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歯周病のクリーニングの頻度はどのくらい?
デンタルニュース担当スタッフ、歯科衛生士の平野です。
「歯周病のクリーニングの頻度ってどのくらいが正しいのかな?」
「今の自分の頻度で合ってるのかな?」
歯科医院で定期的なクリーニングを受けている方は、3ヶ月に1回程度の頻度で通っていらっしゃる方も多いと思います。
私もクリーニングをする際、人にもよりますが、多くの方に3ヶ月ペースで来院してもらっています。
この記事では、どのような基準でクリーニングの頻度が決まるのかを解説します。
なぜ3ヶ月に1回なのか?
前述したように、歯科医院で定期的にクリーニングに通っている方は、「また3ヶ月後に来てくださいね〜」と言われたことがある方も多いのではないでしょうか?
なぜこの頻度で勧めるのか?その理由をお伝えします。
歯周ポケット内の細菌数の変化
歯周ポケット内の歯周病菌に関する研究結果によると、歯周ポケット内の細菌数はクリーニングをしてから3ヶ月で元の細菌数まで戻ってしまうと言われています。
これはいくら気をつけて綺麗に磨いても、歯周ポケット内で起こっていることなので防ぎようがありません。
とは言え、しっかりセルフケアができており綺麗なお口の状態を保てていれば、毎回きっちり3ヶ月でなくても大きな問題はありません。
大切なのは途中で通うことを辞めてしまわず、定期的にクリーニングを受けることです。
健康保険の算定が3ヶ月ごと
健康保険のクリーニングでは、保険点数が決められています。
基本的には歯周病のクリーニングの保険点数は3ヶ月に1回算定できるという決まりがあるので、多くの歯科医院では3ヶ月に1回の頻度でクリーニングを行っています。
恐らく、前述した歯周ポケット内の細菌数の変化などの理由で、この頻度が決められているのでしょう。
1〜2ヶ月で行う場合もある
クリーニングの頻度は、全員がそろって3ヶ月ごとというわけではありません。
ひとりひとり歯周病の程度も違うため、もっと短い頻度で来院するよう指示がある場合もあります。
どのような場合、短い頻度になるのかご紹介します。
重度の歯周病や全身疾患がある方
通常の歯石とりなどの歯周病治療を行っても状態が改善しない場合、歯周外科治療を行うことがあります。
そういった治療をされた方は、3ヶ月以内であってもクリーニングが必要な場合があります。
その他には、全身的な疾患の状態により歯周病の病状に大きく影響を与える場合 、 全身的な疾患の状態により歯周外科手術が実施できない場合、侵襲性歯周炎の場合も、1〜2ヶ月程度の短い頻度でのクリーニングが推奨されています。
口管強、自費クリーニングなどは月1も可能
口管強(こうかんきょう)とは、口腔管理体制強化加算の略で、歯科医院を評価する加算制度です。
患者さんの生涯にわたる口腔機能の管理を評価し、歯科疾患の重症化を予防することを目的としています。
口管強の認定を受けている歯科医院では、健康保険内の治療でも、歯周病のクリーニングの保険点数を1ヶ月に1回算定できるという決まりがあります。
しかし、口管強の認定を受けるには、厚生労働省が定めた基準を満たしていなければならないため、口管強の認定を受けている歯科医院は全国でわずか10%程度とも言われています。
当院では口菅強の認定を受けていますので、歯周病のクリーニングをより頻繁に受診することが可能です。
また、健康保険外の自費クリーニングであれば、保険点数などの縛りがないため、1〜2ヶ月程度の短い頻度でのクリーニングも可能です。
実際に来院される方のお口の状況は?
では、実際にクリーニングに来院される方のお口の中はどうなのか?
本当に3ヶ月の頻度でクリーニングが必要なくらい汚れているのか?
