デンタルニュース

ナイトガードの効果!歯ぎしり・食いしばり対策

日本橋の歯医者「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。

朝起きたときに「あごが疲れている」「歯がしみる」といった経験はありませんか?

それは、眠っている間の気づかないうちに「歯ぎしり」や「食いしばり」をしていることが関係している場合があります。

この習慣を放っておくと、歯やあごの健康に悪影響を及ぼす危険性が高まります。

そんな時に役立つのが「ナイトガード」です。

本記事では、ナイトガードがどのように歯やあごを守ってくれるのか、その効果や使い方まで解説します。

ナイトガード

もしかして歯ぎしり・食いしばり?ナイトガードの役割

①夜間の歯ぎしり・食いしばり

「顎がだるい」「歯がしみる」原因

眠っている間、無意識に歯を擦り合わせたり、強く噛みしめる人がいます。

これが「歯ぎしり」や「食いしばり」と呼ばれる状態です。

朝起きた時にあごの周りが重く感じられたり、歯がなんとなくしみるような気がするのも、この歯ぎしり、食いしばりなどが原因になっていることがあります。

歯ぎしりや食いしばりの力は、大人の体重以上にもなり、歯やあごの骨に大きな負担がかかります。

繰り返すことで、歯の表面がすり減ったり、歯ぐきが下がったり、場合によっては歯がヒビ割れる場合もあります。

また、強い力が長期間続くと、あごの周りの筋肉がこり固まり、あごの痛みや不快感、だるさの原因となります。

放置することで起こるリスク

歯ぎしりや食いしばりをそのままにしていると、歯のすり減りがどんどん進みます。

欠けてしまったり、歯周病の進行、詰め物や被せ物の破損などのリスクが上がります。

歯の神経まで炎症が進み、歯自体が抜けやすくなったり、ぐらつくようになる場合もあります。

さらに、あごの関節にも強い負担がかかるため、「顎関節症」を起こすこともあるのです。

不快な音がしたり、口が開きにくくなったり、痛みを伴うことも珍しくありません。

また、こうした状態が続けば頭痛や肩こり、顔の左右のバランスの崩れ…と全身にも様々な悪影響が出る場合があります。

歯医者で実際に患者様を診ていると、歯のすり減りが目立つ方も少なくありません。そうした場合、噛むと痛い以外にも見た目の問題など、複数の悩みが重なってしまいます。

 ②ナイトガードの役割

口腔内へのナイトガードの影響

ナイトガードを口の中につけて眠ると、上下の歯が直接ぶつかるのを防げます。

その結果、力が直接歯に伝わらず、摩耗や欠け、ヒビ割れなども防止できます。

もちろん、詰め物・被せ物の破損も起こりにくくなります。

また、ナイトガードを使うことであごの関節や周囲の筋肉にかかる力も和らぎ、違和感や痛みが感じにくくなります。

悩みから解放される

歯ぎしりや食いしばりがある人にとって、ナイトガードはトラブル解消の一歩です。

夜の間に知らず知らずのうちに加わっていた歯やあごへの強い力がなくなり、朝起きた時のだるさや違和感も少なくなります。

睡眠の邪魔となることが減り、日中の仕事や勉強にもより集中できるようになるでしょう。

睡眠中に歯ぎしりする男性

ナイトガードの3つの効果

①歯の摩耗と破損を防ぐ効果

歯ぎしり・食いしばりの衝撃から歯を守る

無意識のうちに行う強い歯ぎしりや食いしばりは、歯の表面を少しずつ削り、知覚過敏や細かいヒビの原因となってしまいます。

ナイトガードをつければ、上下の歯が直接当たりません。そのため、大切な歯そのものを衝撃から守ることができます。

 詰め物や被せ物の寿命を延ばす効果

歯ぎしりや食いしばりがあると、自分の歯だけでなく銀歯やプラスチックの詰め物、被せ物なども壊れてしまいやすくなります。

しかしナイトガードをつけることで、噛む力が全体的に分散され、特定の箇所に力が集中することを防ぎます。

その結果、修理や再治療の回数も少なくて済むようになり、治療費や時間の節約にもつながります。

 ②顎関節への負担を減らす効果

顎関節症の痛みを緩和する

顎関節症というのは、口の開けにくさや痛み、「カクカク」となる音などが特徴ですが、多くは歯ぎしりや食いしばりによる負担が原因です。

ナイトガードを使うことで、かかる力が分散され、あごの筋肉のこわばりや関節の炎症が軽くなることが期待できます。そのため、顎関節症の予防や進行抑制などにも役立ちます。

