デンタルニュース
「もっと早くやればよかった」 〜インプラント経験者が語る後悔とは?〜
日本橋の歯医者「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
歯を失ったあとインプラントを考えてはいるものの、なかなか決断できずに時間が過ぎてしまう方は少なくありません。
費用のこと、手術への不安、本当に自分に必要なのかという迷いなど、いろいろな思いが重なるとどうしても一歩が踏み出しにくくなります。
実際に臨床の現場でも、長く迷ってからインプラント治療を受けた方から「もっと早くやればよかった」と聞くことがあります。
もちろん治療のタイミングは人それぞれで、急いで決める必要はありません。
ただ、迷っている間にお口の中で起きている変化については、あまり知られていないことも多いようです。
この記事では、インプラント経験者の声としてよく聞かれる後悔や、迷っている期間に起こりやすいお口の変化についてまとめました。
これから治療を考えている方が自分のペースで納得して選択するためのヒントになればうれしいです。

インプラント経験者がよく話す「1番の後悔」
①迷っている時間が長かった
実際に多い「もっと早く相談すればよかった」という声
インプラント治療を終えた方からよく聞く言葉があります。
それが「こんなに快適なら、もっと早くやればよかった」という感想です。
治療前は手術と聞くだけで怖く感じたり、費用の面で迷ったりして、数年悩んでいたという方も少なくありません。
ところが実際に治療を終えると、思っていたよりも普段通りに生活できることに驚かれる方も多いのです。
もちろん感じ方には個人差がありますが、長く迷っていた時間を「少しもったいなかった」と振り返る方は意外と多い印象です。
治療そのものより「迷っていた期間」を後悔する人も
インプラント経験者の中には、治療そのものよりも決断までの時間を振り返ってそう話す方もいます。
実際、失った歯の状態を長く放置してしまうと、お口の中の環境は少しずつ変化していきます。
治療を考え始めたときより、状況が複雑になってしまうケースもあります。
医院でも「最初に相談したときに治療していれば、もう少しシンプルだったかもしれませんね」とお話しする場面があります。
もちろん、すべての方がそうなるわけではありませんが、迷っている期間が長くなるほど状況が変わる可能性はあるのです。
②周りの歯に負担がかかっていた
歯が1本ないだけでもバランスは変わる
歯はそれぞれが支え合うように並んでいます。
そのため、1本の歯を失うと残っている歯の負担が少しずつ増えることがあります。
とくに奥歯を失った場合は、噛む力が強くかかる場所なので、周囲の歯に影響が出やすい傾向があります。
最初は気づかなくても、数年たつと歯が傾いたり、噛み合わせが変わったりすることがあります。
患者さんからも「気づいたら他の歯までトラブルが出ていた」という声を聞くことがあります。
噛みやすい側ばかり使う習慣ができる
歯を失ったあと、自然と噛みやすい側ばかり使うようになる方はとても多いです。
これは体が無意識に行う自然な反応でもあります。
ただ、その状態が長く続くと片側の歯や顎に負担が集中してしまうことがあります。
結果として、詰め物が取れやすくなったり、歯にヒビが入ったりするケースもあります。
インプラント治療を終えたあとに「両側で噛めるってこんなに楽なんですね」と話される方も少なくありません。

迷っている間に起こるお口の変化
①歯が動いてしまうことがある
となりの歯が倒れてくる
歯を失った場所をそのままにしていると、隣の歯が空いたスペースに向かって傾いてくることがあります。
歯は完全に固定されているわけではなく少しずつ動く性質があります。
そのため、空いたスペースがあると、そこに向かって歯が移動してしまうことがあるのです。
こうした変化が起きるとインプラントを入れるスペースが狭くなり、追加の治療が必要になる場合もあります。
噛み合う歯が伸びてくることも
歯が抜けた場所の反対側の歯が少しずつ伸びてくることもあります。
これを専門的には「挺出」と呼びます。
噛み合う相手がいなくなると、歯は少しずつその空間に向かって出てきてしまうことがあるのです。
こうなると、インプラントのスペースを確保するために、噛み合わせの調整や別の治療が必要になることもあります。
顎の骨が少しずつ減ることもある
歯が抜けた場所の骨は変化しやすい
歯があった場所の骨は、噛む刺激が伝わることで保たれています。
そのため歯がなくなると、時間とともに骨の量が減ることがあります。
すぐに大きく変わるわけではありませんが、数年単位で見ると、骨の形が変わることがあります。
インプラント治療では骨の量が重要になるため、状態によっては骨を増やす治療が必要になることもあります。
治療の選択肢が変わることもある
骨の量が減ると、インプラントの埋入位置や方法を工夫する必要が出てくる場合があります。
場合によっては、骨を増やす治療を組み合わせることもあります。
これは決して珍しいことではありませんが、治療期間が長くなることがあります。
早めに相談しておくことで、よりシンプルな治療計画が立てられることもあります。

迷っている方へ伝えたいこと
①すぐ治療を決める必要はない
まずは状態を知ることが大切
インプラントを考えているけれど、まだ決めきれないという方はとても多いです。
そのため、すぐに治療を決めなくても大丈夫です。
まずは今のお口の状態を知ることが大切です。
骨の状態や歯並び、噛み合わせなどを確認することで、どんな選択肢があるのかが見えてきます。
話を聞くだけの相談もアリ
歯医者では、相談だけで来院される方も珍しくありません。
実際にお話を聞いたうえで「もう少し考えてみます」と帰られる方もたくさんいます。
無理に治療を進めることはありませんので、安心して相談していただければと思います。
②放置せずに一度チェックを
何年も空いたままの方は要注意
歯を失ってから数年たっている場合は、一度チェックを受けておくと安心です。
見た目には大きな変化がなくても、歯の位置や骨の状態が少しずつ変わっていることがあります。
早めに状態を知っておくことで、将来の選択肢を残せる場合もあります。
将来のための「準備」という考え方
インプラントは今すぐ行う必要がない場合でも、将来を見据えて準備をしておくことができます。
例えば、周囲の歯を守るための治療や、噛み合わせの調整などです。
こうしたケアをしておくことで、お口の状態を安定させることにつながります。
迷っている間も、お口の環境を守ることはとても大切です。

まとめ
歯医者では、インプラントを終えた患者さんから「もっと早く相談していればよかった」という言葉を聞くことがあります。
もちろん治療のタイミングに正解はありませんし、生活や考え方によってベストな選択は変わります。
ただ、歯を失った状態を長くそのままにしてしまうと、周囲の歯や骨に少しずつ影響が出ることがあるのも事実です。
もし今、インプラント治療を迷っているのであれば、まずは今のお口の状態を知るところから始めてみてください。相談だけでも構いません。
ご自身が納得できるタイミングで、無理なく治療を選べることがいちばん大切だと思います。
お口の健康を守るための一歩として、参考になればうれしいです。
この記事を監修した人

医療法人社団周優会
常務理事 笠原幸雄所属学会
東京シティー日本橋ロータリークラブ会員
お江戸日本橋歯科医師会選挙委員会 委員長
一般社団法人 日本橋倶楽部会員
東京科学大学歯学部 東京同窓会参与略歴
私立開成高校卒業
早稲田大学理学部卒業
東京医科歯科大学歯学部卒業
東京医科歯科大学病院勤務
笠原歯科医院 蔵前開設
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 人形町開設
医療法人社団周優会 日本橋グリーン歯科 常務理事
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 六本木開設