デンタルニュース
どれを選ぶ?インプラント・ブリッジ・入れ歯の違いと後悔しない選び方
日本橋の歯医者「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
歯を失ってしまったときに治療法としてよく耳にするのが、インプラント・ブリッジ・入れ歯です。
でも、どれを選べばいいのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
見た目の自然さ、噛みやすさ、費用など、それぞれに特徴があります。
この記事では、3つの治療法の違いや選び方のポイントをわかりやすくお伝えします。
インプラント・入れ歯・ブリッジの違い
①インプラントとは?天然の歯のように噛める治療法
あごの骨に人工歯根を埋め込む構造
インプラントは、失った歯の根の代わりにあごの骨に人工の歯根を埋め込み、その上に人工の歯を取りつける治療法です。
骨と一体化することでぐらつきがなく、噛む力をしっかり支えることができるのが特徴です。
天然の歯に近い感覚で噛めるのは、この構造のおかげなのです。
また、ブリッジのように周りの歯を削る必要がないため、健康な歯を守りながら機能を取り戻せることができます。
見た目や噛み心地が自然
インプラントの大きな魅力は、見た目も噛み心地も「自分の歯みたい」と感じられることです。
人工歯にはセラミックなどの素材を使うため、光の反射も自然で、口を開けてもほとんど気づかれません。
患者さんからも「人と話すときに気にならなくなった」「食事が楽しみになった」といった声をよく聞きます。
見た目の安心感だけでなく、噛むことの喜びを取り戻せる治療として人気が高まっています。
外科手術や費用負担がある
デメリットとしては、外科手術が必要で費用が比較的高いことが挙げられます。
治療期間も数か月かかるため、すぐに結果を求める方には少しハードルが高く感じられるかもしれません。
また、定期的なメンテナンスを怠ると「インプラント周囲炎」といったトラブルにつながることもあります。
ただし、しっかり通院してケアを続ければ長く安定して使えるため「一生ものの治療」として選ばれる方も増えています。
「手術が不安だったけれど、結果的にやって良かった」とおっしゃる方が多く、正しい知識を持って選ぶことが何より大切だと感じます。
②ブリッジとは?両隣の歯を支えにしてつなぐ方法
短期間で治療が完了するのが魅力
ブリッジは、失った歯の両隣の歯を支えにして人工の歯を橋のようにつなぐ治療法です。
ブリッジの一番のメリットは、治療期間が比較的短く、手術も不要なことです。
「手術まではちょっと不安…」という方にも選ばれやすい方法です。
通常は数回の通院で装着まで完了するため、忙しい方や手軽に治療を進めたい方に向いています。
見た目も自然で、会話中に人工歯だと気づかれることもほとんどありません。
実際、「思ったより違和感が少なくて助かった」という患者さんのご意見を何度か聞いたことがあります。
「インプラントは気になるけど、まずはブリッジで様子を見たい」と選ばれる方が多いです。
しっかり噛めるようになり見た目もきれいに整うので、生活の中での満足感が高い治療です。
健康な歯を削る必要があるデメリットも
一方で、ブリッジは両隣の健康な歯を削って支えにする必要があるというデメリットがあります。
支えの歯に負担がかかることで、将来的にその歯の寿命が短くなることもあるのです。
また、人工歯と歯ぐきの間に汚れがたまりやすく、丁寧な清掃が欠かせない治療でもあります。
私も定期的なクリーニングの際に「ブリッジの下に食べ物が詰まりやすい」と相談を受けることが多く、そのたびに歯間ブラシの使い方などを一緒に練習しています。
③入れ歯とは?取り外し可能な昔ながらの治療
費用を抑えやすく、保険適用が可能
入れ歯は、歯を失った部分に取り外し式の人工の歯を装着する治療法です。
部分入れ歯と、総入れ歯があり、昔から多くの方に親しまれています。
入れ歯の一番の魅力は、費用を抑えやすく、ほとんどの場合で保険が適用できることです。
そのため、まずは費用を抑えて噛めるようにしたいという方に選ばれることが多いです。
「最初は入れ歯で試して、慣れてからインプラントを検討したい」という方も少なくありません。
素材や形を調整することで、見た目も自然に近づけることができます。
初めて装着する方でも、少しずつ慣れていくことで違和感が軽減されます。
違和感やズレが出やすいことも
一方で、入れ歯は装着時の違和感やズレ、外れやすさが出やすいという面もあります。
