デンタルニュース
歯周病と虫歯の違い
歯周病と虫歯、何が違うの?
歯周病と虫歯は、どちらもお口の中の細菌が原因で起こる病気ですが、それぞれ違う細菌が原因となっており、病気にかかる場所も大きく異なります。
虫歯は、歯の表面から内部に向かって進行し、歯自体を溶かしてしまう病気です。
一方、歯周病は、歯を支えている歯ぐきや骨が、歯周病菌によって破壊されてしまう病気です。
虫歯は比較的短期間で進行することが多いですが、歯周病はゆっくりと進行し、気づきにくいことがあります。

歯周病の原因と症状
歯周病は、歯垢(プラーク)の中にいる歯周病菌が、歯ぐきに炎症を起こし、徐々に骨を溶かしてしまうことで進行します。
初期の歯周病は、自覚症状がほとんどないことが特徴ですが、歯ぐきが赤くなったり、腫れたり、出血しやすくなったりすることがあります。
進行すると、歯がぐらついたり、膿が出たり、口臭が気になったりすることもあります。
また、歯周病は、心疾患、糖尿病、呼吸器疾患など、全身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
虫歯の原因と症状
虫歯は、口の中にいる虫歯菌が、歯に付着した食べカスを分解して酸を作り出し、歯の表面を溶かしてしまうことで発生します。
初期の虫歯は、痛みを感じないことが多いですが、進行すると冷たいものがしみるようになったり、穴が開いたりします。
甘いものを頻繁に摂取したり、歯磨きが不十分だったりすると、虫歯になりやすくなります。
歯周病と虫歯の予防法
歯周病と虫歯の予防には、丁寧な歯磨きが最も大切です。
歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを使用しましょう。
歯ブラシでは届かない歯と歯の間をしっかり清掃することができます。
歯磨き粉には、フッ素が含まれているものを選ぶと、歯の表面を強化し虫歯予防に役立ちます。
また、定期的なメンテナンスを受けることで、早期発見・早期治療に繋がります。
歯科医院のメンテナンスでは、歯石除去やフッ素塗布などの専門的なケアの他、ひとりひとりに合った正しい歯磨きの方法の指導を受けることができます。

歯周病と虫歯、どちらが怖い?
虫歯は進行すると痛みがあるため、怖いイメージがありますが、歯を失う原因の1位は歯周病と言われています。
歯周病も虫歯も、放置しておくと歯を失う可能性があります。
しかし、歯周病は、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
歯周病は、心臓病、糖尿病、肺炎などのリスクを高めることがわかっています。
歯周病と虫歯の治療法
歯周病や虫歯の治療法は、進行の度合いによって異なります。
初期の歯周病であれば、歯石除去などの非外科的な治療で改善できる場合がありますが、進行した歯周病の場合は、外科的な治療が必要となることもあります。
虫歯の場合は、初期であれば虫歯の部分を削って詰め物をする治療で済むことがありますが、進行した虫歯の場合は、根管治療や抜歯が必要になることもあります。
歯周病と虫歯を予防するための生活習慣
歯周病や虫歯を予防するためには、日々の生活習慣の見直しも大切です。
食事では、糖質の摂り過ぎに注意し、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。特に、甘いものを頻繁に食べる習慣のある方は、注意が必要です。
喫煙は、歯周病を悪化させるだけでなく、口腔内の免疫力を低下させ、治癒を遅らせる原因となります。歯周病が気になる方は、これを機に禁煙しましょう。
口腔環境としては、口呼吸や口が開きっぱなしの状態は、お口の中を乾燥させ、細菌が繁殖しやすい環境を作ります。口を閉じて鼻呼吸を意識しましょう。
また、ストレスは免疫力を低下させ、歯周病を悪化させる原因に繋がります。
ストレス解消のための工夫を心がけましょう。

まとめ
歯周病と虫歯は、どちらも口の中の細菌が原因で起こる病気ですが、病気にかかる場所や、症状、治療法が異なります。
どちらも放置すると歯を失う可能性がある怖い病気です。
しかし、予防と治療を適切に行うことで、健康な歯を保つことができます。
歯周病も虫歯も早期発見・早期治療が大切です。
日頃から丁寧な口腔ケアを心がけ、定期的に歯科医院を受診しましょう。
虫歯の初期症状とは?
歯に違和感がある場合「虫歯になったかも…」「虫歯の初期症状ってどんなの?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
初期の虫歯は、自覚症状がほとんどなく、気がつかないうちに進行してしまうことがあります。
しかし、初期の段階であれば比較的簡単な治療で済む可能性も高いため、早期発見が重要です。
この記事では、初期の虫歯を自分で見つけるための特徴を詳しくご紹介します。

