デンタルニュース

口内炎の原因と5つの対処法

日本橋の歯医者、「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。

「また口内炎ができてしまった」
「なかなか口内炎が治らなくて困る」

そのような経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

口内炎は、誰もが経験したことのある症状のひとつです。

私も学生時代に口内炎ができやすく、治ってもまたすぐできる、を繰り返していた時期があります。今ではめっきりできなくなりましたが、その時期は口内炎が多発していました。

実はそのように口内炎が繰り返しできてしまうのには、いくつかの原因が考えられます。

この記事では、口内炎の原因と、今すぐ自分でできる簡単なケア方法を紹介します。

口内炎がなかなか治らない、治ってもまたすぐできてしまう、と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

口内炎ができた男性

あなたの口内炎は何が原因?

口内炎は、お口の中の粘膜に炎症ができる症状の総称です。

口内炎ができるのには、さまざまな要因が関与しています。主な原因は、以下の通りです。

①免疫力の低下

生活習慣による免疫力の低下

生活習慣が乱れて免疫力が低下すると、口内炎ができやすいです。

生活習慣の乱れとは、ストレスや睡眠不足、疲労などが考えられます。

人間の体は、病原菌などから身を守るよう免疫システムがありますが、生活習慣が乱れてこの免疫システムが低下してしまうと、普段は問題にならないような細菌が活性化してしまい、口内炎ができてしまう可能性があります。

私が過去に口内炎がよくできていた原因も、この免疫力の低下ではないかと考えています。当時学生で、学校以外にもアルバイトや友人との付き合い等々で疲労が溜まっていたためと感じています。

お仕事などで睡眠不足の状態が続いていたり、ストレスや疲れを抱えている方は、注意が必要です。

栄養バランスの乱れによる免疫力の低下

ビタミンB群、ビタミンC、鉄分などは、お口の粘膜の健康維持に関わっており、この栄養素が不足すると口内炎ができやすいです。

日々の忙しさから生活習慣が乱れている方は、食事のバランスも乱れがちです。

コンビニの食事や外食ばかりでは偏った食生活になりやすく、これらの栄養素が不足してしまい、口内炎のリスクを高めます。

②物理的な刺激

歯ブラシや入れ歯による摩擦

歯ブラシが強く当たりすぎてしまったり、入れ歯や矯正器具が合わずに強く当たる部分があると、傷になってしまい、そこから口内炎となることもあります。

お口の粘膜はデリケートであるため、歯ブラシや入れ歯以外にも、硬い食べ物や尖った部分のある食べ物で傷ができ、口内炎となってしまうこともあります。

外傷

怪我でお口の中に傷ができてしまったり、お食事中に間違えて頬を噛んでしまった場合も口内炎となってしまうことがあります。

また、私も経験があるのですが、口内炎になっているところは少し腫れて膨れているため、噛んでしまいやすく、口内炎の周りを噛んでさらに口内炎ができるということがあります。

口内炎ができている際には、食事中には注意が必要です。

③お口の中の環境

唾液の減少

唾液は、お口の中の細菌の増殖を抑えたり、粘膜を保護する働きがあります。しかし、なんらかの原因で唾液の分泌量が少なくなってしまうと、お口の中が乾燥し、細菌が繁殖しやすくなり口内炎ができやすいです。

また、お口が乾燥していると粘膜も傷つきやすく、そう言った面でも口内炎ができる原因になります。

歯磨き不足

歯磨きが不十分であったり、歯間ブラシやフロスを使用していなかったり、プラークコントロールがしっかりできていないと、お口の中に細菌が繁殖します。そのような状態も、口内炎のリスクを高めます。

④特定の食品や薬剤による影響

アレルギー反応

特定の食べ物や金属に対し、アレルギー反応を起こし、口内炎ができてしまう場合もあります。

その食べ物の摂取を控えたり、お口の中の銀歯や入れ歯の金具などが原因となっている場合は、アレルギー反応を起こさない素材に交換する必要があります。

薬剤の副作用

一部の薬剤は副作用として口内炎ができることがあります。あまりにも症状がひどい場合は、主治医に相談しましょう。

薬となると服薬を中止するわけにもいきませんが、お口の中を綺麗に保つことで、症状の悪化を防ぐことができます。

薬を服用するイメージ

自分でできる口内炎の治し方

一度治った口内炎が何度も再発する場合、根本的な原因が潜んでいる可能性があります。

再発を防ぐためには、日々の生活習慣を見直すことが大切です。

多くの口内炎は、適切なセルフケアをすることによって症状が緩和され、自然に治ることが多いです。

ぜひ、今すぐ試せそうなことから試してみてください。

①痛みを和らげる応急処置

うがい薬の使用

口内炎の痛みを和らげるための応急処置として、刺激の少ないうがい薬を使用するのがおすすめです。炎症を抑える成分や殺菌効果のあるうがい薬を選び、用法・用量を守って使用しましょう。