私の経験から解説します。
歯石のつきやすい方は3ヶ月程度でついてくる
患者さんひとりひとり、お口の中の環境やセルフケアの技術は違うので、歯石のつきやすい方は3ヶ月程度の期間でもしっかりついてきます。
日々のセルフケアをちゃんと行っている方でも、どうしても磨き方のクセはあるので、100%綺麗に磨けるわけではありません。
自分ではしっかり磨けたつもりでも、実は磨き残しや歯石がたくさん着いていた、というのはよくあることです。
さらに歯石は歯と同じような色をしており、なかなか見分けがつきません。
歯石の付きやすい位置は、下の前歯の裏側や、一番奥の歯だったりするので、肉眼で確認するのは難しいです。
歯科の実習生や新人のクリーニングで、歯石の取り残しがないか先生や先輩に確認してもらう、なんてこともあるので、素人目に見つけるのはかなり困難でしょう。
また、着色に関しても、付きやすさに個人差があるので、中にはクリーニング後1ヶ月程度でも着色が付いてしまう方もいます。
3ヶ月すぎても綺麗な人もいる
クリーニング後、3ヶ月経っても歯石がほぼ見当たらないくらい綺麗な方もいます。
このような方は、磨き残しの染め出しなどを行っても、100%ではありませんが、ほとんど綺麗に磨けています。
私はこのような方には、きっちり3ヶ月でなくてもご自分の都合に合わせての来院で大丈夫ですよ、とお話ししていますが、このような方は歯に対する意識も高いため、自らすすんで3ヶ月の頻度でクリーニングに来てくださる方が多い印象です。
まとめ
歯石の付き具合、歯周病の進行具合は、患者さんひとりひとりの環境によって大きく変わってくるので、個人差があります。
そのため、クリーニングの頻度が3ヶ月ごとの方も居れば、1〜2ヶ月ごとの頻度を勧める方も居ます。
なぜ自分がこの頻度なのか疑問に思ったら、検査の結果などをしっかり聞いて、自分のお口の状態を把握しましょう。
仕事やプライベートが忙しく勧められた頻度で通うことが難しかったり、1度行かなくなって行きづらいという場合もあるとは思いますが、歯周病は自覚症状がわかりにくく、気がつかないうちに進んでしまう病気です。
見た感じ綺麗だから、自分は気をつけているから、などと自己判断せずに、定期的にクリーニングを受診しましょう。
歯周病の初期症状とは?原因と予防法も解説
歯磨きの時に血が出るけど、まさか歯周病…?と思ったことはありませんか?
実は、歯ぐきの出血は歯周病の初期症状のひとつかもしれません。
放っておくと歯を失う可能性も。
この記事では、歯周病の初期症状を詳しく解説し、原因や予防方法についてもご紹介します。
歯周病が気になる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
歯周病の初期症状とは?
