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歯周病と骨粗鬆症の関係

骨粗鬆症はどんな病気?

骨粗鬆症は、全身の骨強度が低下し、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気で、日本では推定約1.000万人以上いると言われています。
骨粗鬆症になると、背中がまがる、身長が縮む、背中や腰が痛むといった症状だけでなく、骨がもろくなるため、背骨が体重を支えきれずにつぶれたり、胸骨が圧迫骨折を起こしたりします。

また、転倒した時に手をついて、手首や肩等を骨折しやすくなります。特に高齢者は、骨折から長期入院となり、寝たきりや認知症になってしまうケースもあります。

骨粗鬆症と歯周病の関係

骨粗鬆症は女性に多い病気です。閉経により、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下し骨密度が低くなるからです。
歯を支える歯槽骨も脆くなります。また、歯周ポケット内に炎症を引き起こす物質が作られ、歯周病が悪化しやすくなると考えられています。
歯周病によって歯を失うと、かむ能力が低下して、食物の消化吸収力の低下を招きます。
その結果、低栄養となり、更に骨粗鬆症を悪化させるという悪循環に陥ることもあります。

愛知学院大学短期大学部の研究で、「残っている歯の数」と「骨密度」の関係性を調べたところ、「正常な骨密度の人の90%以上は歯が20本以上残っていた」が、「骨密度が低い人の70%は歯が20本未満しか残っていなかった」ことが分かりました。
また、歯周病の進行度と骨粗鬆症との関係性では、歯周病が進行しているほど、骨粗鬆症の疑いが強いと診断される人が多かったそうです。

骨粗鬆症と歯周病を予防するには?

カルシウムやイソフラボンを摂る
骨の強度はホルモンの影響を強く受ける事が分かっています。女性の場合、エストロゲンというホルモンが多ければ多いほど骨密度も上がります。
乳製品や大豆製品、小魚、緑黄野菜、海草など、カルシウムを沢山ふくんだ食品をしっかりとりましょう。
また、イソフラボンは、エストロゲンと同じような働きをする力があります。納豆・豆腐・味噌・しょうゆ・豆乳・きなこ・油揚げ・厚揚げなどに含まれているので、毎日摂取しましょう。

よく噛んで食べる
だ液には、口の中の細菌を洗い流してくれる自浄作用があります。よく噛んで食べることは歯周病予防に効果的です。

定期的に歯の予防処置を受ける
毎日歯磨きをしていても、汚れは落としきれません。
その落としきれない汚れが歯石になり、やがて歯周病になってしまうリスクもあります。
歯科医院で、定期的にプロによる予防処置を受けましょう。

この記事を監修した人

医療法人社団周優会 常務理事 笠原幸雄

医療法人社団周優会
常務理事 笠原幸雄

所属学会

東京シティー日本橋ロータリークラブ会員
お江戸日本橋歯科医師会選挙委員会 委員長
一般社団法人 日本橋倶楽部会員
東京科学大学歯学部 東京同窓会参与

略歴

私立開成高校卒業
早稲田大学理学部卒業
東京医科歯科大学歯学部卒業
東京医科歯科大学病院勤務
笠原歯科医院 蔵前開設
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 人形町開設
医療法人社団周優会 日本橋グリーン歯科 常務理事
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 六本木開設