初期の虫歯の特徴とは?
1. 歯の白濁、茶色や黒色のシミは要注意!
健康な歯は、表面がツルツルとしていて光沢があり、乳白色をしています。しかし、初期虫歯になると、歯の表面が白く濁ったり、茶色や黒色のシミができたりすることがあります。
これは、虫歯菌が作り出す酸が、歯の表面のエナメル質を溶かし、歯の内部の象牙質が透けて見えるようになるからです。
特に歯と歯の間や、歯と歯ぐきの境目は汚れが溜まりやすく、虫歯になりやすい部分なので、注意深く観察してみましょう。
2. 歯の表面のツルツル感がなくなり、ザラザラしている
初期の虫歯は、歯の表面の質感にも変化が現れます。
健康な歯は表面がツルツルしていますが、虫歯になると、エナメル質が溶
かされて表面が粗くなり、ザラザラとした感触になります。
舌で歯の表面を触ってみて、いつもと違う感触があれば、虫歯のサインかもしれません。
3. 冷たいものや甘いものがしみる
冷たい飲み物やアイスクリームを食べた時、甘いものを口に入れた時に、歯がしみる感覚がある場合、虫歯になっている可能性があります。
これは、虫歯によってエナメル質が薄くなったり、象牙質が露出したりすることで、外からの刺激が歯の神経に伝わりやすくなるためです。
知覚過敏でも同じような症状が現れますが、虫歯の場合は、しみる症状が特定の歯に集中していることが多いのに対し、知覚過敏は複数の歯に症状が現れることが多いという特徴があります。
4. デンタルフロスが引っかかる
肉眼ではわかりにくい場合もありますが、歯と歯の間が虫歯になっている場合は、デンタルフロスが引っ掛かりやすくなります。
これは歯の表面がザラザラになったり、表面に小さな穴があくためです。
デンタルフロスを通した際に毎回同じところが引っかかりやすい場合は、歯科医院で相談してみましょう。
5. 口臭が気になる
虫歯菌は、お口の中に残った食べ物のカスを分解する際に、臭いのあるガスを発生させます。このガスが口臭の原因となります。
初期虫歯の段階では、まだ強い口臭はしないかもしれませんが、歯磨き後も口臭が気になる場合は、虫歯の可能性も考えられます。

初期虫歯ってどんな状態?
虫歯菌が口の中に残った糖分を分解して酸を作り出し、歯の表面のエナメル質が溶かされることで、虫歯が形成されます。
初期虫歯とは、虫歯の進行段階のうち最も初期の段階のことを言います。歯科医院ではC0と呼ばれ、エナメル質の表面が溶け始めた状態です。自覚症状がほとんどないため、気がつかずに放置してしまうケースも少なくありません。
しかし、初期虫歯を放置すると、虫歯は徐々に進行し、エナメル質の内側にある象牙質や、さらにその奥にある歯髄と呼ばれる歯の神経にまで達してしまいます。
こうなると、激しい痛みや腫れなどの症状が現れ、治療にも時間がかかってしまいます。

まとめ:毎日の歯磨き習慣を見直そう!
初期虫歯を予防するために最も大切なのは、毎日のセルフケアを見直し、虫歯の原因となるプラーク(歯垢)をしっかりと除去することです。
また、日々のケアをしっかり行うことで、ご自身の歯の異変にも気がつきやすくなります。
「もしかして虫歯かも…」と思ったら、自己判断せずに早めに歯科医院を受診しましょう。
虫歯を放置するとどうなる?歯医者に行くべきサイン3つ
「虫歯を放置しておくと、一体どうなるんだろう?歯が痛くなるのは当たり前だけど、他に何か怖いことってあるのかな?」そう思う方もいるかもしれません。
実は虫歯を放置すると、歯の痛みだけでなく、思わぬ健康被害をもたらす可能性があります。
この記事では、虫歯を放置することによる具体的なリスクや、歯医者に行くべきサイン3つをご紹介します。

虫歯放置がもたらす恐ろしい影響
虫歯を放置すると、歯が痛むだけでなく、健康全体に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
歯の痛みを我慢してしまい、歯科医院への受診を後回しにしてしまう方もいるかもしれません。
しかし、虫歯は放置すればするほど治療が複雑になり、費用も高額になることが多いです。
また、治療が複雑化することで、最終的には歯を失ってしまう可能性も高まります。
ここでは、虫歯を放置することによって起こる恐ろしい影響について詳しく解説していきます。
1.激しい痛みと、歯の神経の壊死
虫歯が進行すると、歯の神経に達します。
この段階になると、熱いものや冷たいもの、甘いものなどがしみるだけでなく、ズキズキとした激しい痛みを感じるようになります。
痛みを我慢していると、神経は炎症を起こし、最終的には死んでしまいます。
神経が死んでしまうと痛みは治まりますが、神経を失った歯は脆くなり、将来的に破折のリスクも高まります。
2.強い口臭
虫歯によって、大量の細菌がお口の中に繁殖します。
これらの細菌は、食べカスを分解する際に悪臭を発生させます。また、歯の神経が腐ったり、歯の根の先に膿がたまったりすることでも、口臭の原因となります。
3.歯がボロボロになる
虫歯は、歯の組織を溶かして穴を開けます。
この穴が大きくなると、歯が割れたり、欠けたりしやすくなります。
4. 治療期間が長く複雑になる
虫歯が進行するにつれて、治療の期間も長くなります。
初期の虫歯であれば、歯を削る量も少なく、詰め物をするだけの治療で済むことが多いですが、神経まで達してしまうと、根管治療と呼ばれる複雑な治療が必要になることがあります。
根管治療は、歯の根の中にある神経を取り除く治療法で、治療期間が長くかかります。
5.抜歯の可能性がある
虫歯を放置し続けると、歯が根元から折れてしまい、歯を抜かざるを得ないケースも少なくありません。
インプラントやブリッジなどの治療によって、失われた歯を補うことは可能ですが、これらの治療は高額な費用がかかることがあります。
6.虫歯菌が全身へ広がる
虫歯菌は、血液に乗って全身に広がる可能性があります。
これが菌血症と呼ばれる状態です。菌血症になると、心内膜炎や脳への感染などを引き起こす可能性があります。