歯周病は、歯を支えている骨を溶かしてしまう恐ろしい病気です。
しかし、初期段階では自覚症状がほとんどなく、気がつかないうちに進行してしまうことが多いため、早期発見・早期治療が大切です。
ここでは、代表的な初期症状を5つご紹介します。
①歯ぐきの出血
歯周病の初期段階では、歯磨きや食事のときに歯ぐきから出血する症状がよく見られます。
歯周病の細菌によって歯ぐきに炎症が起き、血管が破れて出血しやすくなるためです。
最初は少量の出血ですが、進行すると出血量が増えたり、長期間続くようになります。
歯周病以外にも、歯ブラシの当て方が強すぎると歯ぐきから出血することもありますが、出血が頻繁に起こる場合は、歯周病の可能性を疑い歯科医院を受診しましょう。
②歯ぐきの腫れ
歯ぐきが赤く腫れ上がり、触ると痛みを感じる場合があります。
これは、歯周病菌による炎症が原因です。
歯ぐきの腫れだけでなく、熱を感じることもあります。
③口臭
歯周病菌が作り出す揮発性硫黄化合物と呼ばれるガスが、口臭の原因となっています。
一般的には、腐った卵や腐った玉ねぎ、生ごみのような臭いがすると言われています。
歯周病以外の原因で口臭がする場合もありますが、歯磨きをしても口臭が消えない、起床時に口の中がネバネバする、などの症状が見られる場合は歯周病の可能性が高いです。
④歯が浮く
歯がグラグラするような感覚は、歯周病の代表的な症状です。
歯周病が進行すると歯を支えている骨が溶けてしまい、歯がグラグラする、噛み合わせが変わった、などの症状が現れます。
⑤歯と歯の間の隙間があく
歯と歯の間が以前よりも開いてきたように感じる場合は、歯周病が原因の可能性があります。
歯周病によって歯を支えている骨が溶けると、歯と歯の間が広がり、隙間ができてしまいます。
また、歯が長くなったように見えることもあります。
歯周病の原因
歯周病は、単に歯を磨かないことが原因で起こる病気ではありません。
様々な要因が複雑に絡み合って発生します。
主な原因として、以下の3点が挙げられます。
①歯垢と歯石
歯の表面に付着した細菌とその代謝物が混ざり合ったものが歯垢(プラーク)です。
この歯垢がかたまると、歯ブラシでは除去できない歯石となります。
歯石は細菌の温床となり、歯周病を引き起こす主な原因の一つです。
歯石に付着した細菌は、歯周組織を破壊する毒素を出し、歯周病を悪化させます。
②細菌
歯垢の中には、歯周病の原因となる細菌がいます。
これらの細菌は、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯ぐきの間に入り込み、炎症を起こします。
③生活習慣
ストレス、喫煙、糖尿病などの生活習慣も、歯周病に大きく影響を与えます。
ストレスは免疫力を低下させ、喫煙は血管を収縮させて歯周組織への血流を悪化させます。
また、糖尿病は、細菌の感染に対して抵抗力を弱めるため、歯周病を悪化させるリスクがあります。
歯周病の予防方法
①正しい歯磨き
歯周病の予防の基本は、毎日の丁寧な歯磨きです。
歯ブラシを使って、歯の表面だけでなく、歯と歯の間、歯と歯肉の境目も丁寧に磨くことが大切です。
また、歯ブラシの選び方や磨き方、デンタルフロスや歯間ブラシなどの清掃用具の使用によって、歯垢の除去率は大きく変わります。
歯科医院で正しい歯磨き方法を教わることがおすすめです。
②定期的な歯科検診
ご自身での歯みがきでは、どうしても磨き残しが出てしまうものです。
そのため、定期的に歯科検診を受け、歯石の除去や歯周病のチェックを行いましょう。
歯科衛生士によるプロフェッショナルクリーニングを受けることで、歯周病を予防し、健康なお口を維持することができます。
一般的には、3ヶ月〜6ヶ月に一度の歯科検診がおすすめです。
③食生活の改善
食生活も歯周病に影響を与えます。
特に、甘いものを頻繁に摂取すると、口の中の細菌が繁殖しやすくなり、歯周病のリスクが高まります。
そのため、糖質の摂取量を控え、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。
まとめ
歯周病は、早期発見・早期治療が大切です。
歯周病は、自覚症状がほとんどないうちに進行することが多いですが、早期に治療を開始すれば、歯を失わずに済む可能性が高まります。
歯に違和感を感じたり、出血するなど、少しでも気になる症状がある場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
日頃から正しい口腔ケアを行い、定期的な歯科検診を受けることも歯周病予防に繋がります。
どうして虫歯ができるの?
虫歯の原因菌
歯を磨いているのに、どうして虫歯ができてしまうのでしょうか?
