デンタルニュース

歯ブラシあれこれ

先日ショッキングな情報を耳にしました。
日本に住んでいる外国人の中には日本の電車が嫌いだと言っており、その理由は日本人は口臭がきついからということでした。

たしかに日本人の歯磨きの時間は先進国の中では下位に属していて、歯ブラシ消費量、歯磨き回数いずれにしてもお隣の国、韓国とも比較にならない様子。
そんなデータをみると口腔内の様子は簡単に予想がつきますし、反論はなかなか難しいようですね。

口臭予防のために、まずは歯磨き!と歯ブラシを新調する方もいるかもしれませんね。


みなさんはどんな歯ブラシを使っていますか?

ドラッグストアで買う人、歯科医院で選んでもらう人、中には旅館でもらったのを使っている人もいたりします。

理想的な歯ブラシはどんなものか知っているでしょうか?
基本的には小さめのヘッドで毛は柔らかめから普通が良いでしょう。
硬すぎる歯ブラシは歯茎を傷めますので、柔らかな毛の方がオススメです。
ただ歯ブラシと言ってもメーカーやブランドによって特徴はおろか、使い心地も寿命も全く違います。

さて今回は歯ブラシの歴史をみてみましょう。
メソポタミア文明の遺跡では黄金のつまようじなんてものが発見されているそうです。5000年も前のものと推測されているようで、世界最古のケアグッズといえるようですが、その歴史は想像以上に古いのですね。

ヒポクラテスは羊の毛を歯の清掃に勧めたそうです。
馬毛、豚毛の歯ブラシは今でも販売されています。
しかし乾燥しやすく衛生的なナイロンが好まれてきて、現在は歯ブラシの毛はナイロンが一般的です。

ところで年間捨てられる歯ブラシの量はなんと36億本だとか。プラスチックゴミの問題などを考えると心配になる数です。

近年そんなことから柄の部分が竹で出来ているものも見かけます。割り箸でも同じようなことを聞きますが、成長が早くて環境のために比較的優しい素材のようですね。

昔は獣の骨を加工して柄にして、毛を針金で束ねて留めたものを歯ブラシとしていたようです。
柄の歴史をみると、鯨のヒゲやセルロイドなどを経て、今ある形の樹脂製となり、ナイロンの毛という組み合わせが一般化したようです。

インドやアフリカ、アジアのある地域では今現在でも木を噛んでほぐした状態で歯を磨く習慣があるそうです。歯ブラシは存在していても敢えて併用している人もいるのだとか。

日本の歯ブラシはとても小さくて、子供用なのかと海外から来た人は驚くようです。
お口の大きさを考えると小さいほうが隅々まで磨きやすく、奥歯の裏だって親知らずまでもよく届くのです。

良く見てみると歯ブラシの植毛状態も様々です。丸や、楕円形のものもあります。

海外旅行に行く機会があれば、歯ブラシコーナーを見てみるのも面白いかもしれませんね!

この記事を監修した人

医療法人社団周優会 常務理事 笠原幸雄

医療法人社団周優会
常務理事 笠原幸雄

所属学会

東京シティー日本橋ロータリークラブ会員
お江戸日本橋歯科医師会選挙委員会 委員長
一般社団法人 日本橋倶楽部会員
東京科学大学歯学部 東京同窓会参与

略歴

私立開成高校卒業
早稲田大学理学部卒業
東京医科歯科大学歯学部卒業
東京医科歯科大学病院勤務
笠原歯科医院 蔵前開設
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 人形町開設
医療法人社団周優会 日本橋グリーン歯科 常務理事
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 六本木開設