歯医者に行くべきサイン3つ
虫歯は、初期の段階では自覚症状がないこともありますが、進行するにつれて様々な症状が現れます。
そのうちの代表的なサインを3つご紹介します。
1.歯の痛み
虫歯が神経に達すると、ズキズキとした激しい痛みを感じることがあります。
甘いものや冷たいものがしみる、熱いものがしみるといった症状も、虫歯のサインです。
2.歯の色や形の変化
虫歯になると歯が白く濁ったり、茶色や黒に変色したりすることがあります。これは、虫歯菌によって歯が溶け、変色しているためです。
また、虫歯が進行すると、歯に穴が開きます。初期の段階では小さな穴ですが、進行すると大きな穴になり、食べ物が詰まりやすくなります。
3.口臭
虫歯であいた穴に食べ物が詰まると、そこに細菌が繁殖します。
細菌は食べ物を分解する際に、悪臭を放つ物質を作り出すため、口臭の原因となります。
虫歯がさらに進行し、歯の神経にまで達すると、神経が死んで腐ってしまいます。
この腐った神経組織から、強い悪臭がします。特に、ゆで卵の腐ったような臭いが特徴的です。

まとめ:虫歯は早期発見・早期治療が大切
ここまで、虫歯を放置することによる様々なリスクについて解説してきました。
虫歯は、初期の段階では自覚症状がないことが多く、気がついた時にはかなり進行しているケースも少なくありません。
しかし、早期に発見し、適切な治療を受けることで、治療の期間や費用を抑えることができます。
歯の痛み、歯の色や形の変化、口臭などの症状を感じたら、早めに歯科医院を受診しましょう。
また、日頃から正しい歯磨き習慣を身につけ定期的な歯科検診を受けることで、虫歯を予防し、健康な歯を長く保つことができます。
歯磨き粉の正しい量はどのくらい?
毎日のブラッシング時にほとんどの方が使用している歯磨き粉。歯磨き粉を使用することで、歯垢(プラーク)を落としやすくする効果があります。
みなさんは正しい歯磨き粉の使用量についてご存知でしょうか?
昔と比べ、歯磨き粉に含まれるフッ素量の変化などから、適切な歯磨き粉の量も変わってきています。
この記事では年齢別に適切な歯磨き粉の量と、歯磨き粉の選び方について解説します。

◾️歯が生えてから2歳まで
この時期の歯磨き粉の適切な量は、フッ化物が900〜1000ppm配合されている歯磨き粉を米粒(1〜2mm)程度です。
歯が生え始めたら赤ちゃん用の歯ブラシと歯磨き粉を使用し、就寝前を含めて1日2回の歯磨きを行いましょう。
歯磨き粉を大人の方と同じ感覚でつけてしまうと、つけ過ぎになってしまいます。
必要量はごく少量のため、つけすぎないよう注意しましょう。
また、誤飲を防ぐためにも、歯磨き粉は子どもの手が届かないところで保管しましょう。
◾️3〜5歳
この時期の歯磨き粉の適切な量は、フッ化物が900〜1000ppm配合されている歯磨き粉をグリーンピース(5mm)程度です。
この時期は乳歯が全て生え揃い、子供が歯ブラシを持って「自分みがき」を始める時期です。まだ上手に歯磨きができない時期なので、仕上げ磨きをしてあげましょう。
仕上げ磨きは永久歯が生え揃う10〜12歳ぐらいまで行うのが理想です。
子どもが歯磨き粉の量を適切につけられない場合は、保護者の方がつけてあげましょう。
◾️6歳〜成人
永久歯が生えてくる6歳以上からは歯磨き粉の適切な量は、フッ化物が1400〜1500ppm配合されている歯磨き粉を歯ブラシ全体(1.5〜2cm程度)となっています。
フッ素の効果を得るためにも、うがいは少量の水で1回のみ行うことが推奨されています。
泡立ちのいい歯磨き粉を使用すると、しっかり磨けていないのにゆすぎたくなってしまったり、何回もうがいをしたくなってしまうことがあります。
歯磨き粉は泡立ちにくい低発泡のものを使用しましょう。

