デンタルニュース
虫歯じゃないのに歯が痛い!原因と対処法
日本橋にある歯医者「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
「虫歯じゃないと言われたのに歯が痛い…」
「歯が痛いけど、原因がわからない」
そんなことはありませんか?
歯が痛い症状があるとまず最初に思い浮かぶのが虫歯ですが、実は虫歯以外でも歯が痛くなる原因はたくさんあるのです。
歯が痛む原因には、歯自体が直接関係して起きている場合と、歯とは関係がないのに痛みが起きている場合があります。
この記事では、虫歯以外で歯が痛い時に考えられる原因について解説しています。
虫歯チェックをしてもらったばかりなのに歯が痛くなった、歯が痛いけど原因がわからない、という方はぜひ参考にしてみてください。
歯が痛む原因
虫歯以外で歯が痛む原因には、歯が直接関係する原因によって痛みが出ている場合と、歯以外の原因によって痛みが出ている場合があります。
歯に痛みがあると「虫歯かな?」と考えがちですが、実は様々な原因が考えられます。
ひとつずつ解説していきます。
①歯が直接関係する原因
噛み合わせが合わない
歯の噛み合わせが悪く、強く当たりすぎている部分があると、歯根膜と呼ばれる歯と骨の間の部分に炎症が起きてしまいます。
被せ物の治療後に高さが合わなかったり、歯が動いてしまい噛み合わせが合わなくなったりすることで起こります。
歯が割れている
歯が割れて神経の部分が出てしまっていたり、割れた部分が神経に近い場合は、冷たいものや熱いもので歯が痛む、歯がしみる、ズキズキ痛む、などの症状が現れます。
歯の内部で根っこが割れている場合、噛んだ時に違和感や痛みがあったり、ズキズキとした痛みや、歯肉の腫れの痛みを感じることがあります。
神経を取って歯の治療をおこなった歯は強度が落ちてしまうため、気がつかないうちに歯にヒビが入っていたり割れたりすることがあります。
歯の根っこに膿が溜まっている
神経のない歯は、歯の内部に免疫細胞がなく、細菌感染しやすいです。
細菌に感染すると、歯の根っこに膿が溜まることがあります。
神経がないのでしみることはありませんが、噛むと痛みがあったり、歯が浮いたような感じがする、叩くと違和感があるなどの症状があります。
知覚過敏
知覚過敏は、歯の表面のエナメル質が削れ、内部の象牙質が露出することで歯がしみたり痛みを感じる症状です。
過度なブラッシング圧で歯ぐきが下がってしまったり、歯ぎしり・食いしばりなどで歯がすり減ることによって、象牙質が露出して、痛みが出てしまいます。
知覚過敏の程度によって、冷たい飲み物や食べ物などで症状が出る場合もあれば、歯ブラシが当たることで痛むこともあります。
私は、以前歯が痛んだ時に虫歯かと思ったら知覚過敏だったという経験があります。患者様の中でも、「虫歯っぽいので診てほしい」とおっしゃられた方を確認すると知覚過敏だったということはよくありました。
知覚過敏も虫歯もしみるという症状が似ているので、間違えられやすいです。
知覚過敏の場合は、冷たいものに触れた時や、歯ブラシが当たった時など一時的な症状になります。一方虫歯の場合は、何もしてない時にも継続的にズキズキと痛みが続きやすいです。
食べかすが詰まっている
歯と歯の間に食べかすが詰まってしまい、歯ぐきに炎症が起きている場合に痛みを感じます。実際は歯ではなく歯ぐきに痛みがある状態なのですが、歯が痛いと感じてしまうことも多いです。
食べかすを取り除くことで、すぐに歯ぐきの炎症は治ります。
歯周病
歯周病は初期の段階では痛みを感じることはないですが、歯周病によって歯ぐきが下がると、象牙質が歯ぐきの外に露出してしまうため、知覚過敏の症状として痛みが出てしまう場合もあります。
また、歯周病が進行してくると、歯ぐきに膿が溜まって腫れてしまい、痛みが出る場合もあります。
親知らず
親知らずは他の歯のようにまっすぐ生えずに、斜めに生えてしまうことが多いです。
斜めに生えることで、手前の歯との間に磨き残しができ、周囲の歯ぐきに炎症が起こることで痛みが出やすいです。また、手前の歯を圧迫してしまい痛みを感じる場合もあります。
歯ぎしり・食いしばり
歯ぎしりや食いしばりをすることによって歯が削れたり、かけてしまうと、歯がしみる場合があります。
また歯に強い力が加わるので、歯根膜が損傷し、噛むと痛みが出る場合もあります。
②歯以外の原因
副鼻腔炎(上顎洞炎)
副鼻腔とは、鼻の周囲にある空洞です。風邪の菌やアレルギーなどで炎症が起きると、鼻水や膿が溜まってしまい副鼻腔炎となります。
副鼻腔は4種類に分かれており、そのうちの1つの鼻の横の空洞が上顎洞です。この上顎洞に炎症が起きると、歯の神経が圧迫され、歯に痛みが出る場合があります。
三叉神経痛
三叉神経痛とは、三叉神経が圧迫されるなど何か損傷を受けると発症すると言われています。顔や歯に触れるだけで痛いほどの、激しい痛みが起こります。
三叉神経痛は歯の痛みが起こることから、初めは虫歯かと思い歯科にかかる方が多いようです。
頭痛
偏頭痛や群発頭痛が歯の痛みを引き起こすことがあります。
頭の神経と歯の神経が近くにあるため、頭の痛みと歯の痛みがお互い影響し合うことで起こります。
筋肉の痛み
顎や口の周りの筋肉が疲れていたり炎症を起こしていたりすると、筋肉の中にしこりができ、歯が痛いと感じることがあります。
気圧によるもの
気圧の変化する環境にいる時に、歯の内部で圧力差が生じ、痛みが出ることがあります。
登山や飛行機などで起こりやすいです。
心臓の病気
狭心症や心筋梗塞などの心臓の病気によって、歯の痛みが引き起こされることがあります。
胸や顔、歯に数分から20分程度痛みが起きます。
ストレス
ストレスによって歯ぎしり・食いしばりが無意識に起こっていたり、免疫力が低下し歯ぐきの腫れを引き起こすことで、歯が痛いと感じることがあります。
歯が痛い時の対処法
①歯科医院へ行く
痛みの原因を特定する
歯に痛みを感じたら、まずは歯科医院を受診しましょう。
歯が原因となっている場合であればすぐに治療ができますし、歯以外に痛みの原因がある場合にも、痛みの原因を予測したり、受診するべき科についてのアドバイスを受けることができます。
症状を正確に伝える
痛みの症状を正確に伝えることで、原因の特定に役立ちます。
いつ頃から、どのような時にどのような痛みがあったのか記録しておきましょう。
②自宅でできる応急処置
痛み止めを飲む
その場凌ぎではありますが、すぐに歯科医院にかかれない時などは市販の痛み止めの服用で痛みを和らげることができます。
患部を冷やす
炎症が起きて痛みが出ている場合、患部を冷やすことで痛みが和らぎます。
控えた方が良い行動
歯が痛む時は、入浴、飲酒、運動などの、血行が良くなる行動は控えましょう。
まとめ
歯の痛みは、虫歯以外にもさまざまな原因が考えられます。
痛みの原因によって治療法が異なるため、自己判断せずにまずは歯医者を受診しましょう。
歯医者を受診すれば、すぐに痛みが無くなるというわけではありませんが、受診することで原因の特定や治療法が見つかります。不安を軽減するためにも、まずは相談してみましょう。
また、日頃から歯医者での定期検診やメンテナンスを受けることで、早期発見・早期治療に繋がります。
歯の健康を維持するためにも、定期的な歯医者への受診を心がけましょう。
電動歯ブラシと普通の歯ブラシはどっちが良いの?