人によっては虫歯が一本もないという人もいます。
その差は、お口の中に虫歯菌がいるかいないかの違いによります。
人間の口の中には数百種類の菌がいると言われています。
この菌の中で、むし歯を作る原因菌として最も病原性が高いものがストレプト・コッカス・ミュータンス菌という菌です。
下の写真がこの菌です。う~んなんだか気持ち悪いですね。
ミュータンス菌は甘いものが大好きで、食べ物に含まれる糖を食べて歯の表面にプラーク(歯垢)という白っぽいねばねばした物を出します。
プラークには沢山の菌が住み付いたマンションのようなもの。なんと1mg中に1億個ほどまでに増殖するのです。
そして、このプラークが形成されてから24~48時間で、ミュータンス菌などのむし歯菌が、食べ物に含まれる糖質によって酸を作り出します。
この酸が歯の表面のエナメル質を溶かしてしまい、むし歯ができるのです。
どのように進行するの?
むし歯は感染症ですので、放置しているとどんどん進行していきます。
むし歯の進行度はCo~C4などという言葉で表します。
C1までは自覚症状はありません。
早いうちに見つけて治療することが大切です。
Co:カリエスオブザベーションの略。エナメル質が白濁しまだ穴もあいていない状態。
C1:むし歯がエナメル質まで留まっているもの。(ほとんど無症状)
C2:象牙質まですすんだもの。(歯がしみる。冷温水痛など)
C3:歯髄(歯の神経)まで及んだもの。(ズキズキと痛む)
C4:歯の頭の部分(歯冠部)が崩壊して、根だけが残った状態。(もう痛みはない)
むし歯にならない為にはどうすればいい??
むし歯ができるにはこの様な式が考えられます。
このどれか一つでもなければ、むし歯にはならないということです。
①歯+②糖質+③むし歯菌+④時間=むし歯の発生
むし歯予防にとって最も大切なのは、適正な方法のハミガキをして、むし歯の原因になるプラークを取り除くことです。
しかし、自分での歯磨きは、どんなに丁寧に磨いても30%程度の歯垢は残ってしまうと言われています。
また、歯石になると自分では取り除くことができません。
定期的に歯科医院に行き、歯科衛生士さんに専用の器具を使って歯垢と歯石を除去してもらいましょう。
歯周病と虫歯の違い
歯周病と虫歯、何が違うの?
歯周病と虫歯は、どちらもお口の中の細菌が原因で起こる病気ですが、それぞれ違う細菌が原因となっており、病気にかかる場所も大きく異なります。
虫歯は、歯の表面から内部に向かって進行し、歯自体を溶かしてしまう病気です。
一方、歯周病は、歯を支えている歯ぐきや骨が、歯周病菌によって破壊されてしまう病気です。
虫歯は比較的短期間で進行することが多いですが、歯周病はゆっくりと進行し、気づきにくいことがあります。
歯周病の原因と症状
歯周病は、歯垢(プラーク)の中にいる歯周病菌が、歯ぐきに炎症を起こし、徐々に骨を溶かしてしまうことで進行します。
初期の歯周病は、自覚症状がほとんどないことが特徴ですが、歯ぐきが赤くなったり、腫れたり、出血しやすくなったりすることがあります。
進行すると、歯がぐらついたり、膿が出たり、口臭が気になったりすることもあります。
また、歯周病は、心疾患、糖尿病、呼吸器疾患など、全身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
虫歯の原因と症状
虫歯は、口の中にいる虫歯菌が、歯に付着した食べカスを分解して酸を作り出し、歯の表面を溶かしてしまうことで発生します。
初期の虫歯は、痛みを感じないことが多いですが、進行すると冷たいものがしみるようになったり、穴が開いたりします。
甘いものを頻繁に摂取したり、歯磨きが不十分だったりすると、虫歯になりやすくなります。
歯周病と虫歯の予防法
歯周病と虫歯の予防には、丁寧な歯磨きが最も大切です。
歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスを使用しましょう。
歯ブラシでは届かない歯と歯の間をしっかり清掃することができます。
歯磨き粉には、フッ素が含まれているものを選ぶと、歯の表面を強化し虫歯予防に役立ちます。
また、定期的なメンテナンスを受けることで、早期発見・早期治療に繋がります。
歯科医院のメンテナンスでは、歯石除去やフッ素塗布などの専門的なケアの他、ひとりひとりに合った正しい歯磨きの方法の指導を受けることができます。
歯周病と虫歯、どちらが怖い?