歯磨き粉の選び方は?
歯磨き粉は、中に含まれている薬用成分によって効果が異なります。
ご自身のお悩みに合った薬用成分が配合されているものを選びましょう。
虫歯の予防
虫歯の予防には、フッ素が配合されている歯磨き粉を選びましょう。
フッ素には、歯を丈夫にする、虫歯菌の繁殖を抑える、初期の虫歯を改善する、という3つの効果があります。
歯周病予防
歯周病の予防には、殺菌効果のあるIPMP(イソプロピルメチルフェノール)、CPC(塩化セチルピリジニウム)が配合されている歯磨き粉を選びましょう。
知覚過敏対策
知覚過敏の症状がある方は、硝酸カリウム、乳酸アルミニウムが配合されている歯磨き粉を選びましょう。
硝酸カリウムは、歯の神経へ刺激が伝わることをブロックして、痛みの伝達を防いでくれます。
乳酸アルミニウムは、象牙細管と呼ばれる歯の神経に繋がる小さな穴を封鎖して歯がしみるのを防ぎます。
歯を白くしたい
歯の表面に着色汚れなどがついてしまい白くしたい場合は、TTP(ポリリン酸ナトリウム)が配合されている歯磨き粉がおすすめです。
TTP(ポリリン酸ナトリウム)には、歯の汚れを分解して除去する効果があります。また、汚れの再付着を予防する効果もあります。

まとめ
歯磨き粉の量は、たくさんつけたからと言って効果が大きいというわけではなく、年齢に適した量を使用する必要があります。
たくさんつけすぎることによって、しっかりと磨けた気分になってしまい磨き残しが残りやすくなってしまいます。
また、歯磨き粉は使用することによって歯垢(プラーク)を落としやすくなりますが、ご自身のお悩みに適した薬用成分が含まれている歯磨き粉を選ぶことによって、より効果的に使用することができます。
ぜひ歯磨き粉を使用する際の参考にしてみてください。
※4学会合同のフッ化物配合⻭磨剤の推奨される利⽤⽅法【普及版】
(参考:2024-10-7)
歯のセラミックって?歯科医がおすすめする理由
歯科医院で虫歯治療をする際に、一昔前は金属を詰める治療が一般的でしたが、現在はセラミックを選ぶ方が増えてきています。
みなさんも今までに歯科医院でセラミック治療を勧められたことがあるのではないでしょうか?
セラミック治療にはたくさんのメリットがあります。
この記事では歯科医がセラミックをおすすめする理由について解説します。

セラミックをおすすめする理由
①自然で美しい歯にすることができる
セラミックは天然の歯のような色味、透明感、光沢感を再現できます。
ご自分の周囲の歯に合わせて色味を調節することができるので、どの歯を治療したかわからないほど周囲になじみ、綺麗な仕上がりになります。
また、綺麗に仕上がることで口元に自信が持てるので、食事や会話をストレスなく楽しむことができます。
②耐久性が高い
保険診療で使われるプラスチックの材料の場合は、吸収性があり数年使用していると変色してしまうリスクがありますが、セラミックは長期間使用しても変色の心配がありません。
また、硬い材料を使用しているため耐久性が高く、綺麗な状態のまま長く使用することができます。
③虫歯が再発しにくい
虫歯は、詰め物や接着の材料が経年劣化し、歯と詰め物の間に隙間ができ細菌が入り込むことによって再発します。
セラミックは歯にピッタリとフィットし強固な接着ができるため、歯とセラミックの間に隙間ができにくいという特徴があります。
また、劣化しにくく金属のような変形が起こらない素材のため、虫歯が再発するリスクを抑えることができます。
④金属アレルギーが発症するリスクがない
金属が長期間お口の中にあると金属イオンが溶け出し、体の中に蓄積されます。
そのため、ある日突然金属アレルギーを発症するというリスクがあります。
また、溶け出した金属により歯ぐきが黒ずむことがあります。
その点、セラミックは陶器であるため、金属を使用していません。
身体に優しく、歯ぐきが黒ずむ心配もありません。
⑤細菌が付着しにくい
セラミックは表面がツルツルしていて、汚れがつきにくくなっています。
また、硬い材料のため表面に傷がつきにくく、細菌が付着しにくいという特徴があります。
細菌が付着しにくいことで、虫歯や歯周病を予防する効果が期待できます。

セラミックのデメリットは?
前述の通りセラミック治療にはメリットがたくさんありますが、デメリットもゼロではありません。
セラミック治療で起こり得るデメリットを紹介していきます。
①健康保険が使えない
セラミック治療は健康保険が使えないため、保険適用の治療と比べるとどうしても費用が高額になってしまいます。
セラミックの種類によっても料金が変わってくるので、治療前に確認しておきましょう。
②割れることがある
セラミックは耐久性があり硬い材料ですが、強い力がかかることで割れる場合があります。
奥歯など、強い力がかかる部位の場合は、セラミックの中でもより丈夫なジルコニアがおすすめです。
③一生物ではない
セラミックが割れる可能性や、治療したところが虫歯や歯周病になってしまい、再治療しなければならない場合もあります。
そのようにならないよう、一度治療したら終わりではなく、その後のセルフケアやメンテナンスもしっかりと行いましょう。