日本橋にある歯医者「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
「電動歯ブラシって良さそうだけど、高いし…実際普通の歯ブラシとどっちが良いの?」
「自分の場合は電動歯ブラシと普通の歯ブラシどっちが向いてる?」
電動歯ブラシに興味はあるけど、普通の歯ブラシと比べてそんなに良いものなのか疑問に思っている方もいらっしゃると思います。
電動歯ブラシは普通の歯ブラシと比べると高額なので、購入を悩む方もいるかもしれません。
この記事では、電動歯ブラシや普通の歯ブラシのメリット・デメリットに加えて、それぞれの歯ブラシに向いている人についても解説しています。
電動歯ブラシの購入を迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
電動歯ブラシの特徴
電動歯ブラシと言ってもいくつかの種類があり、それによって値段や効果のほども変わってきます。
ここでは、電動歯ブラシの種類とメリット・デメリットについて解説します。
①電動歯ブラシの種類
振動型
ブラシのヘッドが前後に振動することで、プラーク(歯垢)を除去します。本体が小さめで軽いものが多く、持ち運びもしやすいです。また、比較的安価で購入できます。
普通の歯ブラシと形も似ているため、電動歯ブラシ初心者でも使いやすいです。
使用する際は、普通の歯ブラシと同じ要領で動かします。
回転型
ブラシ部分が丸く、回転する動作でプラークを除去します。1本ずつ、毛先を当ててゆっくりと移動させ磨きます。
歯を1本ずつしっかり丁寧に磨きたい方におすすめです。
音波型
細かな音波振動によって、プラークを除去します。
音波振動は、毛先が当たらない周囲2〜3ミリ部分のプラークを落とすことができます。普通の歯ブラシで届きにくい歯と歯の間や、浅い歯周ポケット内のプラークの除去も可能です。
そのため、効率よく短時間でプラークを落とすことに優れています。
ゴシゴシと動かす必要はなく、ゆっくり横にずらすように動かします。
超音波型
音波型よりも、さらに細かく振動します。
振動が細かく毛先の動きが小さいため、普通の歯ブラシのように動かす必要があります。
②電動歯ブラシのメリット
効率的に使える
電動歯ブラシは自動で振動するので、普通の歯ブラシに比べて短時間でプラークを落とすことができます。
また、音波型の電動歯ブラシの場合、普通の歯ブラシでは届きにくい歯周ポケット内の清掃もできます。
電動歯ブラシの種類にもよりますが、ブラシの形状のラインナップが豊富なものもあり、自分の好みやお口の中の状況に合わせてブラシを選べるものもあります。
疲れにくい
細かく動かす動作を自分で行う必要がないため、疲れにくいです。
一見普通の歯ブラシよりも重さがあるので、持ち続けるのが大変なのではないかと思われますが、普通の歯ブラシよりもブラッシング時間が短縮できるのでそこまで疲れることはないでしょう。
簡単に使える
自動で細かい動きをしてくれるので、複雑なブラッシングのテクニックや手先の器用さがなくてもしっかりプラークを落とすことができます。
③電動歯ブラシのデメリット
価格が高い
電動歯ブラシは普通の歯ブラシに比べて購入費用が高く、数千円〜数万円するものまで幅広くあります。
また、1回買ってしまえばOKというわけではなく、替えブラシの交換費用や、電池や充電も必要です。
歯や歯ぐきへの負担
正しい力加減で当てる分には問題はないですが、強い力で当ててしまうと、歯や歯ぐきにダメージを与えやすいです。
また、電動歯ブラシの振動が苦手で使用できないという方もいます。私も電動歯ブラシを使用したことがありますが、振動がくすぐったく感じ、慣れるまで少し時間がかかりました。
磨けている気になりやすい
電動歯ブラシのしっかりした振動から、磨けていなくても磨けている気になりやすいです。
「電動歯ブラシを使っているから歯磨きは大丈夫」というわけでなく、しっかり正しい位置に当てる必要があります。
普通の歯ブラシの特徴
日頃何気なく使用している手動タイプの普通の歯ブラシも、電動歯ブラシと比べたときに様々なメリットとデメリットがあります。
①普通の歯ブラシのメリット
安価である
数百円から購入できるので、1ヶ月に1回の歯ブラシの交換があったとしても、電動歯ブラシより低コストで済みます。
持ち運びしやすい
電動歯ブラシと比べて軽くコンパクトなため、外出先でも持ち運びがしやすいです。
どこでも手に入る
普通の歯ブラシは、ドラッグストア以外にコンビニやスーパーでも販売しているため、いつでも購入できます。
種類が豊富
電動歯ブラシに比べて、各メーカーが様々な種類の歯ブラシを出しているので、たくさんの種類があります。
そのため、毛先の柔らかさや形など、自分の好みのものを選ぶことができます。
②普通の歯ブラシのデメリット
時間がかかる
普通の歯ブラシは全ての動きを手動で行う必要があります。そのため、細かいところまで全て磨き終わるには時間がかかります。
人にもよりますが、私の場合はフロスを含めた1回のセルフケアで5〜10分程度かかります。
ブラッシングの技術が必要
電動歯ブラシと比べて細かい動きを自分で行う必要があるので、正しい動かし方を習得していないと磨き残しが残りやすいです。
どっちを使うべきか
電動歯ブラシと普通の歯ブラシのどちらも、正しく使用すれば大きな差はなく綺麗にプラークを除去できます。そのため、使用する人の状況によってどっちの使用が向いているか変わってきます。
ここでは、電動歯ブラシと普通の歯ブラシ、それぞれ向いている人の特徴をご紹介します。
①電動歯ブラシが向いている人
時間がない方
毎回の歯磨き時間をしっかり確保しにくい方は、電動歯ブラシの使用がおすすめです。
だいたいの電動歯ブラシは、2分間程度で全て磨き終わる設定になっています。
細かい動きが苦手な方
歯を磨くことに欠かせない、細かく動かす動作を電動歯ブラシは自動でやってくれます。
音波歯ブラシであれば、歯に当てて横に動かしていくだけで磨けるので、細かい動作が苦手な方におすすめです。
着色汚れがつきやすい方
電動歯ブラシの種類にもよりますが、ホワイトニングモードなどを搭載しているものもあり、そちらは歯の着色汚れを落とすことに特化した機能がついています。
普通の歯ブラシでは着色汚れは落とすことができないので、着色汚れがつきやすい方におすすめです。
②普通の歯ブラシが向いている人
コストを抑えたい方
普通の歯ブラシの特徴でも述べた通り、数百円から購入できるのでコストを抑えられます。
正しいブラッシング法をしっかり行えていれば、普通の歯ブラシでも十分プラークの除去は可能なので、費用面でのコストを抑えたい方は普通の歯ブラシでしっかり磨くことをおすすめします。
ブラッシングの時間を取れる方
普通の歯ブラシは、電動歯ブラシのように2分程度で綺麗に磨き切るのは難しいです。
磨き方や個人差もありますが、しっかり磨こうと思うと10分程度の時間の確保が必要な場合が多いでしょう。
まとめ
電動歯ブラシであっても、普通の歯ブラシであっても、どっちも正しく使用することで効果が発揮されます。
自己流の磨き方にならないよう、正しい方法で使いましょう。
もし磨き方や使い方に不安がある場合は、歯医者でブラッシング指導を受けることで、自分のお口の中に適した使用方法をレクチャーしてもらえるので、定期検診やメンテナンスの際に相談してみましょう。
マウスウォッシュの効果について解説!使わない方が良いと言われる理由は?
日本橋の歯医者「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
皆さんは、「マウスウォッシュ」を使用していますか?
歯ブラシ以外にフロスや歯間ブラシを使用している方は多いですが、マウスウォッシュを使用している方は少ないのではないでしょうか?
株式会社サンスターが世界15カ国で実施したグローバル調査によると、日本はマウスウォッシュの使用率が最下位だそうです。※1
マウスウォッシュは、正しく使用することでさまざまな効果が得られますが、間違った使い方をするとその効果が得られないため、使い方に注意が必要です。
この記事では、マウスウォッシュを使用することで得られる効果と、使用上の注意点や正しい使い方について解説しています。
今までマウスウォッシュをなんとなく使っていた方や、気になっていたけどまだ使ったことがない方は、ぜひ参考にしてみてください。
※1引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000319.000005120.html
マウスウォッシュとは
マウスウォッシュは、口臭の予防や、虫歯や歯周病を予防する効果のある洗口液です。
似たような商品でデンタルリンスがあります。その違いについても解説します。
①マウスウォッシュの目的
口臭の予防や殺菌
市販のマウスウォッシュには、「化粧品」と「医薬部外品」があります。
「化粧品」は薬用成分を含まないので、口の中を洗浄することによる一時的な口臭予防の効果のみになりますが、「医薬部外品」は薬用成分が含まれているため、お口の中の細菌を減らし、口臭や虫歯、歯周病を予防する効果があります。
しかし、菌を減らすことはできますが、菌が減ったからといって虫歯や歯周病を治せるわけではありません。
虫歯や歯周病を治すには、歯医者での治療が必要になります。
デンタルリンスとの違い
市販されている似たような商品で、マウスウォッシュの他にデンタルリンスがあります。
どちらも液体の商品ですが、マウスウォッシュはお口をすすぐ洗口液で、デンタルリンスは歯磨き粉の代わりに使う液体歯磨きなので、使用方法が全く異なります。
似たようなパッケージが多く違いがわかりにくいですが、購入の際に間違わないようにしましょう。
②マウスウォッシュの効果
口臭の予防
口臭は、お口の中の細菌が食べ物の残りカスなどを分解することで発生します。
マウスウォッシュの使用でお口の中の細菌数を減らすことができるため、口臭を予防する効果があります。
ミントフレーバーなど爽やかな味のものが多いので、使用後にすっきりとした爽快感を得られます。
虫歯の予防
マウスウォッシュの中にはフッ素が含まれている商品があり、虫歯予防に効果的です。
フッ素は歯磨き粉にも含まれていますが、マウスウォッシュは液体のため歯ブラシでは届きにくい噛み合わせの溝や、歯と歯の間の隙間などの細かいところにまでフッ素を行き渡らせることができます。
歯医者で販売している歯科専売品のものは、市販のものよりフッ素が多く含まれており、虫歯予防効果も高いです。
歯周病の予防
歯周病の原因となる菌を殺菌するため、歯周病予防にも効果的です。
殺菌成分(イソプロピルメチルフェノール、塩化せちるピリジニウムなど)や、抗炎症成分(グリチルリチン酸、トラネキサム酸など)が配合されているものがおすすめです。
プラークをつきにくくする
プラーク(歯垢)は細菌の塊でできています。マウスウォッシュの殺菌作用によりお口の細菌を減らすことができるため、プラークの付着を抑制する効果が期待できます。
使わない方が良いと言われる理由
お口のケア用品として便利なマウスウォッシュですが、使わない方が良いと言われることもあります。それは何故なのでしょうか?その理由を解説します。
①アルコールによる作用
口腔乾燥
マウスウォッシュにはアルコールの成分が配合されているものと、配合されていないものがあります。
