デンタルニュース

舌のおはなし

最近ニュースなどで舌の病気について見聞きした人がいるかもしれません。

ある市町村では口腔外科の予約が3ヶ月先まで一杯になってしまったとか。
お口に関心を持ってくれる人が多いのはとても嬉しいことではありますが、どうか診察を希望する皆さんが大きな病気ではないよう祈るばかりです。

さて、歯について話題になることあってもこのように舌について考えたことがある人はそう多くないかもしれません。
じっくり舌を見てみるチャンスさえあまりないかもしれませんね。

舌は筋肉でできています。焼肉屋さんなどで牛タンを食べる人がいるかもしれません。舌の形は見えている部分だけではないことを知っていますか。
人間の舌はなんと200グラムもあるのだそうです。
口を開けて見える部分以外にも根元に向けて長く大きく続いているので、実際はとても大きく重いものなのです。

その大きく重たい舌は、その筋力が弱れば様々な問題を引き起こすことがあります。
いびきとも関係しているのは結構知られていますよね。

筋肉が鍛えられている舌は締まってよく働きますが、筋肉が弱ればダラっと形だけ大きく、喉元を塞ぐように存在してしまいます。
舌のトレーニングをするだけでも随分と顔の印象も変わるなどと言われています。
筋肉だといわれればそれも想像がつくでしょうか。

他にも舌のトレーニングは、舌の汚れからくる誤嚥性肺炎を予防するとか、いびきが少なくなる、口呼吸を防ぐことができるなどのメリット、その他認知症や脳疾患、心筋梗塞などの病気のリスクを低下させることができると言われています。

舌には口の中の汚れがたまり、こびりついています。
カレーやワインなど着色しやすいものを口にしたとき、舌の表面にも色がついているのを見たことがある人もいるかもしれません。

こうした汚れを取り込みやすい舌の汚れは、
気になるお口のニオイの原因の8割を占めているとも言われています。
鏡で見たとき舌が白く見えたら、1日一度でもいいので舌専用のブラシなどで掃除をすると良いでしょう。
ザラザラした舌触りを活かした、舌ケアのラムネのようなお菓子も見かけるようになりました。

擦り過ぎは味覚異常を起こしてしまうこともあるので、優しく奥から舌の先に向かってかき出すようにしてみましょう。
毎日舌を見ていると、舌の異常やトラブルにも気付きやすくなります。

舌のトラブルとしては、主に口内炎のようなものができて治らないとか、普段ないはずの白いもの黒いものなどの何かができたとかいった見た目の異常、また味を感じにくいとか、ヒリヒリするなど感覚のご相談があります。

何か異変を感じたら、かかりつけの歯科医にご相談ください。

この記事を監修した人

医療法人社団周優会 常務理事 笠原幸雄

医療法人社団周優会
常務理事 笠原幸雄

所属学会

東京シティー日本橋ロータリークラブ会員
お江戸日本橋歯科医師会選挙委員会 委員長
一般社団法人 日本橋倶楽部会員
東京科学大学歯学部 東京同窓会参与

略歴

私立開成高校卒業
早稲田大学理学部卒業
東京医科歯科大学歯学部卒業
東京医科歯科大学病院勤務
笠原歯科医院 蔵前開設
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 人形町開設
医療法人社団周優会 日本橋グリーン歯科 常務理事
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 六本木開設