まとめ
歯科医院でセラミックがおすすめされる理由は、見た目が綺麗だからだけでなく、長く使用でき、お口の中の健康を保つことに適しているからです。
しかし、セラミックが金属や歯科用プラスチックに比べて虫歯や歯周病になりにくいと言っても、毎日のケアを怠っていれば虫歯や歯周病になる可能性も十分あります。
セラミックを長持ちさせるためには、歯科医院のメンテナンスや毎日のセルフケアにしっかり取り組むことが大切です。
歯の神経を抜くとどうなるの?
歯科医院で「歯の神経を抜く」という言葉を耳にしたことがある方は多いと思います。
歯科の治療で「歯の神経」と言われているものは、一般的に「歯髄」のことを言います。
歯の神経は、歯に栄養を運んだり、歯の異変を知らせる役割をしています。
では実際に歯の神経を抜くとどうなってしまうのでしょうか?
歯の神経を抜いた後に起こる症状と、歯の神経を抜く必要がある症状について解説します。

歯の神経を抜いた後に起こる症状とは?
①感覚がなくなる
歯の神経があることによって、歯に異変が生じた際に、痛みや刺激を感じるようになっています。
そのため歯の神経を抜くと、痛みを感じなくなります。
一見メリットのように感じますが、痛みがなくなってしまうことで、虫歯などのトラブルが起きた時に気付きにくくなってしまいます。
②歯が脆くなる
歯の神経には血管が入っており、歯に栄養を供給しています。歯の神経がなくなると、歯に栄養が行かなくなり脆くなります。
神経のある健康な歯と比べて、割れたり、折れる可能性も高くなるため、被せ物で保護する必要があります。
③歯が変色する
神経を抜いた後の歯は、時間の経過とともに黒く変色していきます。
神経を抜くことで、歯の内部への血液の循環がなくなり、残っている血液の成分や、古いコラーゲンが代謝されず、そのままになってしまうためです。
内部から変色してしまった歯は、ブラッシングや表面のホワイトニングでは白く戻すことはできません。
白く戻すためには、内部からのホワイトニング(ウォーキングブリーチ)や被せ物で対応する必要があります。

歯の神経を抜く必要がある症状とは?
①歯髄炎が起きている
歯髄炎とは、歯髄が炎症を起こして痛みが出ている状態です。
虫歯の細菌によって感染したり、噛み合わせが高い被せ物が当たる刺激や、知覚過敏の刺激などが伝わり続けることで歯髄炎が起きます。
そのまま放置していると次第に痛みは消えますが、歯の中では神経が壊死しており、細菌の住処になってしまいます。痛みがなくなってもそのままにせず、歯科医院で治療を受けましょう。
以下の症状に当てはまる場合は、歯髄炎が起きている可能性があります。
•何もしていなくてもズキズキと強い痛みがある
•噛むと痛い
•熱いもの、冷たいものがしみる
②歯の神経の壊死
事故や怪我などによって歯が外傷を受けた場合、その強い刺激により歯の神経の壊死が起きてしまうことがあります。
外傷後、痛みがなくても知らず知らずのうちに神経が壊死してしまい、歯が黒ずんでくることがあります。
その場合は神経を抜く処置をする必要があります。
また、前述したように歯髄炎を放置した場合も歯髄壊死が起こります。
③歯茎から膿が出ている
歯茎から膿が出ている場合、根尖性歯周炎の可能性が考えられます。
根尖性歯周炎とは、大きな虫歯により神経が細菌感染し、根っこの先まで感染が広がり炎症が起きている状態です。
根尖性歯周炎になると、根っこの先に膿が溜まり、歯茎におできのような膿の出口ができることがあります。
放置すると悪化してしまい、最悪の場合抜歯する必要が出てきてしまいます。

まとめ
歯の神経を抜くと、感覚がなくなる、歯が脆くなる、歯が変色するなどの症状が起きます。
歯の寿命を延ばすためにも、歯の神経は極力抜かない方が良いですが、状況によっては抜かなければならない場合もあります。
神経を抜いた歯はご自分で異変に気づくことが難しくなるため、歯科医院での定期的なメンテナンスで管理する必要があります。
また、日頃から定期的にメンテナンスを受けることで、虫歯の早期発見・早期治療に繋がり、神経を抜く必要がない小さな虫歯のうちに対処することができます。
定期的なメンテナンスを受け、少しでも気になる症状がある場合は歯科医院を受診しましょう。
口臭の原因とは?自宅で行える対策
口臭の原因のほとんどが、口の中にあります。主に、歯周病や舌苔がその大部分を占めると考えられています。
口臭は誰もが起こり得る可能性があります。自分で気づくことが難しいため、無自覚にしている人が多いのです。
当記事では、口臭の原因と自宅でできる対策を紹介します。