アルコール成分配合のものは、爽快感が強くスッキリします。しかし、アルコールは刺激が強く揮発性も高いため、お口の中の乾燥に繋がることがあるとも言われています。
私は、アルコール成分が配合されているタイプと、配合されていないタイプの両方を使用したことがありますが、アルコール成分が配合されているものは、かなり刺激が強くピリピリとしてしまい、長い間お口の中に留めておくことができませんでした。
その刺激が好きという方もいらっしゃいますが、特にそういった好みがないようであれば、アルコール成分が配合されていないものがおすすめです。
唾液の減少
マウスウォッシュを使用しすぎると、アルコールの作用によって唾液を減らしてしまい、お口の中の乾燥に繋がります。
唾液にはお口の中の細菌を洗い流す自浄作用があるため、唾液の量が減ってしまうと、虫歯や歯周病になりやすくなってしまいます。
マウスウォッシュの中には、唾液の分泌を促す成分が配合されているものもあります。
唾液の減少が気になる方は、そういった保湿効果の高いものがおすすめです。
対象者が限られる
アルコール成分が配合されているものは、アルコール過敏症の方、妊娠中の方や子供には向かないため、そのような方はノンアルコールタイプを使用しましょう。
②健康な細菌の排除
必要な常在菌
お口の中には体に害を及ぼす悪い菌だけでなく、必要な常在菌も存在しています。
マウスウォッシュは悪い菌だけでなく、そういった健康な細菌も洗い流してしまう可能性があるため、注意が必要です。
口内環境の乱れ
健康な細菌が洗い流されることで、お口の中の環境が乱れてしまい、口内炎ができやすくなってしまったり、お口のトラブルの原因となってしまいます。
効果的に使うためには
マウスウォッシュを効果的に使うためには、どのようなことに注意すれば良いのでしょうか。注意点について解説します。
①使用上注意すること
すぐに吐き出さない
マウスウォッシュをお口に含んでからすぐに吐き出してしまうと、せっかく使用しても殺菌の効果が得られません。
効果的に使用するためには、20〜30秒ほどお口の中でキープする必要があります。
また、使用した後はすぐに水ですすいでしまうと効果が薄れてしまうので、すすがないように気をつけましょう。
フッ素入りの歯磨き粉との併用
フッ素入りの歯磨き粉を使用した後にすぐマウスウォッシュを使用すると、歯磨き粉のフッ素の成分が洗い流されてしまいます。
日中は水分をとる機会も多く、元々フッ素の成分も流されやすいので、マウスウォッシュは朝やお昼などのタイミングでの使用がおすすめです。
夜寝る前にマウスウォッシュを使用したい場合は、フッ素が配合されているものの使用がおすすめです。
回数
口臭などが気になると、1日に何回もマウスウォッシュを使用したくなってしまいますが、使いすぎるとお口の中に必要な常在菌まで洗い流してしまいます。
1日1〜3回程度の使用に留めましょう。
歯磨きはちゃんとする
マウスウォッシュは歯磨きの代わりにはなりません。
歯にこびりついたプラークを落とすには、歯ブラシでこすって落とす必要があります。
歯磨きをせずにマウスウォッシュのみでセルフケアを完了させてしまうと虫歯や歯周病のリスクは防ぐことができないので注意しましょう。
②使用しない方が良い場合
トラブル
お口の中に傷や強い炎症などがある状態でマウスウォッシュを使用すると、刺激を与えてしまうことがあります。
そのような症状がある場合は使用を控えましょう。
年齢
子供の場合、マウスウォッシュの成分は刺激が強く、痛みや粘膜のトラブルの原因になることがあります。
対象年齢をしっかり確認して使用しましょう。
どうしても使用したい場合は、子供用のマウスウォッシュを選びましょう。
まとめ
マウスウォッシュを使用しすぎたり間違った方法での使用は、トラブルの原因となってしまったり効果が得られないこともあるので、注意する必要があります。
しかし正しく使用すれば、お口のケアにとても役立つアイテムです。虫歯や歯周病の予防効果以外にも、使用後の爽快感でとてもスッキリとした感覚が得られます。
今まで使用していなかった方も、ぜひ一度使ってみてください。
日頃の習慣で歯茎が下がる!?予防法を解説
日本橋の歯医者「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
「以前より歯茎が痩せてきた」
「歯が長くなった気がする」
そう感じたことはありませんか?
健康な歯茎であっても、年齢を重ねるにつれて自然と歯茎が痩せて下がってきます。しかし年齢以外にも、歯周病や不適切なブラッシングなどによって歯茎が下がることがあります。
歯茎が下がると、見た目への影響以外にも、虫歯になりやすくなったり、歯がしみてしまう知覚過敏の症状が出たりと様々な問題が発生してしまいます。
また、一度歯茎が下がると自然に元に戻ることはなく、元に戻すためには外科手術が必要であったりと簡単ではありません。
そのため、歯茎が下がらないよう予防することが大切です。
この記事では、歯茎が下がるのを予防するためにできることを解説しています。
今日からすぐに取り入れられることばかりなので、歯茎の下がりが気になっている方は、ぜひ参考にしてみてください。
口腔衛生習慣
歯茎が下がる原因に、歯周病や不適切なブラッシングなどが挙げられます。
そのため、口腔衛生習慣の見直しが大切です。口腔衛生習慣には、自宅で自ら行うセルフケアと、歯医者で受けるプロケアがあり、どちらも必要不可欠です。
セルフケアとプロケア、それぞれについて解説します。
①セルフケアの見直し
適切なブラッシング
歯周病が進行すると、歯を支えている周りの骨が溶けて歯茎が下がってしまいます。
歯茎が下がらないようにするには、歯周病予防につながる適切なブラッシングを行う必要があります。
ブラッシングは、可能であれば1日3回、出先などで難しい場合は最低1日2回は行いましょう。
プラーク(歯垢)は歯と歯茎の間に残りやすいため、歯ブラシを歯と歯茎の境目に当てて小刻みに動かします。
ブラッシングはプラークを落とすことが目的です。ささっと短い時間で終わらせてしまうと、プラークが落としきれていない可能性があります。しかし、ブラッシングの時間が長ければ良いというわけでもないので、ダラダラ磨くのではく、磨く順番を決めて隅から隅までプラークを落とすつもりで磨きましょう。
力を入れすぎない
ブラッシングの際に強い力で磨くと、歯茎を傷つけてしまい、歯茎が下がる原因となります。
また、力を入れすぎると歯ブラシの毛先が広がってしまい、プラークを取りきれず磨き残しが発生してしまう可能性があります。
実は、私も以前ブラッシング圧が強かったため、歯茎が退縮してしまっている部分があります。頑張って磨こうとすると余計に力が入ってしまうかもしれませんが、プラークはゴシゴシと強くこすらなくても優しい力で落とすことができます。
ブラッシングの適正な力加減は、100〜200g程度と言われています。
私は学生時代にはかりを使用して適正な力加減を練習したことがありますが、思っていたよりもかなり軽い力でした。
とは言え、目安の数字だけではなかなか想像がつかないと思います。最近ではブラッシング時に、過度な力が入るとカチッと音が鳴り知らせてくれる歯ブラシも販売されているので、力加減に自信のない方はそのような商品を試してみると良いでしょう。
歯間のケア
フロスや歯間ブラシを使って歯と歯の間のケアをすることで、歯ブラシのみでは磨けない部分のケアができます。
歯ブラシのみでは歯と歯の間にプラークがついたままになってしまい、そこから歯周病が進み歯茎が下がる原因となってしまいます。
フロスや歯間ブラシは使い慣れるまでは時間がかかり大変ですが、毎日使用しましょう。
②プロケアを受ける
プロケア
毎日のセルフケアはもちろん大切ですが、健康なお口の中を保つためにはプロケアである歯医者での定期的なクリーニングを受けることも大切です。
どんなに綺麗に磨けている方でも、数ヶ月期間が開くと少量の歯石がついてしまいます。
定期的に検診やクリーニングを受けることで、歯周病の初期段階で気がつくことができます。
また、歯茎の下がりに気がついていない場合でも、歯医者で診てもらうことで早期発見できることもあります。
ブラッシング指導
プロケアでは、クリーニングのみではなくブラッシング指導も一緒に行っていることがほとんどです。
ブラッシング指導では、正しい磨き方や適切なブラッシングの力加減も確認できます。
お口の中はひとりひとり違います。歯並びの関係で磨きにくいところがあったり、被せ物の有無でお手入れ方法も変わってきます。
歯医者のブラッシング指導では、実際にお口の中を診てもらいながら自分に合ったブラッシング指導を受けることができます。
検診・プロケアの頻度
検診やプロケアを受ける頻度は、お口の中の状況によって変わってきます。
歯周病にかかっていたり、歯周病の予防のためには3ヶ月前後での頻度で受けることが多いでしょう。
特にお口の中に問題がなくても、少なくとも半年〜1年に1回の頻度で受けることをおすすめします。
生活習慣
歯茎が下がる原因に、日々の生活習慣によるものも挙げられます。ご自身に当てはまることはないか見直してみましょう。
①歯ぎしり・食いしばり
ストレス対策
歯ぎしりや食いしばりは、歯茎にとても負担がかかり歯茎が下がる原因となります。
歯ぎしりや食いしばりの多くは、無意識のうちに行われています。ストレスや緊張を感じているときや何かに集中している時に起こりやすいです。
私も集中している時に、ふと気づくと歯を噛み締めていることがありました。
日中の歯ぎしり・食いしばりは意識的に治せるので、注意して気をつけてみてください。
また、ストレス対策として、リラックスできる時間を作ることも大切です。
マウスピースの使用
寝ている時の歯ぎしりや食いしばりは、意識的に防ぐことができません。
そのため、マウスピースの使用で、歯ぎしりによる歯茎へのダメージを軽減していきましょう。
マウスピースは用途によって素材や厚みなどが変わってきます。インターネットで購入できるものもありますが、自己判断で選ぶのではなく、歯医者で相談し作製してもらうことをおすすめします。
②嗜好品・飲食
タバコ
タバコによる喫煙は、お口の中の血の巡りを悪くしてしまい、歯茎に栄養や酸素が行き届かず、歯茎が下がりやすいです。
喫煙していて歯茎の下がりを気にされている方は、禁煙をおすすめします。
水分の摂取
水分を摂取することで、唾液の分泌が促進されます。唾液の洗浄効果により、お口の中の細菌の増加を抑えます。
そのため、健康的なお口の状態を保ちやすくなります。
栄養バランスの良い食事
健康な歯茎になるための栄養素は、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンB群が効果的とされています。
ビタミンAは、皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあります。
ビタミンCは、歯茎の成分であるコラーゲンの合成に欠かせない栄養素です。
ビタミンB群は、細胞の再生やエネルギーの回復に必要です。
まとめ
歯茎の下がりを元に戻すのは簡単ではありませんが、今以上に下がらないよう予防する方法はあります。まずは今すぐできることから始めてみましょう。
また、歯茎の下がりを放置してしまうとさらに歯茎が下がったり、虫歯や知覚過敏のリスクもあります。
痛みや不快な症状がなくても、少しでも歯茎が下がったと感じるようであれば、歯医者で相談しましょう。
歯ブラシの選び方のポイントを紹介!