顔の歪みや頭痛の改善

歯ぎしりや食いしばりによる筋肉の緊張が続くと、顔が非対称になったり、エラの張りが目立つ場合もあります。

また首や肩のコリ、頭痛の原因にもなります。

ナイトガードは噛む力を分散するので、筋肉の無駄な力みを抑えるのに効果があり、顔のバランスや全身の調子が整いやすくなります。

③質の良い睡眠へと導く効果

 睡眠中の「かみしめ」が減る

眠っている時の「かみしめ」の行動が軽減されれば、朝起きたときの口・あごのだるさや痛み、歯の違和感も少なくなります。

ナイトガードを使うことで、より深く安定した眠りにつける場合が多いです。

眠りの質が良くなれば、日中の元気ややる気も維持しやすくなるでしょう。

いびき軽減やリラックス効果

歯ぎしりや食いしばりのせいであご周りの筋肉が緊張すると、喉の空気の流れが狭まり、いびきが起きやすくなることがあります。

ナイトガードによってあごの位置が安定し筋肉の緊張が緩むことで、気道が広がりやすくなり、いびきの軽減も期待できます。

また、ストレスがかかりにくい状態になるおかげで、リラックスして眠れるのも大きなメリットです。

しっかり効果を得るためには

①「効果がない」と感じる時の対処法

 ナイトガードが合わないと感じる原因

ナイトガードを使っているのに改善しない、または違和感が強い場合は、口のサイズや歯並びに合っていない可能性があります。

きちんとフィットしていないと歯やあごへの負担を減らすことができず、違和感や痛みの原因になります。

また、素材の厚さや固さなども自分に合っていないものを使っていると、長続きしなかったり、効果が充分に発揮されないこともあります。

正しく使用できているかセルフチェック

正しい装着方法が守られているか確認しましょう。

  • 決められた時間ナイトガードを使っているか
  • 洗浄・保管は清潔にできているか
  • ガタつきや不安定さがないか

以上の項目が守られていない場合、本来の予防効果は期待できません。

歯医者への相談が重要な理由

ナイトガードの効果が実感できない場合、自分で判断せず、必ず歯医者に相談しましょう。

調整や再作成が必要なことも多いです。

歯ぎしりや食いしばりの原因がストレスなど他にある場合もあるため、アドバイスや他の治療法を提案してくれることもあります。

②効果を引き出すための正しい使い方

毎日の装着時間と適切なケア方法

ナイトガードは、寝る前に毎日しっかり装着するのが基本です。

使った後は水で丁寧に洗い、柔らかい歯ブラシで優しくこすり洗いします。

ときどき専用の洗浄剤を使えば、細菌や臭い対策にもなります。

放置や洗い忘れは細菌の温床になるので、必ず毎日お手入れしましょう。

定期的な調整とメンテナンスの重要性

ナイトガードは永久的に同じものが使えるわけではありません。

長年使っているうちに擦り減ったり変形したりすることもありますし、自分の口の中も変化します。

定期的に歯医者でチェック・メンテナンスしてもらいましょう。

ナイトガードのメンテナンス

まとめ

ナイトガードは、「夜間の歯のストレス」から歯やあごを守ります。朝のだるさ・違和感が減れば、日常生活まで過ごしやすくなります。

ちょっとでも「自分は大丈夫?」と心配な方は、気軽に歯医者で相談してみてください。

自分専用のマウスピースで、歯や健康を守りましょう。

この記事を監修した人

医療法人社団周優会 常務理事 笠原幸雄

医療法人社団周優会
常務理事 笠原幸雄

所属学会

東京シティー日本橋ロータリークラブ会員
お江戸日本橋歯科医師会選挙委員会 委員長
一般社団法人 日本橋倶楽部会員
東京科学大学歯学部 東京同窓会参与

略歴

私立開成高校卒業
早稲田大学理学部卒業
東京医科歯科大学歯学部卒業
東京医科歯科大学病院勤務
笠原歯科医院 蔵前開設
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 人形町開設
医療法人社団周優会 日本橋グリーン歯科 常務理事
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 六本木開設