口臭の原因
①生理的なものが原因
生理的な口臭とは、生活していく上で誰にでも発生する口臭のことを言います。
起床時、空腹時、緊張時には、唾液の分泌量が低下しお口の中の細菌が増殖するため、口臭が発生します。
その他にも、月経や妊娠によるホルモンバランスの乱れや、加齢によっても唾液の分泌量が低下することから口臭が発生します。
②お口のケアが原因
•舌苔(ぜったい)の付着
口臭の原因としてもっとも考えられるのが、舌苔です。
舌苔とは、舌の表面についている白いもののことで、歯垢と同じく、細菌のかたまりです。しかし、舌苔は病気ではありません。舌の全体に薄くついている分には正常の範囲です。
舌苔は自宅でケアすることが可能です。舌は傷つきやすいので、舌ブラシや柔らかめの歯ブラシで、優しく行いましょう。
•歯周病
歯周病の細菌が発生させるガスが、口臭となります。
歯周病とは、細菌感染によって歯肉に炎症が起き、歯の周りの骨が溶けてしまう病気です。
口の中のネバネバ感や、歯肉の腫れ・出血、歯と歯の間に食べものが詰まりやすい、歯が浮いたような感じがする、歯が揺れているなどの症状が徴です。
•虫歯
虫歯になり歯に穴があくと、その中に食べカスが入ったり細菌が繁殖するため、口臭の原因となります。
•入れ歯の清掃不良
入れ歯のお手入れを怠っていると、入れ歯の隙間に溜まった汚れなどから細菌が繁殖し、口臭が発生しやすいです。
③全身疾患が原因
鼻・のどの病気、呼吸器系・消化器系の病気、糖尿病などの病気によって、口臭が発生する場合があります。
④飲食物・嗜好品が原因
にら、ねぎ、にんにくなどの匂いが強い食べ物を食べた後や、タバコやアルコールを摂取すると、口臭として匂いが残ります。時間の経過とともに口臭は減少します。
⑤心理的なものが原因
実際に口臭が発生していなくても、「自分には口臭があるのではないか」と思い込んでしまうことを、心理的口臭と言います。

自宅でできる対策
①丁寧なセルフケア
食後にしっかり歯磨きをすることが大切です。
フロス、歯間ブラシ、舌ブラシ、洗口液などの補助的な清掃用具も使用しましょう。ご自分に合った清掃用具がわからない方は、歯科医院でのブラッシング指導を受けましょう。
②よく噛んで食事をする
しっかりと噛んで食べることで、唾液の分泌量が増えて口臭の予防に繋がります。
ガムを噛むことも効果的です。
③水を飲む
適度に水を飲むことで口の中の乾燥を防ぎ、唾液の分泌が促されるため、口臭予防になります。
④ポリフェノールを摂取する
ポリフェノールには、口臭を抑える効果があります。緑茶や紅茶、リンゴなどに含まれており、それらを摂取することで口臭の対策に繋がります。
⑤健康的な生活をする
緊張やストレスを感じていたり、睡眠不足の状態だと、唾液の分泌が低下し口臭が発生しやすくなってしまいます。また、朝食を抜いたり、食事を簡単に済まそうとすると、きちんと噛むことができず口臭に繋がります。
緊張やストレスを溜め込まないようにする、睡眠をしっかりとるなど、規則正しく過ごしましょう。

歯科医院でできる対策
①虫歯や歯周病の治療
セルフケアで改善しない場合、虫歯があったり歯周病にかかってしまっている可能性があります。歯科医院を受診し、治療しましょう。
②定期的なメンテナンス
定期的に歯科医院でのクリーニングを受診することで、歯周病予防や、虫歯の早期発見にも繋がります。
③ブラッシング指導を受ける
正しいブラッシング方法の指導を受けることで、ご自分のお口の中の状況に合ったセルフケアを身につけることができます。
④入れ歯のお手入れ指導を受ける
正しいお手入れ方法を取り入れることで、入れ歯を清潔に保てます。
長く使用している場合、破損していたり、お口に合わないまま使用していることもあるため、歯科医院で定期的にチェックしてもらいましょう。

まとめ
口臭の原因は、口の中によるものが大部分を占めます。歯科医院に通い、自宅でしっかり対策すれば解決できるものがほとんどです。
口臭が気になっている方や、口臭の原因について心当たりがある場合は、取り入れられるものから始めてみましょう。
インプラント治療のメリット・デメリットとは?
ご自身の歯を失ったあとの治療法に、入れ歯・ブリッジ・インプラントと、3つの治療法があります。
その中でもインプラントは大きなメリットがありますが、その反対にデメリットもゼロではありません。
当記事では、インプラントが入れ歯やブリッジと比較して、どのようなメリットやデメリットがあるのか解説していきます。
インプラント治療を始める前に、メリット・デメリットについてしっかり把握しておきましょう。