日本橋の歯医者「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
ドラッグストアなどで歯ブラシコーナーを見ると、たくさんの歯ブラシが並んでいてどれにしようか迷ってしまいますよね。
歯ブラシの購入の際に、なんとなくで選んでいませんか?
歯ブラシは、自分のお口の中の状況に合ったものを選ぶことで、プラーク(歯垢)の除去効果が大きく変わってきます。そのため、効率の良い歯磨きをするには、自分に合った歯ブラシを使う必要があります。
しかし、市販の歯ブラシはたくさんの種類があり、どれを選ぶべきかわからずなんとなく選んでしまう方もいらっしゃると思います。
この記事では、歯ブラシの選び方と、正しい歯ブラシの管理方法について詳しく解説しています。
今まで歯ブラシにこだわりがなかった方や、どれを選べば良いか迷っている方は、ぜひ次回の歯ブラシ購入時の参考にしてみてください。
歯ブラシの選び方
歯ブラシを選ぶ際に、硬さ、形、大きさ、材質、持ち手の形をチェックする必要があります。それぞれ項目ごとに解説します。
①硬さの選び方
やわらかめ
やわらかめの歯ブラシは、歯ぐきが腫れている方や、歯周病の方におすすめです。
毛がやわらかく歯ぐきを傷つけにくくなっています。しかし、毛がやわらかいぶんしなりやすいため、「ふつう」や「かため」の歯ブラシと比べてプラークを落としにくいです。
実際に磨き残しの染め出しなどをするとよくわかるのですが、やわらかめの歯ブラシは本当に何往復も同じところを磨かないとプラークを落とすことができません。
そのため時間をかけて、丁寧に磨きましょう。
ふつう
ふつうの歯ブラシは、お口の中に特に問題がなく、歯ぐきが健康な方におすすめです。
様々な年齢層の方が使える歯ブラシとなっており、正しい方法で使用すればプラークをしっかり落としやすく、歯ぐきを傷つけることもありません。
かため
かための歯ブラシは、歯ぐきの腫れや歯周病がなく、しっかりと磨きたい方におすすめです。
毛が硬いためプラークを落としやすいですが、そのぶん歯にダメージを与えたり歯ぐきを傷つけやすいです。
メンテナンス時に、歯ぐきに傷がついている方の歯ブラシを見せていただくと、ほとんどの方がかための歯ブラシを使用しています。
自覚がなく歯ぐきを傷つけてしまっている場合も多いので、歯磨きの際には力を入れすぎないよう注意する必要があります。
②毛先の形の選び方
フラット毛
フラット毛は、毛先が平らにカットされた形です。
歯や歯ぐきとの接着面が多く効率よくプラークを落とせるので、虫歯予防を重視したい方におすすめです。
ラウンド毛
ラウンド毛は、最も一般的な毛先の形です。フラット毛の歯ブラシの毛先を丸く加工したものです。
フラット毛と同じく、歯や歯ぐきとの接着面が多く効率よくプラークを落とせるので、虫歯予防を重視したい方におすすめです。角がないため、歯ぐきを傷つけにくいです。
テーパー毛
テーパー毛は、毛先が先端に近づくにつれて細くなっている形です。毛先が細いため、歯と歯の間の細かいところや、歯周ポケットの中にも届きやすいです。
毛先がやわらかいので、歯周病の方におすすめです。
二段植毛
二段植毛は、フラット毛とテーパー毛が組み合わさっている形です。2種類のブラシで効率よくプラークを落とすことができます。
虫歯だけでなく、歯周病も併せて予防したい方におすすめです。
③大きさの選び方
小さめ
比較的お口が小さい方や、歯が重なっていたり歯並びが複雑な方におすすめです。
歯ブラシのヘッド(毛の生えている部分)が小さいので、細かいところや、奥の歯まで磨けます。
ただし、小さいぶん全体を磨くのに時間がかかるため、歯磨きの時間をしっかりと確保する必要があります。
大きめ
比較的お口が大きめの方や、細かい動作が苦手な方におすすめです。高齢の方や歯ブラシが上手にできない方に向いています。
歯ブラシのヘッドが大きいぶん、一気にプラークを落とすことができます。
ただし、細かいところはプラークが残りやすいです。フロスや歯間ブラシなどを使って仕上げ磨きすると良いでしょう。
④材質の選び方
ナイロン
ナイロン製の歯ブラシは、一般的に多く使われています。雑菌が繁殖しにくく、衛生面で優れている材質です。
飽和ポリエステル
歯科医院で取り扱っている歯科専売品の歯ブラシに多く使われています。ナイロンより衛生面や耐久性で優れており、極細毛の歯ブラシに使用されていることが多いです。
天然毛
毛がやわらかく、歯ぐきに優しいです。ナイロン製に比べ、耐久性が高く長持ちします。
しかし、水切れが悪く細菌の繁殖がしやすいため、衛生面では劣ります。
⑤持ち手の選び方
細めのもの
ペングリップ(鉛筆持ち)で持ちやすいようになっています。細かく磨ける方におすすめです。
太めのもの
パームグリップ(手の平全体で握る持ち方)で、安定して握りやすいようになっています。幅広い方におすすめです。
歯ブラシの管理の仕方
①保管方法
しっかり洗い流す
使用後の歯ブラシはコップに溜めた水などではなく、流水で洗い流しましょう。
歯ブラシの根元部分には食べかすなどが絡まってつきやすいので、確認しながら根元までしっかり洗いましょう。
乾燥させる
歯ブラシを湿った状態で保管すると細菌が繁殖しやすくなってしまいます。
毛先を下にしてコップに入れたり、洗面台の収納の中などにしまうと乾きにくく雑菌が繁殖しやすいため、気をつけましょう。
風通しの良い場所で、歯ブラシの毛先を上にして立てて保管しましょう。
②交換時期
目安は1ヶ月に1回
歯ブラシの交換時期は、1ヶ月に1回が推奨されています。
ただし1ヶ月以内であっても、毛先が開いているようであれば新しいものに交換しましょう。その場合は、もしかしたら歯磨きの際に力が入りすぎているかもしれません。
過度な力で磨き続けると歯や歯ぐきを傷つける原因にもなるので、磨き方を見直しましょう。
また、交換時期は「最後に交換したのはいつだっけ?」とならないように、「毎月、月初めに交換する」など、日付を決めてしまうのがおすすめです。
交換しないとどうなる?
歯ブラシを1ヶ月使用しても、毛先が開いておらずまだまだ使えそうに見えることもあると思います。
しかし、毛先の開いた歯ブラシも開いていない歯ブラシも、1ヶ月経つと毛の材質が劣化してきているため、確実にプラークの除去効果は落ちてきています。
ライオン歯科衛生研究所調べによると、新品の歯ブラシが100%プラークを落とせるとすると、毛先の開いた歯ブラシは60%程度しかプラークが落とせないようです。
また、広がった毛先が歯ぐきを傷つけてしまったり、長期間使用することにより細菌が繁殖しやすくなります。
まとめ
歯ブラシは様々な種類がありますが、自分のお口に合った歯ブラシを選ぶことで、歯磨きの効率が良くなります。
せっかく同じ時間を歯磨きに当てるのであれば、プラークが落ちやすい歯ブラシでお手入れした方が良いですよね。
また、お口の中の状況だけでなく、磨き方や癖なども考慮して選ぶことでより効果的な歯磨きができます。
「自分一人ではそこまでわからない」
「購入してみたけど、本当にこれで合っているのかわからない」
などの疑問がある場合は、かかりつけの歯科医院でメンテナンス時に歯科医師や歯科衛生士に相談してみましょう。
健康なお口を保つためには、歯科医院でのメンテナンスと、日々の適切な歯磨きを継続することが大切です。
歯間ブラシで隙間があく?!正しい使い方やフロスとの違いも解説
日本橋の歯医者「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
「歯間ブラシを使ったら隙間が広がった気がする」
「歯間ブラシの使い方は合ってる?デンタルフロスとは何が違うの?」
歯間ブラシを使い始めてみたけど、隙間が以前より広くなったと感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際に私もそのような相談を受けたことがありますし、インターネット上の質問・相談サービスのYahoo!知恵袋などでも、歯間ブラシによる歯の隙間についての投稿がたくさんされています。
歯間ブラシを使うことで、本当に歯の隙間があくのでしょうか?
