯をぐっと噛んで我慢、などというふうに耐えてきたぞという方。
クレンチング症候群という言葉を聞いたことがありますか?
歯を食いしばる癖のことですが、ストレスが多くかみしめる方に多く発症する症状で、その結果は身体に大きな影響があることがわかってきています。

1504410001 nihonbashi011

実際、歯でぐっとかむときには自分の体重と同じくらい、平均50~60キロ程度の力がかかっていると言われています。
おせんべいを噛むときには50キロ、フランスパンをかじるときは30キロ、歯ぎしりをするときには80キロほどの力がかかると日本歯科医師会でも説明しています。
実際数字でみてみると、人間は毎日これだけの力をかけて何かを食べているなんて驚きですね。
一時的に食事でかかる力に関しては必要だとしても、ぐっとかみしめる無意識の時間が長く続いてしまえば、身体に大きなダメージが起きてきます。

その症状は結果どんなことが起きてくるのでしょうか。
たとえば、歯がこすれ合い削れて来たり、歯が折れたり、亀裂が入ってしまってそのヒビから知覚過敏が起きることがあります。
また、強い力を常にかけるために肩こりが起きたり、顎関節症を招くこともあります。
歯から歯の周りの組織にかかる負担から、炎症を起こしたり歯周病になったり、歯がぐらついてくることも予想されます。

クレンチング症候群という耳慣れない言葉ではありますが、このような症状になる前に早めのチェックをして対処をしていきたいものです。
クレンチング症候群にならない ように、以下の項目をチェックしてみましょう。

鏡で見たときに、上と下の歯のかみ合わせの部分がすり減って見えたり、平らになっていたりしませんか。
舌の脇の部分に、歯の形がついて波のようにみえませんか。
頬の内側、歯に当たる部分に白く見える線やなにか異変がありませんか。
歯と歯茎の境目に削られたような不自然な傷がありませんか。
あごの関節や、エラのあたりを押すと筋肉に痛みが出ることがありませんか。

このようなことが思い当たる方はクレンチング症候群予備軍の可能性があります。
もし思い当たる方は症状を感じるようになる前に予防をしていきましょう。
クレンチング症候群の予防のためには、首周りの筋肉や肩の凝りなどをほぐすよう心がけたり 、上と下の歯が触れていると感じた時には極力噛んだ歯を緩めてみましょう。
イライラやかみしめを分散するようにガムを噛んでみたり、かみしめているあごの関節や、口の中をマッサージするように緩めてみるのもよいでしょう。
噛み合わせを歯医者さんで見てもらったり、強い力を直接かけないようにマウスピースを作ってもらうこともよい方法です。
ご不明な点は日本橋グリーン歯科へご相談ください。

ストレス社会だと言われる昨今、このような癖や悩みとうまく付き合えるよう、早いうちに対処していきましょう。

この記事を監修した人

医療法人社団周優会 常務理事 笠原幸雄

医療法人社団周優会
常務理事 笠原幸雄

所属学会

東京シティー日本橋ロータリークラブ会員
お江戸日本橋歯科医師会選挙委員会 委員長
一般社団法人 日本橋倶楽部会員
東京科学大学歯学部 東京同窓会参与

略歴

私立開成高校卒業
早稲田大学理学部卒業
東京医科歯科大学歯学部卒業
東京医科歯科大学病院勤務
笠原歯科医院 蔵前開設
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 人形町開設
医療法人社団周優会 日本橋グリーン歯科 常務理事
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 六本木開設