虫歯は進行すると痛みがあるため、怖いイメージがありますが、歯を失う原因の1位は歯周病と言われています。
歯周病も虫歯も、放置しておくと歯を失う可能性があります。
しかし、歯周病は、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
歯周病は、心臓病、糖尿病、肺炎などのリスクを高めることがわかっています。
歯周病と虫歯の治療法
歯周病や虫歯の治療法は、進行の度合いによって異なります。
初期の歯周病であれば、歯石除去などの非外科的な治療で改善できる場合がありますが、進行した歯周病の場合は、外科的な治療が必要となることもあります。
虫歯の場合は、初期であれば虫歯の部分を削って詰め物をする治療で済むことがありますが、進行した虫歯の場合は、根管治療や抜歯が必要になることもあります。
歯周病と虫歯を予防するための生活習慣
歯周病や虫歯を予防するためには、日々の生活習慣の見直しも大切です。
食事では、糖質の摂り過ぎに注意し、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。特に、甘いものを頻繁に食べる習慣のある方は、注意が必要です。
喫煙は、歯周病を悪化させるだけでなく、口腔内の免疫力を低下させ、治癒を遅らせる原因となります。歯周病が気になる方は、これを機に禁煙しましょう。
口腔環境としては、口呼吸や口が開きっぱなしの状態は、お口の中を乾燥させ、細菌が繁殖しやすい環境を作ります。口を閉じて鼻呼吸を意識しましょう。
また、ストレスは免疫力を低下させ、歯周病を悪化させる原因に繋がります。
ストレス解消のための工夫を心がけましょう。
まとめ
歯周病と虫歯は、どちらも口の中の細菌が原因で起こる病気ですが、病気にかかる場所や、症状、治療法が異なります。
どちらも放置すると歯を失う可能性がある怖い病気です。
しかし、予防と治療を適切に行うことで、健康な歯を保つことができます。
歯周病も虫歯も早期発見・早期治療が大切です。
日頃から丁寧な口腔ケアを心がけ、定期的に歯科医院を受診しましょう。
虫歯の初期症状とは?
歯に違和感がある場合「虫歯になったかも…」「虫歯の初期症状ってどんなの?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
初期の虫歯は、自覚症状がほとんどなく、気がつかないうちに進行してしまうことがあります。
しかし、初期の段階であれば比較的簡単な治療で済む可能性も高いため、早期発見が重要です。
この記事では、初期の虫歯を自分で見つけるための特徴を詳しくご紹介します。
初期の虫歯の特徴とは?
1. 歯の白濁、茶色や黒色のシミは要注意!