結論からいうと、正しい使い方で使用すれば、歯間ブラシが原因で隙間は広がりません。
ただし、元々歯ぐきが腫れている場合や間違った使い方をしている場合は、隙間が広がったように感じたり、実際に隙間が広がってしまう場合もあります。
この記事では、歯間ブラシで隙間があくと感じる原因や、歯間ブラシの正しい使い方について解説しています。
歯間ブラシを使って隙間があいたとお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
隙間があく理由
①歯ぐきの健康回復で隙間があく
歯ぐきの炎症が引いた
歯周病で歯ぐきに炎症が起きていると、歯ぐきが腫れてブヨブヨと盛り上がった状態になっています。
そこに歯間ブラシを使用することで炎症が治まり、歯ぐきが引き締まります。
そうすると、歯ぐきの腫れがなくなるため、歯と歯の間の隙間が広くなったように感じることが多いでしょう。
しかし、これは歯ぐきが本来の位置に戻った良い状態なのです。
詰まっていた汚れが取れた
今まで歯と歯の間に詰まっていた歯垢や食べかすなどの汚れが取れると、歯と歯の間が広がったような違和感を感じる場合があります。
しかし、汚れが詰まったままにしておくと、虫歯や歯周病の進行や悪化に繋がってしまいます。衛生的な状態をキープできるよう歯間ブラシでのケアを続けることが大切です。
②間違った使い方で隙間があく
サイズが合っていない
隙間が狭いところにサイズの大きい歯間ブラシを使用すると、歯ぐきが傷つき退縮してしまうことがあります。
隙間に合った正しいサイズの歯間ブラシへ変更が必要です。
力任せに使用している
歯間ブラシを通す際に、力任せに通していたり間違った角度で通している場合も、歯ぐきが傷つき下がる原因になってしまいます。
サイズの適した物であれば、ゴシゴシと動かさなくてもスッと通ります。優しく動かすようにしましょう。
また、慣れないうちはなかなか歯間ブラシをスムーズに通すことは難しいです。正しい角度で挿入できているか、鏡を見ながら使用すると良いでしょう。
歯間ブラシの正しい使い方
①正しいサイズの選び方
サイズの種類
歯間ブラシは、メーカーにもよりますが、4S・3S・SS・S・M・L・LLのサイズに別れているものが多いです。
歯と歯の間の隙間によってそれぞれ適したサイズは違うので、隙間ごとに何種類か使い分けが必要な場合も多いです。
歯間ブラシを無理に挿入すると、歯や歯ぐきに負担がかかります。スムーズにスッと挿入できるサイズを選ぶ必要があります。
歯ぐきの状態が健康であれば、そこまで大きく隙間は広がっていないので、小さめサイズの4S〜3Sサイズから試してみると良いでしょう。
歯間ブラシを入れた際に、すぐに曲がってしまったり折れてしまうようであれば、サイズが大きすぎる可能性があります。
歯の隙間によっては一番小さなサイズでも入らないところもあるので、そのようなところには無理に通さず、デンタルフロスを使用しましょう。
また、歯と歯の隙間の大きさは年齢などにより変化していくので、大量の買いだめは避けましょう。
歯科医院で聞く
歯間ブラシのサイズ選びに自信がない場合は、クリーニングや検診の際に歯科医院で聞いてみると良いでしょう。
隙間によっては歯間ブラシの通し方が難しいところもあります。
自己流で間違ったサイズの使用や通し方を続けていると、歯ぐきを傷つけたり、隙間を広げる原因にもなるので、歯科医師や歯科衛生士からアドバイスをもらうのがおすすめです。
②正しい使用方法
動かし方
歯間ブラシを歯と歯の隙間に入れて、前後に動かします。この時に力を入れすぎないよう、優しく数回往復させましょう。
歯の面にピッタリと沿わせながら動かすことで、しっかり歯垢が取れます。
管理方法
使用後は、歯間ブラシをしっかり洗いましょう。
また、保管する際、細菌が繁殖しないよう風通しの良い場所に置くようにしましょう。
歯間ブラシの使用頻度によりますが、10日程度での交換がおすすめです。
歯ブラシにも言えることですが、特に壊れておらず使用できそうでも、使用の目安をすぎると歯垢の除去率は大幅に下がってしまいます。
長くても1ヶ月以内には交換した方が良いでしょう。
歯間ブラシとデンタルフロスの違い
歯間ブラシと似たようなものでデンタルフロスがあります。
歯間ブラシとデンタルフロスを同じものと思われている方も多いです。
どちらも歯と歯の間を清掃するものですが、隙間のサイズによって適しているものが違うので、使い分けが必要です。
①作りの違い
歯間ブラシの作り
歯間ブラシはプラスチックの持ち手の先にブラシがついたもので、ワイヤーに毛がついているタイプやゴムのタイプがあります。
私の今までの経験上、ゴムのタイプはワイヤータイプよりも歯垢が取りきれないように感じます。
実際にゴムの歯間ブラシを通してもらった後に磨き残しの染め出しをすると、磨き残しが残ったままでした。食べかすなどの大きい汚れは取れますが、歯にこびりついている歯垢は落ちにくいようです。
ワイヤータイプが歯ぐきに刺さりそうで怖い、苦手という方は、ゴムのタイプで練習してからワイヤータイプを使用してみると良いでしょう。
デンタルフロスの作り
デンタルフロスは、ブラシではなく「糸」です。
糸だけの指に巻きつけて使うタイプのものもあれば、プラスチックの持ち手がついたホルダータイプのものがあります。
一般的に「糸ようじ」と言われているものは、このホルダータイプのことを指します。
②適した対象者と使用部位
歯間ブラシの対象・部位
歯と歯の隙間が広いところは、歯間ブラシが適しています。
歯周病で隙間が広くなってしまった部位や、加齢に伴って歯ぐきが痩せて隙間ができてきた方は、歯間ブラシの使用で効率よく歯垢が落とせます。
デンタルフロスの対象・部位
歯と歯の隙間が狭いところは、デンタルフロスが適しています。
比較的若い方や、歯と歯の隙間が狭い部位へは、歯間ブラシは入らないためデンタルフロスを使用しましょう。
以前私が歯科衛生士を目指す前、フロスと歯間ブラシの使い分けなどの知識もないまま、「何か歯ブラシ以外でも歯のお手入れをしよう」と、歯間ブラシを無理に通していたら歯ぐきが傷ついてしまいました。
ただ「歯ブラシ以外の用品を使えば良い」というわけではなく、正しい使用方法や適した部位をきちんと確認して使うことが大切です。
③選び方のポイント
隙間のサイズの確認
前述したように、歯と歯の隙間によって、歯間ブラシを選ぶのかデンタルフロスを選ぶのか変わってきます。そのため、それぞれの歯の隙間のサイズを確認する必要があります。
もし、自分でチェックするのが難しい場合は、歯科医院で相談してみましょう。
使い分けをする
一人のお口の中でも、歯と歯の隙間が広いところと狭いところがある場合、歯間ブラシとデンタルフロスの両方を使用する必要があります。
まずはデンタルフロスを使用してみて、明らかに隙間が広いところや食べかすが詰まりやすいところには歯間ブラシの細いサイズのものから試してみると良いでしょう。
歯と歯の隙間の大きさがそれぞれ大きく違う場合は、何種類かのサイズの歯間ブラシを使い分けると、より綺麗に磨けます。
まとめ
歯間ブラシを正しく使用していれば、歯の隙間について心配する必要はありません。
しかし、間違った使用方法は隙間があく原因になってしまうので、歯科医院でのメンテナンスで正しい使用方法を指導してもらうと良いでしょう。
歯間ブラシやデンタルフロスなどの清掃道具は、歯垢を落とすのに必要不可欠です。
歯ブラシのみで落とせる歯垢は、60%程度と言われています。ところが、歯ブラシと併用して歯間ブラシを使用すると、85%の歯垢を落とすことができると言われています。
健康なお口の中を保つためにも、正しい使用方法で毎日のケアに歯間ブラシを取り入れましょう。
歯に着色しやすい食べ物は?原因と対策
日本橋の歯医者「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
「以前より歯が黄色くなってきた気がする」
「歯に着色しやすい食べ物ってあるの?」
鏡を見た時に、誰もが一度は自分の歯の色が気になったことがあるのではないでしょうか。
歯が黄ばむ原因は、食べ物などの外部からの影響によるものと、年齢や薬の影響などの内部からによるものがあります。
その原因によって歯を白くする方法も変わってくるので、原因に合った対策が必要です。
この記事では、歯の着色の原因と、着色を防ぐための対策について詳しく解説しています。
歯の黄ばみが気になっている方は参考にしてみてください。
歯の着色の原因
歯の着色は、様々な原因が考えられます。
外部から摂取した食べ物や飲み物などの影響による外因性のものと、加齢や薬の影響で内部から起こる内因性のものがあります。
①外因性のもの
色素の着色
色素の濃い食べ物や飲み物を摂取すると、歯の表面に色素が付着し着色しやすいです。
一般的な歯の黄ばみの原因は、この色素の着色であることが多いでしょう。
着色しやすい食べ物としては、カレー、ケチャップやトマトソースなどの料理、醤油、キムチ、ベリー系の果物などが挙げられます。
着色しやすい飲み物としては、コーヒー、紅茶、赤ワイン、お茶、コーラなどが挙げられます。
また、着色を助長する食品として、アルコール飲料、炭酸飲料、スポーツドリンク、柑橘類などがあります。これらは単体では着色を起こしませんが、お口の中を酸性にする作用があり、酸性になることで歯の表面を溶かします。その状態で色素の濃いものを合わせて摂取することで、着色しやすくなります。
以前、歯科検診に来院した子供の歯にオレンジ色の着色があり、保護者の方に尋ねたところ、野菜ジュースを良く飲むとのことでした。野菜ジュースは、お茶やコーヒーなどの着色しやすい代表的な飲み物ではないですが、酸性度も高く色も濃いので、毎日習慣化して摂取することで、着色しやすくなるのかと感じました。
また、タバコのヤニも着色しやすいものとして有名です。喫煙者の方は、ほぼ必ずと言って良いほど着色してしまいます。
詰め物の劣化
歯科治療の詰め物が劣化すると、変色し、黄ばんできます。
自費のセラミックの材料は変色することはありませんが、保険で使用されるレジンという材料は、歯科用のプラスチックで吸水性があるため、色素が染み込んで黄色っぽく変色してしまいます。
表面的な変色は研磨することで落とすことができますが、内部まで変色している場合は、詰め物をやりかえる必要があります。
虫歯
初期虫歯の場合、歯の表面が茶色っぽく変色してきます。
この段階でしっかり磨くことで、虫歯の進行自体を抑えることは可能です。しかし、虫歯の進行が抑えられても茶色くなってしまった部分が白く戻ることはないので、色がどうしても気になる場合は削って詰める必要があります。
②内因性のもの
加齢
年を重ねると、どうしても歯が黄ばんで見えてきます。これは、年齢とともに歯の内部にある象牙質の色が黄色くなるためです。それに加え、歯の表面のエナメル質が薄くなり、内部の象牙質が見えやすくなるので、より黄色く見えます。
この黄ばみは歯を磨いても落ちるものではないので、歯医者でのホワイトニングが効果的です。
抜髄
抜髄とは、歯の神経(歯髄)をとる治療のことです。
抜髄をすると、徐々に歯が黒ずんでしまいます。
これは歯の神経をとると、血液の循環がストップしてしまい、歯の内部に血液の
成分や変色したコラーゲンが残ってしまうためです。
この場合、白くするには「ウォーキングブリーチ」と呼ばれる歯の内部からのホワイトニングを行うか、上から白い被せ物をする方法があります。
抗生物質
テトラサイクリン系の抗生物質の影響で、歯が黄ばむことがあります。
歯が作られる時期(0〜12歳頃)にテトラサイクリン系の抗生物質を服用することで、副作用として歯が変色してしまうためです。