インプラントのメリット
①周囲の歯を削る必要がない
ブリッジの場合、歯を失った場所の両隣の歯を削る必要があります。
部分入れ歯の場合も、ブリッジのように大きく削る必要はありませんが、バネがかかる部分を少し削ります。
また、ブリッジも部分入れ歯も、実際には歯がないところを両隣の歯が支えることになるので、負担がかかり、歯の寿命を縮めてしまう可能性があります。
一方でインプラントは人工の歯根を単体で埋めるため、周囲の歯を削ったり、負担がかかる心配はありません。
②自分の歯に近い感覚で使用できる
入れ歯の場合、天然の歯と比較して、噛む力が大幅に低下してしまいます。
インプラントは自分の歯と同じような噛む力で使用できるため、違和感なくお食事を楽しめます。
また、入れ歯の場合、厚みがあったり、口の中の形に合っておらず隙間ができていると、喋りにくくなってしまうケースがあります。
インプラントの場合は、発音にあまり影響がないため自然な会話を楽しめます。
③審美性が良い
保険のブリッジの場合、治療する部位によっては、材料の選択肢が金属のみの場合があります。
また、部分入れ歯の場合も、バネが金属なので目立ってしまいます。
その点インプラントは、セラミックを人工歯に用いることで、天然の歯に近い審美性を回復することが可能です。
④顎の骨が痩せるのを防げる
歯を失ってしまうと、噛む力の刺激が顎の骨に伝わらないため、顎の骨が徐々に痩せてしまいます。
インプラントの場合は、顎の骨に人工歯根を直接埋め込むため、噛む力の刺激が顎の骨に伝わり、顎の骨が痩せることを防げます。

インプラントのデメリット
①健康保険が利用できない
インプラントは健康保険で取り扱うことができないため、自由診療になります。
そのため、健康保険適用の入れ歯やブリッジと比較すると、費用が高額になってしまいます。
しかし、なんでも噛める、健康を回復できるということは、費用以上の価値があります。
②治療期間が長い
埋め込んだインプラントと、顎の骨が結合するまで待つ期間も含まれるため、一般的な歯科治療に比べて治療期間が長くかかります。
お口の中の状態によって治療期間には個人差がありますが、通常はインプラント手術後、4〜8ヶ月程度かかります。
③外科手術が必要
インプラント手術は、歯茎を切って顎の骨を削る必要があります。
外科手術が嫌でインプラントを迷われる方もいらっしゃると思います。
手術の内容にもよりますが、通常の場合は歯を抜く程度で、痛みや腫れはそこまでありません。
手術は局所麻酔をして行うため、手術中に痛みを感じることはありません。また、当院では麻酔医による静脈内鎮静法をお選びいただけるため、快適に手術を受けることが可能です。
外科処置を伴うため、基礎疾患のある方は手術可能かどうか事前に相談する必要があります。
④定期的なメンテナンスが必須
人によっては、定期的なメンテナンスをデメリットに感じてしまうかもしれません。
インプラントは、天然の歯に比べて細菌感染に弱いという特徴があります。
金属とセラミックでできているため虫歯にはなりませんが、歯周病(インプラント周囲炎)にはなるため、日々のセルフケアと定期的なメンテナンスが必要不可欠です。
定期的なメンテナンスを怠っていると、インプラントの破損や、細菌感染などのトラブルの原因になってしまいます。
インプラントを長持ちさせるためにも、定期的なメンテナンスを受けましょう。