健康な歯は、表面がツルツルとしていて光沢があり、乳白色をしています。しかし、初期虫歯になると、歯の表面が白く濁ったり、茶色や黒色のシミができたりすることがあります。
これは、虫歯菌が作り出す酸が、歯の表面のエナメル質を溶かし、歯の内部の象牙質が透けて見えるようになるからです。
特に歯と歯の間や、歯と歯ぐきの境目は汚れが溜まりやすく、虫歯になりやすい部分なので、注意深く観察してみましょう。
2. 歯の表面のツルツル感がなくなり、ザラザラしている
初期の虫歯は、歯の表面の質感にも変化が現れます。
健康な歯は表面がツルツルしていますが、虫歯になると、エナメル質が溶
かされて表面が粗くなり、ザラザラとした感触になります。
舌で歯の表面を触ってみて、いつもと違う感触があれば、虫歯のサインかもしれません。
3. 冷たいものや甘いものがしみる
冷たい飲み物やアイスクリームを食べた時、甘いものを口に入れた時に、歯がしみる感覚がある場合、虫歯になっている可能性があります。
これは、虫歯によってエナメル質が薄くなったり、象牙質が露出したりすることで、外からの刺激が歯の神経に伝わりやすくなるためです。
知覚過敏でも同じような症状が現れますが、虫歯の場合は、しみる症状が特定の歯に集中していることが多いのに対し、知覚過敏は複数の歯に症状が現れることが多いという特徴があります。
4. デンタルフロスが引っかかる
肉眼ではわかりにくい場合もありますが、歯と歯の間が虫歯になっている場合は、デンタルフロスが引っ掛かりやすくなります。
これは歯の表面がザラザラになったり、表面に小さな穴があくためです。
デンタルフロスを通した際に毎回同じところが引っかかりやすい場合は、歯科医院で相談してみましょう。
5. 口臭が気になる
虫歯菌は、お口の中に残った食べ物のカスを分解する際に、臭いのあるガスを発生させます。このガスが口臭の原因となります。
初期虫歯の段階では、まだ強い口臭はしないかもしれませんが、歯磨き後も口臭が気になる場合は、虫歯の可能性も考えられます。
初期虫歯ってどんな状態?
虫歯菌が口の中に残った糖分を分解して酸を作り出し、歯の表面のエナメル質が溶かされることで、虫歯が形成されます。
初期虫歯とは、虫歯の進行段階のうち最も初期の段階のことを言います。歯科医院ではC0と呼ばれ、エナメル質の表面が溶け始めた状態です。自覚症状がほとんどないため、気がつかずに放置してしまうケースも少なくありません。
しかし、初期虫歯を放置すると、虫歯は徐々に進行し、エナメル質の内側にある象牙質や、さらにその奥にある歯髄と呼ばれる歯の神経にまで達してしまいます。
こうなると、激しい痛みや腫れなどの症状が現れ、治療にも時間がかかってしまいます。
まとめ:毎日の歯磨き習慣を見直そう!
初期虫歯を予防するために最も大切なのは、毎日のセルフケアを見直し、虫歯の原因となるプラーク(歯垢)をしっかりと除去することです。
また、日々のケアをしっかり行うことで、ご自身の歯の異変にも気がつきやすくなります。
「もしかして虫歯かも…」と思ったら、自己判断せずに早めに歯科医院を受診しましょう。
虫歯を放置するとどうなる?歯医者に行くべきサイン3つ
「虫歯を放置しておくと、一体どうなるんだろう?歯が痛くなるのは当たり前だけど、他に何か怖いことってあるのかな?」そう思う方もいるかもしれません。
実は虫歯を放置すると、歯の痛みだけでなく、思わぬ健康被害をもたらす可能性があります。
この記事では、虫歯を放置することによる具体的なリスクや、歯医者に行くべきサイン3つをご紹介します。
虫歯放置がもたらす恐ろしい影響
虫歯を放置すると、歯が痛むだけでなく、健康全体に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
歯の痛みを我慢してしまい、歯科医院への受診を後回しにしてしまう方もいるかもしれません。