ホワイトニングの処置で白くすることが可能ですが、症状の度合いによっては均一に白くすることが難しい場合もあり、その場合は歯の表面にセラミックを貼り付ける「ラミネートベニア」という方法があります。
着色を防ぐための対策
①日常生活の注意
食事のバランス
前述した着色しやすい飲食物の摂取の頻度を控えめにすることで、着色しにくくなります。
また、着色しやすい飲食物以外にも、酸性度の高い食品の摂取を控えめにすることで、着色するリスクを減らすことができます。
ストローの使用
着色しやすい飲み物を飲む際に、ストローを使用することで、飲み物が直接歯に触れにくくなります。
食後のうがい
着色しやすい飲食物を摂取した後、すぐにうがいをしたり水を飲んだりすることで、色素が洗い流され着色しにくくなります。
②歯磨き
歯磨きのタイミング
毎食後の歯磨きを必ず行うようにしましょう。
酸性度の高いものを摂取した後は、すぐに歯を磨くことで歯の表面を傷つけてしまう可能性があります。炭酸飲料や柑橘類などの酸性度の高いものを摂取した後は、食後30分を待ってから歯磨きすると良いでしょう。
歯磨き粉
市販の歯磨き粉にはそれぞれ効能があり、着色を落とすことに特化したものもあります。
ホワイトニング効果を謳っている歯磨き粉には、着色を落とす成分が含まれている場合が多いです。
ポリリン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ハイドロキシアパタイトなどの成分が含まれているものは、歯の着色を落としたり、着色しにくくするのに効果的なため、購入の際にチェックしてみてください。
また、フッ素には歯の表面を修復し滑らかにする効果があるため、フッ素入りの歯磨き粉を選ぶことも着色しにくくするために役立ちます。
以前、私がクリーニングを担当していた患者様で、ある時から急に着色しやすくなった方がいらっしゃいました。どうやら歯磨き粉をジェルのものに変更した影響で、着色しやすくなってしまったようです。
ジェル状の歯磨き粉は、研磨剤が含まれていないものが多いです。歯を傷つけにくいという面では良いのですが、その患者様のように着色しやすくなって困ってしまう場合は、研磨剤の含まれている歯磨き粉を使用した方が良いでしょう。
③歯医者でのケア
プロフェッショナルクリーニング
日常的な歯磨きでは落としきれない着色は、歯医者のクリーニングで落とすことができます。
また、歯医者のクリーニングで歯の表面を滑らかにすることによって、新たな着色しにくくなります。
ホワイトニング
歯医者のクリーニングでは、歯の本来の白さよりも白くすることはできません。
しかし、ホワイトニングの処置を行うことによって、歯の本来の白さ以上に白くすることができます。
着色ではなく歯全体の黄ばみが気になっている方は、ホワイトニングがおすすめです。
とは言え、自分の歯の黄ばみが着色なのか、歯そのものが黄色くなっているのか、なかなか見極めるのは難しいと思います。
その場合は、まずは歯医者のクリーニングを受けてみて、それでも歯の黄ばみが気になるようであればホワイトニングを行うと良いでしょう。
「歯の色が気になるからホワイトニングをしたい」と来院された方でも、歯医者のクリーニングを受けて、ホワイトニングの処置をせずとも歯の本来の白さに満足される方も多いです。
まとめ
着色を絶対にしないようにすることは難しいですが、着色しやすいものの摂取を控えたり、毎日の少しの対策で着色しにくくすることは可能です。
また、歯医者での定期的なクリーニングを受けることで、着色を落とすことや、着色しにくい状態にすることができます。
虫歯や歯周病などの健康面だけでなく、歯の美しさを保つためにも定期的にプロのケアを取り入れましょう。
ドライマウスの原因は?治し方も紹介
日本橋の歯医者「日本橋グリーン歯科」デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
「最近口の中が乾燥する」
「もしかしてドライマウスかも?」
ドライマウスとは、お口の中が乾燥してしまう病気です。
ドライマウスになると、お口の中が乾燥する不快感だけでなく、乾燥によって細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病にもなりやすくなってしまいます。
また、お口の乾燥は口臭も引き起こします。
乾燥がもっとひどくなると、ヒリヒリと痛みを感じたり、喋りにくくなったり、口内炎や感染症のリスクも高まります。
私は以前シェーグレン症候群でドライマウスの方のメンテナンスを担当していたことがありますが、とても綺麗にセルフケアされているのに、歯ぐきから出血がしやすかったです。
お口の乾燥は、歯ぐきの炎症を引き起こしてしまいます。
このように、お口の乾燥を放っておくと、乾燥の症状以外にも様々な弊害があります。
ドライマウスは生理的なものや病気が原因の場合もありますが、生活習慣によって引き起こされている場合もあるので、生活習慣を改善することによって治る場合もあるのです。
この記事では、ドライマウスの原因と、治し方についても紹介しているので、お口の乾燥が気になる方は参考にしてみてください。
ドライマウスの原因
ドライマウスになるには、いくつか原因が考えられます。
また、一つの原因だけでなく、いくつかの要因が合わさって関係していることも多いです。
①生理的な原因
脱水
水分摂取が不足していると、ドライマウスの原因となってしまいます。
体の中の水分量が不足し、唾液腺から十分な唾液量が分泌されなくなることで起こります。
日常の水分摂取不足以外にも、発熱時や下痢・嘔吐の症状で起こる場合もあります。
加齢
年を重ねることによって、唾液腺の機能が低下したり萎縮し、唾液の分泌量が減ります。
さらに、長年にわたり歯を使ってきたことで、若い頃より歯の本数が少なくなっている方も多いです。歯が少なくなると、当然噛む力も減少してしまうため、唾液の分泌量の低下に繋がります。
また、女性は更年期の女性ホルモンの関係によっても、唾液の分泌量の減少が起こりやすいです。
このような理由などから唾液の量が減って乾燥し、ドライマウスの原因となってしまいます。
口呼吸
口呼吸を行っていると、お口の中が乾燥し、ドライマウスになりやすいです。
鼻炎などで鼻呼吸ができない方や、歯並びの関係でお口が閉じにくくなってしまっている方は注意が必要です。
②疾患からくるもの
病気によるもの
糖尿病や腎臓病、シェーグレン症候群などの全身疾患が原因で、お口の中が乾きやすくなることがあります。
薬・治療の副作用によるもの
高血圧やアレルギーの薬、抗ヒスタミン薬、抗うつ薬、抗不安薬など、様々な薬の副作用で唾液の分泌が抑制されてしまいます。治療で長期間に渡って服用していると、ドライマウスのリスクが上がってしまいます。
また、頭頸部への放射線治療によっても、唾液腺が影響を受けドライマウスの症状が起こることがあります。
③生活習慣によるもの
喫煙・飲酒
タバコのニコチンによる血管収縮や、粘膜への刺激、交感神経の影響などで、唾液の分泌が減少します。
アルコールには利尿作用があるため、過剰摂取することで、水分が減りドライマウスを引き起こす可能性があります。
ストレス
ストレスを感じると、自律神経の作用により唾液の分泌が減ってしまい、口が乾きやすくなります。
何か重要な面接時などに、緊張で口が乾いた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
一時的なストレスであればそこまで影響はないものの、日常的にストレスや緊張を感じやすい人はドライマウスになりやすいです。
食生活
食事をよく噛むことで、唾液の分泌は促進されます。
しかし、柔らかい食べ物や、あまり噛む必要がないものばかり食べていると、唾液の分泌される量が減少してしまいます。
特に現代の食生活では、ファーストフードなどの柔らかいものが増え、噛む回数が少なく済んでしまう食事が多いです。
会話の減少
現代は、メールやメッセージアプリ、SNSの普及などから、実際に会話する機会が減りつつあります。
また、新型コロナウイルスの影響で、リモートワークを行う方も増え、必然的に日常の会話が減ってしまっているのではないでしょうか。
会話が減ることで、お口の周りの筋肉を使わなくなり、唾液の分泌が減ってしまいます。
ドライマウスの治し方
生活習慣の影響を受けてドライマウスになってしまっている方は、ご自分の日常的な対策でドライマウスの症状を改善させることが可能です。
専門家の元でご自分がドライマウスになっている原因を調べ、ご自分の原因に合った対策をすることが大切です。
①原因療法
生活習慣の改善
日頃から水分摂取が足りてない方は、まずは水分をとることから始めましょう。
飲み物を飲んでいるつもりでも、カフェインやアルコールが含まれていると利尿作用が働いてしまうため、摂取する飲み物の種類にも注意が必要です。コーヒーや緑茶などは利尿作用があるので、水や麦茶で水分摂取をしましょう。
また、禁煙やストレスをためないようにすることも大切です。
口呼吸の改善
日頃から口呼吸になってしまっている方は、意識して鼻呼吸を心がけましょう。
歯並びの関係でどうしてもお口が閉じにくい方は、これを機に矯正治療を考えてみても良いかもしれません。
薬物の調整
ドライマウスの原因となっている薬がある場合、薬の量や種類の変更は可能か、医師に相談してみると良いでしょう。
②対処療法
保湿
薬局では、乾いたお口の中を潤すための口腔保湿剤が市販されています。ジェルタイプ、スプレータイプ、リンスタイプなど、様々なテクスチャーのものがあります。
ジェルタイプは長時間止まりやすく潤いが長続きしやすい、スプレータイプは即効性があり持ち運びもしやすい、リンスタイプはお口の中に満遍なく行き渡らせることができるなど、それぞれ利点があります。試してみてご自分で使いやすいものを選ぶと良いでしょう。
食事・生活の工夫
しっかりとよく噛んで食事をすることで、唾液腺が刺激されるため、唾液の分泌が良くなります。
なるべく歯ごたえのある食材を選んだり、一口30回を意識して噛むと良いでしょう。
また、ガムを噛むことも唾液腺の分泌に効果的です。
あまり水分をとる習慣がない方は、こまめな水分補給を意識して生活しましょう。
また、日頃から加湿器を使用しましょう。
私は部屋に湿度計を置いていますが、冬はかなり乾燥しやすく、加湿器を使用しないとすぐに30%を切ってしまいます。適切な湿度は40〜60%と言われているので、冬場は必ずと言って良いほど加湿器を使用した方が良いでしょう。
唾液分泌の促進
唾液腺マッサージを行うことで、唾液腺が刺激され、唾液の分泌が促進されます。
唾液腺は3つあるので、それぞれに対しマッサージを行うと良いでしょう。
耳下腺:耳の手前の頬部分を後ろから手前に向かって指で押します。
舌下腺:顎の下部分を指で押します。
顎下腺:顎の骨の内側部分を、骨に沿って5箇所ほど押します。
まとめ
以上のように、ドライマウスは様々な原因によって引き起こされます。
「もしかしてドライマウスかも?」と思う症状がある場合は、歯医者で相談をし、原因となっていることに対し適切な対策をすることが大切です。
また、すでにドライマウスになっている場合は、虫歯や歯周病などのお口のトラブルが起きやすい状態なので、歯医者で定期的なメンテナンスを受けましょう。
ドライマウスは、生活習慣が原因で起こることもあるので、高齢や病気の方だけでなく、若い健康な方も誰もが起こりうる病気です。
お口の乾燥が気になる場合は、生活習慣の見直しから始めてみましょう。
自分でできる?顎関節症の治し方
「顎が痛いので顎関節症かもしれない」
「歯医者に行く前に、すぐに自分でできる治し方はないかな?」
口を開ける際にカクカク音がなったり、痛みを感じることはありませんか?