塗り薬や貼り薬の活用

また、市販の塗り薬や貼り薬も、口内炎を保護し、炎症を鎮める効果が期待できます。薬剤師や登録販売者に相談し、ご自身の症状に合ったものを選ぶと良いでしょう。

私は以前、塗り薬がすぐ唾液で流れ、口の中が気持ち悪くなってしまうため、塗り薬が苦手でした。しかし、シールタイプのものだと、流れずに外部の刺激からも守ることができたので、とても良かったです。塗り薬が苦手な方は貼るタイプがおすすめです。

また、口内炎ができるということはビタミンも不足している状態なので、サプリメントでのビタミン摂取もおすすめです。

症状が長引く場合は歯医者で診察を受けて、お薬を処方してもらうこともできます。

②刺激物を避けた食事

香辛料や酸味の強い食品を控える

口内炎ができているときは、食べ物に触れるだけでも強い痛みを感じることがあります。そのため、香辛料や酸味の強い食品は、刺激が強く、痛みを悪化させる可能性があるため、できる限り控えるようにしましょう。

熱すぎる食べ物を避ける

熱すぎる食べ物も、香辛料や酸味の強いものと同様に刺激となるため、冷ましてから食べるように心がけてください。柔らかく刺激の少ない食事を選ぶことが、治癒を促す上で大切です。

③生活習慣の見直し

バランスの取れた食事を心がける

前述した通り、栄養バランスを整えることが、口内炎の予防や再発防止において大切です。

ビタミンB群を意識して摂取し、偏食を避けるようにしましょう。

質の高い睡眠を確保する

体の免疫力を高め、治癒を促進するためには、十分な休息と睡眠が不可欠です。

疲れていると免疫機能が低下し、口内炎の治りが遅くなることがあります。できるだけ睡眠時間を確保しましょう。

ストレスを溜め込まない工夫をする

日々のストレスを溜め込まないように、適度な運動や趣味の時間を持つなど、自分に合ったストレス解消法を見つけることも大切です。

心身ともにリラックスできる時間を持つように心がけましょう。

④口腔ケアの徹底

毎食後の丁寧な歯磨き

口の中を清潔に保つことは、口内炎の予防においてとても大切です。毎食後には丁寧に歯を磨きましょう。

デンタルフロスや歯間ブラシの活用

歯ブラシだけでは届きにくい歯と歯の間には、デンタルフロスや歯間ブラシを積極的に活用しましょう。

歯ブラシだけでは、お口の中の汚れの60%しか除去できないと言われています。

デンタルフロスや歯間ブラシは毎日使用しましょう。

刺激の少ない歯磨き粉を選ぶ

口内炎ができていると、歯磨き粉がしみる場合もあります。

その場合は、香料や研磨剤が少ない、低刺激の歯磨き粉を選ぶように心がけると良いでしょう。

⑤隠れた病気の可能性

全身疾患との関連性

2週間以上経っても治らない場合や、症状が重い場合、繰り返し発症する場合は、他の病気が隠れている可能性もあります。

自己免疫疾患の可能性

ベーチェット病やクローン病などの病気にかかっていると、口内炎の症状を伴うことがあります。あまりにも頻繁に口内炎を繰り返す場合は、自己判断せずに病院を受診しましょう。

口内炎薬

 

まとめ

口内炎は、免疫力の低下や、口腔内の不衛生、物理的な刺激、アレルギーや薬の影響など、様々な要因で発症します。

多くのものは2週間程度で治りますが、1ヶ月以上など長期に渡って症状が続いていたり、症状が重い場合は、他の病気の可能性もあるため、歯医者を受診し確認してもらいましょう。

また、日頃の健康管理やお口のケアで口内炎は防ぐことができます。

健康的に過ごすためにも、定期的に歯科の検診を受けましょう。

この記事を監修した人

医療法人社団周優会 常務理事 笠原幸雄

医療法人社団周優会
常務理事 笠原幸雄

所属学会

東京シティー日本橋ロータリークラブ会員
お江戸日本橋歯科医師会選挙委員会 委員長
一般社団法人 日本橋倶楽部会員
東京科学大学歯学部 東京同窓会参与

略歴

私立開成高校卒業
早稲田大学理学部卒業
東京医科歯科大学歯学部卒業
東京医科歯科大学病院勤務
笠原歯科医院 蔵前開設
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 人形町開設
医療法人社団周優会 日本橋グリーン歯科 常務理事
医療法人社団寿幸会 笠原歯科医院 六本木開設