特に最初のうちは、「話しにくい」「食べ物の温度が伝わりにくい」と感じる方もいらっしゃいます。
私が診てきた患者さんも、慣れるまで何度か微調整を行ったり、痛みが出ないように当たり具合を調整したりしていました。
時間をかけてフィットしてくると「思っていたより快適に使えるようになった」と笑顔でお話しされる方も多いです。
大切なのは、無理せず一緒に調整を重ねていくことです。
どれを選ぶ?治療法を選ぶときの3つの目安
①自分の歯と骨の状態をチェック
骨量が少ない場合はブリッジ・入れ歯が選択肢になることも
どの治療法を選ぶかを考えるとき、まず大切なのはお口の中の状態を正確に知ることです。
インプラントはあごの骨に人工の歯根を埋め込むため、骨の量や厚みが十分にあるかが重要です。
もし骨が少ない場合は、骨を増やす手術を行うこともありますが、身体への負担や治療期間を考慮してブリッジや入れ歯を選ぶ方もいます。
骨の状態によってベストな方法は変わるので、レントゲンやCT検査で正確に調べてもらうことが第一歩です。
CT検査で治療可能かを正確に診断
歯医者では、CT撮影によって骨の高さや厚み、神経の位置まで立体的に確認できます。
CT検査を行うことでインプラントが安全に行えるか、どの位置に埋め込むのが最適かを判断します。
検査と聞くと少し構えてしまう方もいますが、痛みはなく数分で終わる簡単なものです。
実際、検査後に「これなら安心して決められる」とおっしゃる患者さんも多く、事前にしっかり診断を受けることが安心につながります。
② 費用とライフスタイルを考慮する
長期的な維持費も含めて考えるのがポイント
治療を選ぶときには、今の費用だけでなく、将来かかるメンテナンス費や再治療の可能性まで考えるのがおすすめです。
インプラントは初期費用が高めですが、しっかりケアすれば長持ちしやすいため、将来的なコストパフォーマンスが良いという見方もできます。
一方で、入れ歯やブリッジは修理や作り直しが必要になることもあり、定期的な見直しが欠かせません。
「10年後も快適に使えているか」をイメージしながら選ぶと、後悔のない選択につながります。
忙しい方や高齢の方は手入れのしやすさも大切
毎日のケアが負担にならないかどうかも、長く使う上では大切なポイントです。
たとえば、入れ歯は取り外して洗える分お手入れが簡単ですが、慣れるまで少し時間がかかることもあります。
インプラントはケアのコツさえつかめば清掃がしやすく、ブリッジは固定式なので取り外しの手間がありません。
患者さんのお話しを聞いていると、「旅行が多いから手入れが楽なほうがいい」「仕事が忙しいから通院回数を減らしたい」など、生活スタイルをもとに選ばれる方が多いです。
自分の暮らしに合った方法を選ぶことがケアを長く続けるコツです。
③自分が快適に続けられる治療を選ぶ
メンテナンスを続けられるかどうかが長持ちの鍵
インプラントでもブリッジでも入れ歯でも、定期的なメンテナンスを続けられるかが長持ちの大きな分かれ道になります。
たとえば、インプラントは3ヶ月〜半年ごとのチェックでしっかりケアすれば、10年以上快適に使えます。
逆に、清掃が不十分なまま放置すると炎症やぐらつきが起こることもあります。
私が歯科衛生士として感じるのは、「まめに通院してくださる方ほど結果が良い」ということです。
かかりつけの歯医者と、小さな違和感を早めに相談できる関係性をつくることも大切です。
信頼できる歯医者で相談しながら決めるのがおすすめ
治療法を選ぶときには、信頼できる歯医者でしっかり相談しながら決めることをおすすめします。
自分の希望や不安を正直に伝えることで、より納得のいく選択ができますし、治療後のフォローも安心です。
私自身、患者さんから「話をきちんと聞いてもらえたから安心して決められた」と言っていただけると、とても嬉しくなります。
迷ったときは「どれが長く自分らしく続けられそうか」という視点で考えてみてください。きっと、自分にぴったりの方法が見えてきます。
まとめ
ここまで、インプラント・ブリッジ・入れ歯の違いや、それぞれの特徴、選び方の目安についてお伝えしてきました。
どの治療法にも良い点と注意点があり、どれが一番良いというものではありません。
自分の生活やお口の状態に合った方法を選ぶことが、長く快適に過ごすためのいちばんの近道です。
インプラント・ブリッジ・入れ歯のいずれを選んでも、定期的なメンテナンスと毎日のケアを続けることで、快適さを長く保つことができます。
「どれが自分に合うんだろう?」と悩まれたときは、ぜひ一度、歯医者で相談してみてください。