もしかしたらその症状は顎関節症かもしれません。
顎関節症は、日常生活での姿勢やストレス、食いしばりなどのお口の癖が原因といわれています。
違和感があるのに、痛みがそれほどでもないので自己判断で大丈夫と思ってそのままにしたり、自分で治そうとするのは危険です。
顎関節症かなと思ったら、まずは歯医者の受診をおすすめします。
しかし、すぐに歯医者に行くことができなかったり、歯医者に行ったけどすぐに治るわけではなく日常的に症状が気になる場合もあると思います。
この記事では、顎関節症についてや、日頃から行えるセルフケアについて解説しています。
顎関節症が気になる人は、ぜひ参考にしてみてください。
Ⅰ 顎関節症とは
顎関節症とは、顎を動かした時に、顎の関節やその周辺の筋肉が何らかの原因により動かしにくくなったり、痛みのでる疾患です。
顎関節症の主な症状と、原因について解説します。
Ⅰ-1.顎関節症の症状
①口を開けると音がなる
口を開けたり閉めたりする時などに、「カクカク」と言った音や「ポキッ」という音がします。
この音は、顎関節のクッションとなっている関節円板と呼ばれる部分が、正常な位置からずれてしまっているため生じます。
痛みがなく、音だけ鳴る場合も多いです。放っておくと、ゆくゆく痛みに繋がる可能性もあるので、一度歯医者で相談してみると良いでしょう。
②口を開けると痛みがある
口を開けようとした時に、顎関節部分に痛みが生じます。
場合によっては、顎関節部分以外の頬やこめかみなどの広範囲に痛みが広がり、頭痛のように感じる人もいます。
顎を動かす際に痛みが出てしまうので、日常での会話や食事に影響が出てしまう場合があります。
③口が開けづらい
痛みが辛く、口が開けづらいといったこともありますが、痛みがなくても、関節円板のずれから顎関節の動きが制限され、口が開けにくくなることもあります。
Ⅰ-2.顎関節症の原因
①食いしばり
緊張している時や集中している時など、何かストレスを感じている時は食いしばりをしていることが多いです。食いしばりをすると、過度に顎関節に負担がかかり、顎関節症の原因となってしまうことがあります。
また、通常リラックスしている時には上下の歯の間が2〜3ミリ空いており、接触していないのですが、無意識に癖で上下の歯を接触させてしまっている場合もあります。そのような動作をしてしまっている場合は顎関節症の原因になりやすいです。
私も、仕事中などの集中している時に食いしばりとまではいかなくても、気がついたら上下の歯を接触させてしまっていることがあります。
作業中など何かに没頭している時に起こりやすいので、自分はやってしまっていないか気にかけてみてください。
②噛み癖
食事の際に、食べ物を左右どちらかで噛み続けるような片方ばかりで噛む癖があると、顎に負担がかかってしまい、顎関節症の原因となります。
バランスよく食事しているつもりでも、虫歯や歯周病で噛みにくい部位があるとそこを避けてしまいやすいので、気がつかないうちに負担がかかってしまうこともあります。
虫歯や歯周病の治療をしっかり完了しておくことも大切です。
③生活習慣
よく噛むことは良いことですが、硬いものばかりを食べ過ぎると顎を酷使してしまい、顎関節症を誘発する可能性もあります。
頬杖をついたり、うつ伏せ寝など、顎に負担のかかる姿勢も顎関節症の原因となることがあります。
また、ストレスを感じやすい生活をしている方は、食いしばりが起こりやすいので、顎に負担がかかりやすいでしょう。
Ⅱ 自分でできる顎関節症の治し方
違和感などの症状が出ている場合、自己判断でセルフケアだけで治そうとするのは危険です。
マッサージやストレッチを行うことで、組織を傷つけて余計に症状を悪化させることもあるので、マッサージやストレッチを行っても問題ないか歯医者で確認をした上で行いましょう。
歯医者に行く前でも、生活習慣の改善で顎関節症の症状が和らぐ可能性もあるので、当てはまる習慣があれば意識して正してみましょう。
Ⅱ-1.マッサージとストレッチでの治し方
①マッサージ
口を開けた時に痛みがある部分(こめかみや頬の筋肉など)に手のひらや、指2~3本の腹を当て、円を描くように優しくマッサージしましょう。
マッサージは、入浴中や入浴後に行うのがおすすめです。
顎に負担がかからないよう、力の入れ過ぎに気をつけましょう。
②ストレッチ
口の周りの筋肉をほぐすために、口をゆっくりと大きく開けたりしめたりを繰り返します。
こちらもマッサージと同じく、入浴中や入浴後などの筋肉が温まっている時に行うと効果的です。
Ⅱ-2.温めたり冷やしたりする治し方
①痛みが落ち着いている時
蒸しタオルなどで顎の関節周囲を温めることで、筋肉の緊張がほぐれたり、血の巡りがよくなることで痛みが和らぎます。
ただし、痛みが強くなってしまうようでしたら中止してください。
②痛みが強い時
急性の痛みがある時には、患部を冷やすことで痛みや腫れを軽くする効果が期待できます。
氷や保冷剤をタオルなどの布に包んで、痛みの出ている箇所を冷やしましょう。
Ⅱ-3.生活習慣での治し方
①痛みが強い時の食事
口や顎を動かしていなくても痛みがある時は、とにかく顎に負担をかけないように心がけてください。硬いものを食べてしまうと、顎関節や筋肉の負担が大きくなるため、柔らかい食事を中心にしましょう。
スープなどの汁物、おかゆ、うどんなどのやわらかい食べ物を食べましょう。果物・野菜など硬さのある食べ物は、食べやすいようになるべく小さめに切って調理しましょう。
日頃から硬いものばかりを食べている方は、気をつけましょう。
自分で硬いものと意識がなくても、食べている可能性もあります。
私は、硬いものを好んでいるわけではないのでその心配はしていませんでしたが、飴を舐めると必ず噛んで割ってしまう癖があることに、同僚の歯科衛生士さんとの何気ない会話で気がつきました。
そういった無意識の癖がないか今一度、確認してみましょう。
②姿勢の改善
日頃の姿勢を正し、頬杖などの習慣を改善しましょう。
うつ伏せや横向きに寝たりする癖がある方は、顎に負担がかかってしまう場合もあるので、注意して治すようにしてみましょう。
③お口の癖を正す
安静時に、上下の歯を接触させる癖がある場合は、意識して上下の歯を離すようにしましょう。
また、常に食いしばりや歯ぎしりなどの癖がある場合、顎をリラックスさせることを意識してください。
また、左右バランス良く噛むように意識することで、顎への偏った負担を軽減することができます。
私は以前、顎の運動を調べる研究のお手伝いで、左右の顎の筋肉の動きを測定したことがあります。
左右どちらが噛みやすいかなど考えたこともなかったのですが、測定してみると左の筋肉の発達が強く、左ばかりを使用していることがわかりました。
意識していなくても、偏った癖がある場合もあるので、一度食事の際に左右どちらかばかり使用していないか確認してみましょう。
④ストレス管理
ストレスを感じていると、食いしばりや歯ぎしりなどをしやすいので、ストレスを溜めないようにリラックスする時間を作りましょう。
ゆっくり読書をする時間を取ったり、シャワーだけで済ませずお風呂に浸かったり、お散歩などを日常に取り入れることがおすすめです。
Ⅲ まとめ
顎関節症を治すには、自己判断せずに、歯医者で正しい診断をしてもらうことが大切です。
しかし、日頃の姿勢や癖などの生活習慣を改善することで、顎関節症の症状を軽減させたり、再発リスクを減らすこともできるので、自分でできることから始めてみましょう。
適切なセルフケアと歯医者での治療を合わせて、健康的な状態を保ちましょう。
歯医者は歯を抜きたがる?抜歯のメリットデメリット
デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
「歯医者で抜歯を勧められたけど、本当に抜く必要があるの?」
「抜歯ばかり勧めてきて、本当は歯医者が歯を抜きたいだけでは?」
歯医者に通っていて抜歯を勧められると、不安でいっぱいになりますよね。
本当に抜くしかないのか、他に方法はないのか、後で後悔しないか、色々なことが頭をよぎると思います。
また、何回も抜歯を勧められたり、1本だけでなく数本の抜歯を提案されると、歯医者が歯を抜きたがっているのではないかと疑う気持ちも出てくるかもしれません。
ネットで調べると、「歯医者が自分の利益のために抜歯をする」という内容の記事もいくつか見かけますが、私は働いていく中で実際にそのような先生には出会ったことはありません。
私は今まで10年以上歯科の診療に携わってきて、抜歯を勧められた方を何名も見てきましたが、歯医者が抜歯を勧めるのには、やはりそれなりの理由があります。