しかし、虫歯は放置すればするほど治療が複雑になり、費用も高額になることが多いです。
また、治療が複雑化することで、最終的には歯を失ってしまう可能性も高まります。
ここでは、虫歯を放置することによって起こる恐ろしい影響について詳しく解説していきます。
1.激しい痛みと、歯の神経の壊死
虫歯が進行すると、歯の神経に達します。
この段階になると、熱いものや冷たいもの、甘いものなどがしみるだけでなく、ズキズキとした激しい痛みを感じるようになります。
痛みを我慢していると、神経は炎症を起こし、最終的には死んでしまいます。
神経が死んでしまうと痛みは治まりますが、神経を失った歯は脆くなり、将来的に破折のリスクも高まります。
2.強い口臭
虫歯によって、大量の細菌がお口の中に繁殖します。
これらの細菌は、食べカスを分解する際に悪臭を発生させます。また、歯の神経が腐ったり、歯の根の先に膿がたまったりすることでも、口臭の原因となります。
3.歯がボロボロになる
虫歯は、歯の組織を溶かして穴を開けます。
この穴が大きくなると、歯が割れたり、欠けたりしやすくなります。
4. 治療期間が長く複雑になる
虫歯が進行するにつれて、治療の期間も長くなります。
初期の虫歯であれば、歯を削る量も少なく、詰め物をするだけの治療で済むことが多いですが、神経まで達してしまうと、根管治療と呼ばれる複雑な治療が必要になることがあります。
根管治療は、歯の根の中にある神経を取り除く治療法で、治療期間が長くかかります。
5.抜歯の可能性がある
虫歯を放置し続けると、歯が根元から折れてしまい、歯を抜かざるを得ないケースも少なくありません。
インプラントやブリッジなどの治療によって、失われた歯を補うことは可能ですが、これらの治療は高額な費用がかかることがあります。
6.虫歯菌が全身へ広がる
虫歯菌は、血液に乗って全身に広がる可能性があります。
これが菌血症と呼ばれる状態です。菌血症になると、心内膜炎や脳への感染などを引き起こす可能性があります。
歯医者に行くべきサイン3つ
虫歯は、初期の段階では自覚症状がないこともありますが、進行するにつれて様々な症状が現れます。
そのうちの代表的なサインを3つご紹介します。
1.歯の痛み
虫歯が神経に達すると、ズキズキとした激しい痛みを感じることがあります。
甘いものや冷たいものがしみる、熱いものがしみるといった症状も、虫歯のサインです。
2.歯の色や形の変化
虫歯になると歯が白く濁ったり、茶色や黒に変色したりすることがあります。これは、虫歯菌によって歯が溶け、変色しているためです。
また、虫歯が進行すると、歯に穴が開きます。初期の段階では小さな穴ですが、進行すると大きな穴になり、食べ物が詰まりやすくなります。
3.口臭
虫歯であいた穴に食べ物が詰まると、そこに細菌が繁殖します。
細菌は食べ物を分解する際に、悪臭を放つ物質を作り出すため、口臭の原因となります。
虫歯がさらに進行し、歯の神経にまで達すると、神経が死んで腐ってしまいます。
この腐った神経組織から、強い悪臭がします。特に、ゆで卵の腐ったような臭いが特徴的です。
まとめ:虫歯は早期発見・早期治療が大切
ここまで、虫歯を放置することによる様々なリスクについて解説してきました。
虫歯は、初期の段階では自覚症状がないことが多く、気がついた時にはかなり進行しているケースも少なくありません。
しかし、早期に発見し、適切な治療を受けることで、治療の期間や費用を抑えることができます。
歯の痛み、歯の色や形の変化、口臭などの症状を感じたら、早めに歯科医院を受診しましょう。
また、日頃から正しい歯磨き習慣を身につけ定期的な歯科検診を受けることで、虫歯を予防し、健康な歯を長く保つことができます。
歯磨き粉の正しい量はどのくらい?
毎日のブラッシング時にほとんどの方が使用している歯磨き粉。歯磨き粉を使用することで、歯垢(プラーク)を落としやすくする効果があります。
みなさんは正しい歯磨き粉の使用量についてご存知でしょうか?