まとめ
以上のように、インプラント治療には、メリットとデメリットがあります。
インプラント治療が合っているのかそうではないのかは、患者さんの生活スタイルや、口の中の状況、考え方によって変わってきます。
インプラント治療におけるメリット・デメリットを把握し、納得した上で治療を選択しましょう。
自宅でできる?知覚過敏の治し方
知覚過敏とは?
虫歯でもないのに、歯ブラシの毛先が触れたり、冷たいものを食べたり飲んだりするとき、風にあたったときなどに、痛みを感じる症状を知覚過敏と言います。
痛みは一過性で、刺激がなくなると痛みもなくなりますが、場合によっては歯みがきに支障をきたすほど強い痛みを感じることもあります。
自宅でも治せる?
結論から言うと、自宅でも知覚過敏の症状を改善することは可能です。
ただし、知覚過敏の症状が軽度の場合に限ります。
今回は、自宅ですぐに始められる知覚過敏の治し方と、歯科医院でできる治し方についてご紹介します。
自宅でできる治し方①知覚過敏用の歯磨き粉を使う
知覚過敏用の歯磨き粉には、硝酸カリウムや乳酸アルミニウムといった成分が含まれており、その成分が歯の神経に通じる細かい穴を塞ぐことで、神経への刺激が伝わりにくくなります。
効果を得るためには、継続的に使用する必要があります。
軽度の知覚過敏であれば、2週間程度で症状が改善されますが、継続的に使用しても症状が改善されない場合は、他の原因があるかもしれません。
その際は、歯科医院を受診しましょう。
自宅でできる治し方②ブラッシング方法を見直す
歯を磨く際に力強くブラッシングすると、歯や歯ぐきを傷つけ、知覚過敏の症状を引き起こす原因となります。
ゴシゴシと強い力で磨くのではなく、歯ブラシの毛先が広がらない程度の軽い力で磨くことが大切です。
硬めの歯ブラシを使用すると、歯が削れたり歯ぐきが傷ついて下がってしまうこともあるため、柔らかい歯ブラシを使い、優しく磨くよう心がけましょう。
歯科医院での治し方①知覚過敏用の薬を塗る
歯がしみやすくなっている部分に専用の薬剤を塗布することで、神経への刺激が伝わりにくくなり、しみる症状を抑えることができます。
一度の塗布で症状が改善される場合もありますが、複数回の塗布が必要な場合もあります。
効果には個人差があるため、症状が改善しない場合は、他の治療法を検討する必要があります。
歯科医院での治し方②歯科用プラスチックで削れた部分を覆う
歯の根元が削れてしまってしみる症状が出ている場合は、削れた部分を歯科用プラスチック(コンポジットレジン)で覆うことで、症状が改善します。
だいたいの知覚過敏の症状はこの方法で改善することが多いですが、歯科用プラスチックを詰めるために、必要に応じてわずかに歯を削る必要があったり、処置の際にしみる症状が出ることもあります。
また、歯ぎしりや食いしばりの力が歯にかかり続けると、詰めたプラスチックが取れたり、すり減ることがあるため、定期的な検診でチェックしてもらうことをおすすめします。
歯科医院での治し方③マウスピースを使用する
歯ぎしりが原因で知覚過敏の症状を起こしている場合は、マウスピース(ナイトガード)を使用して治療を行います。
自分で歯ぎしりや食いしばりをしないよう意識することも大切ですが、就寝中の歯ぎしりは無意識に行われるため、治すのは簡単ではありません。
マウスピースを装着して寝ることで、就寝中の歯ぎしりによって歯の表面や根元が削れるのを防ぐことができます。
歯科医院での治し方④歯周病治療をする
歯周病が進行すると、歯ぐきが下がり歯の根元が露出して、歯がしみる症状が出やすくなります。
歯周病治療では、歯垢(プラーク)や歯石を取り除くことで歯周病の進行を防ぎ、健康な歯ぐきを取り戻します。
歯石を取り除くと、歯石によって隠れていた部分が露出し、しみる症状が一時的に強くなることがあります。
しかし、知覚過敏の症状を恐れて歯垢や歯石を放置すると、歯周病が悪化し歯ぐきがさらに下がる可能性があるため、まずは歯周病を改善し、歯ぐきが下がることを食い止める必要があります。
まとめ
今回は、知覚過敏の自宅でできる治し方と、歯科医院でできる治し方についてまとめました。
自宅での知覚過敏用の歯磨き粉の使用や、日々の正しいセルフケアによって、知覚過敏の症状は改善できます。
しかし、知覚過敏だと思っていた症状が、実は虫歯だったというケースもあります。
自宅でのセルフケアで症状が改善しない場合や、しみる症状が続く場合は、お早めにご来院ください。
身近なお口のトラブル「口内炎」
口内炎ができてしまい、食事をするときや歯磨きをするときにとても痛い。
でも気が付いたら治っていた、なんて経験はありませんか?口内炎は、口の中やその周辺の粘膜におこる炎症の総称です。
頬っぺたの内側にできることが多いですが、唇にできるものは「口唇炎」、口角にできるものは「口角炎」、舌にできるものは「舌炎」と呼ばれ、お口の中の広い範囲で発生します。
また、一つだけできることもあれば、何個もできてしまったり、同じところにできたり、その症状はさまざまです。
口内炎の原因は、ストレスや栄養不足などによる免疫力低下や、口の中を噛んでしまうなどの物理的刺激、ウイルスなどによる感染など様々です。
他の病気の一症状として起こる場合もあるので、長引く場合は注意が必要です。
口内炎の種類
アフタ性口内炎
一般的にもっとも多くみられる、表面が白く、大きさが2~10㎜ほどの浅い潰瘍性の口内炎です。
少し触れただけでも鋭い痛みを感じます。
治療を行えば1週間程度で治りますが、それ以上経過しても治らない場合は、腫瘍(癌)が潜んでいたり、治るけど何度も再発してしまう場合は、他の病気が関係したりしている可能性があるため注意が必要です。
カタル性口内炎
入れ歯や矯正器具が接触したり、ほおの内側を噛んでしまったりしたときの細菌の繁殖、熱湯や薬品の刺激などが原因で起こる口内炎です。
アフタ性とは異なり、境界が不明瞭で、唾液の量が増えて口臭が発生したり、口の中が熱く感じたり、味覚がわかりにくくなることもあります。
ウイルス性口内炎
ウイルスが原因で起こる口内炎もあります。
ヘルペスウイルスの感染が原因の「ヘルペス性口内炎(口唇へルペス)」は、主に唾液などの接触感染や飛沫感染によって感染します。
またカビ(真菌)の一種であるカンジダ菌は、もともと口の中に存在する常在菌のひとつですが、免疫力が低下したりすると増殖し、「カンジダ性口内炎」を発症することがあります。
口内炎が長引く場合は?
口内炎の症状があまりにも辛いと食事をするのも億劫になってしまいます。
辛いと感じたら早めに歯医者を受診してください。
また、口内炎がなかなか治らない場合は、全身疾患による免疫低下や口腔がんなど、重大な病気が隠れている可能性があります。
口内炎だと決めつけて放置し、口腔がんが進行して取り返しのつかなくなったというようなケースもあります。
「たかが口内炎」と決めつけず、2週間以上治らない場合は、早めにご来院してください。