この記事では、歯医者が抜歯を勧める理由と、抜歯のメリットデメリットを解説しています。
抜歯について後悔しない選択ができるように、セカンドオピニオンについてもまとめてみました。
歯医者で抜歯を勧められた際に納得のいく治療選択ができるよう、参考にしてみてください。
Ⅰ なぜ歯医者は歯を抜きたがるのか?その理由
歯医者が抜歯を勧める理由は様々です。
虫歯や歯周病が進んでいて保存が不可能であったり、歯自体に問題はなくても、歯並びや噛み合わせなどのお口の全体のバランスをみて抜歯を勧める場合もあります。
抜歯を勧める主な理由について、詳しく解説します。
Ⅰ-1.虫歯や歯周病の進行により、抜歯の必要がある
①虫歯から抜歯となる場合
虫歯が大きく進行し、歯ぐきの下の根の方まで進んでしまっていると、上に被せ物をつけることができないので治療ができず、抜歯の対象となります。
②歯周病から抜歯となる場合
歯周病が進行し、歯を支える周りの骨が溶けてしまった場合も、歯がグラグラになり、最終的には抜け落ちてしまいます。
③その他の原因で抜歯となる場合
外傷や何らかの原因で歯に負荷がかかり、歯が根っこの方まで割れてしまった場合も、割れたところから細菌が入り込み炎症を起こしてしまうため、抜歯の対象となります。
患者様とお話しをしていると、もう治療ができない歯とわかっていても「最終的にダメになるまで待ちたい」「自然に抜け落ちるまで様子を見たい」という方が多いように感じます。
状態の悪くなってしまった歯もご自分のお身体の一部なので、その気持ちは十分わかります。
しかし、このような状態の歯を無理に残しておくと、周囲の健康な歯に悪影響を及ぼす可能性があるため、基本的には抜歯を勧めることがほとんどです。
Ⅰ-2.歯並びや噛み合わせの問題による抜歯の提案
①歯並びによる影響
歯並びが悪いと、見た目の問題だけでなく、噛み合わせが悪くなってしまいます。
このような場合、矯正治療を行うことで歯並びを改善することができますが、歯を並べるスペースが足りないと、抜歯が必要になる場合があります。
これは全体の歯並びを整え、良好な噛み合わせを確立するために必要な処置です。
②噛み合わせによる影響
噛み合わせが悪くなると、顎関節症や肩こり、頭痛、顔の歪みなどを引き起こす原因となることがあります。
また、噛み合わせが悪く、噛みやすい場所ばかりを使用してしまうと、その場所ばかりに負担がかかり、歯の寿命が短くなってしまいます。
Ⅰ-3.歯医者の経験や考え方による判断の違い
①歯医者による判断の違い
歯医者の経験や専門分野、治療方針によって、抜歯の判断が違う場合があります。
そのため、「あっちの歯医者では抜歯が必要と言われたけど、こっちの歯医者では必要ないと言われた」ということが起こります。
診断に納得が行かない場合は、一つの歯医者だけでなく、複数の歯医者でセカンドオピニオンを受けることで、より客観的な判断を得ることができます。
②患者の状態による判断の違い
私は、以前学生時代に矯正治療を行いましたが、抜歯をせずに行うことができました。
しかし、私の姉は同じ歯医者に通っていましたが、矯正治療をするにあたって抜歯をしました。同じ歯医者でも、一人一人のお口の状態によって対応も変わってくるのだと感じました。
このように、抜歯の必要性はお口の中の状態が大きく関係しますが、歯医者によってはなるべく抜歯をせずにという考えで治療してくれる先生もいます。
Ⅱ 中には歯医者の都合で歯を抜きたがる場合もある!?
歯医者が歯を抜きたがる傾向があるという話は、患者様の間で広く認識されている問題です。
ネットで検索すると、「歯医者が歯を抜きたがる」という内容の記事もいくつか見かけます。
なぜそう言われてしまうのか、まとめてみました。
Ⅱ-1.インプラントやブリッジなどの自費の治療をしたい
①自費治療による利益
治療する場所や使用する材料にもよりますが、自費のブリッジは30万〜40万程度かかります。
また、ブリッジや入れ歯が嫌な人はインプラントしか選択肢がなくなります。インプラントは1本30〜50万程度の費用がかかるため、ブリッジもインプラントもどちらも高額な治療となります。
②適切な判断がされない
一部の歯医者では、インプラント治療などの高額な治療を勧めるために、抜歯を提案する場合もあるようです。
さすがにどんな歯医者でも、なんともない歯を抜歯するとは言わないと思いますが、治療の予後が悪そうな歯は早期に抜歯と判断されてしまうのかもしれません。
Ⅱ-2.治療後のトラブルを避けるため
①自費治療による利益
治療する場所や使用する材料にもよりますが、自費のブリッジは30万〜40万程度かかります。
また、ブリッジや入れ歯が嫌な人はインプラントしか選択肢がなくなります。インプラントは1本30〜50万程度の費用がかかるため、ブリッジもインプラントもどちらも高額な治療となります。
②適切な判断がされない
一部の歯医者では、インプラント治療などの高額な治療を勧めるために、抜歯を提案する場合もあるようです。
さすがにどんな歯医者でも、なんともない歯を抜歯するとは言わないと思いますが、治療の予後が悪そうな歯は早期に抜歯と判断されてしまうのかもしれません。
Ⅲ 抜歯のメリットとデメリットを解説
抜歯をすることでメリットもあれば、デメリットもあります。
ご自分の状況にとって、メリットが大きいのか、デメリットが大きいのか考える参考にしてみてください。
Ⅲ-1.抜歯のメリット
①自費治療による利益
治療する場所や使用する材料にもよりますが、自費のブリッジは30万〜40万程度かかります。
また、ブリッジや入れ歯が嫌な人はインプラントしか選択肢がなくなります。インプラントは1本30〜50万程度の費用がかかるため、ブリッジもインプラントもどちらも高額な治療となります。
②適切な判断がされない
一部の歯医者では、インプラント治療などの高額な治療を勧めるために、抜歯を提案する場合もあるようです。
さすがにどんな歯医者でも、なんともない歯を抜歯するとは言わないと思いますが、治療の予後が悪そうな歯は早期に抜歯と判断されてしまうのかもしれません。
Ⅲ-2.抜歯のデメリット
①お口の中への影響
歯を失うことで、噛む機能が低下する可能性があります。
抜歯後は歯磨きがしにくいので、歯垢が残りやすくなってしまうと、歯周病のリスクが高くなります。
しかし抜歯後に治療をせずに放置してしまうと、隣の歯が倒れ込んでしまったり、噛み合わせの歯が伸びてきてしまうため、歯並びが悪くなる場合があります。
そうなると、噛み合わせも合わなくなってくるため、顔の形に影響を与える可能性もあります。
②費用や時間への影響
抜歯後の治療には、追加でお金と時間がかかります。
前述した通り、抜歯後に放置してしまうと悪影響があるため、追加での治療が必要になってきます。
保険で治療をするにしても、自費で治療をするにしても、ある程度の費用はかかってしまうでしょう。
また、抜歯後のブリッジ、入れ歯、インプラントはどれも一回で終わる治療ではないことと、抜歯後の傷の治りを待ってから治療をする必要があるため、治療期間もその分長くなるでしょう。
Ⅳセカンドオピニオンを活用しよう!後悔しないための歯医者選び
Ⅳ-1.セカンドオピニオンを受けるメリット
①診断の確認ができる
抜歯を勧められて、納得できない場合はセカンドオピニオンを受けることをお勧めします。
別の歯医者の意見を聞くことで、より客観的な意見を聞くことができます。
セカンドオピニオンを受ける際は、現在の情報を正確に伝えることが大切です。
②治療の選択肢が増える
私は今まで何人もの歯医者と一緒に診療してきましたが、歯医者によって判断の基準や治療方針はそれぞれです。
誰がどうみても抜歯という判断の歯もありますが、そうではない場合、別の選択肢も広がるでしょう。疑問に思ったら他の意見も取り入れてみましょう。
Ⅳ-2.信頼できる歯医者の見分け方
①歯医者の人柄
患者様の話をよく聞き、丁寧な説明やカウンセリングを行ってくれる歯医者を選ぶことが大切です。
抜歯の理由や治療法について、十分な説明を受けましょう。
②歯医者の技術・設備
最新の治療技術や設備を導入している歯医者は、治療の選択肢が広がるので、より高度な治療を提供できます。
豊富な治療実績を持つ歯医者は、安心して治療を任せることができるので、ホームページなどから確認すると良いでしょう。
Ⅴまとめ
抜歯をするかどうかは、患者様のお口の状態や将来的な影響を考慮して、慎重に判断する必要があります。
担当医とよく相談し、納得のいく治療方針を選択することが大事です。