昔と比べ、歯磨き粉に含まれるフッ素量の変化などから、適切な歯磨き粉の量も変わってきています。
この記事では年齢別に適切な歯磨き粉の量と、歯磨き粉の選び方について解説します。
◾️歯が生えてから2歳まで
この時期の歯磨き粉の適切な量は、フッ化物が900〜1000ppm配合されている歯磨き粉を米粒(1〜2mm)程度です。
歯が生え始めたら赤ちゃん用の歯ブラシと歯磨き粉を使用し、就寝前を含めて1日2回の歯磨きを行いましょう。
歯磨き粉を大人の方と同じ感覚でつけてしまうと、つけ過ぎになってしまいます。
必要量はごく少量のため、つけすぎないよう注意しましょう。
また、誤飲を防ぐためにも、歯磨き粉は子どもの手が届かないところで保管しましょう。
◾️3〜5歳
この時期の歯磨き粉の適切な量は、フッ化物が900〜1000ppm配合されている歯磨き粉をグリーンピース(5mm)程度です。
この時期は乳歯が全て生え揃い、子供が歯ブラシを持って「自分みがき」を始める時期です。まだ上手に歯磨きができない時期なので、仕上げ磨きをしてあげましょう。
仕上げ磨きは永久歯が生え揃う10〜12歳ぐらいまで行うのが理想です。
子どもが歯磨き粉の量を適切につけられない場合は、保護者の方がつけてあげましょう。
◾️6歳〜成人
永久歯が生えてくる6歳以上からは歯磨き粉の適切な量は、フッ化物が1400〜1500ppm配合されている歯磨き粉を歯ブラシ全体(1.5〜2cm程度)となっています。
フッ素の効果を得るためにも、うがいは少量の水で1回のみ行うことが推奨されています。
泡立ちのいい歯磨き粉を使用すると、しっかり磨けていないのにゆすぎたくなってしまったり、何回もうがいをしたくなってしまうことがあります。
歯磨き粉は泡立ちにくい低発泡のものを使用しましょう。
歯磨き粉の選び方は?
歯磨き粉は、中に含まれている薬用成分によって効果が異なります。
ご自身のお悩みに合った薬用成分が配合されているものを選びましょう。
虫歯の予防
虫歯の予防には、フッ素が配合されている歯磨き粉を選びましょう。
フッ素には、歯を丈夫にする、虫歯菌の繁殖を抑える、初期の虫歯を改善する、という3つの効果があります。
歯周病予防
歯周病の予防には、殺菌効果のあるIPMP(イソプロピルメチルフェノール)、CPC(塩化セチルピリジニウム)が配合されている歯磨き粉を選びましょう。
知覚過敏対策
知覚過敏の症状がある方は、硝酸カリウム、乳酸アルミニウムが配合されている歯磨き粉を選びましょう。
硝酸カリウムは、歯の神経へ刺激が伝わることをブロックして、痛みの伝達を防いでくれます。
乳酸アルミニウムは、象牙細管と呼ばれる歯の神経に繋がる小さな穴を封鎖して歯がしみるのを防ぎます。
歯を白くしたい
歯の表面に着色汚れなどがついてしまい白くしたい場合は、TTP(ポリリン酸ナトリウム)が配合されている歯磨き粉がおすすめです。
TTP(ポリリン酸ナトリウム)には、歯の汚れを分解して除去する効果があります。また、汚れの再付着を予防する効果もあります。
まとめ
歯磨き粉の量は、たくさんつけたからと言って効果が大きいというわけではなく、年齢に適した量を使用する必要があります。
たくさんつけすぎることによって、しっかりと磨けた気分になってしまい磨き残しが残りやすくなってしまいます。
また、歯磨き粉は使用することによって歯垢(プラーク)を落としやすくなりますが、ご自身のお悩みに適した薬用成分が含まれている歯磨き粉を選ぶことによって、より効果的に使用することができます。
ぜひ歯磨き粉を使用する際の参考にしてみてください。
※4学会合同のフッ化物配合⻭磨剤の推奨される利⽤⽅法【普及版】
(参考:2024-10-7)
歯のセラミックって?歯科医がおすすめする理由
歯科医院で虫歯治療をする際に、一昔前は金属を詰める治療が一般的でしたが、現在はセラミックを選ぶ方が増えてきています。
みなさんも今までに歯科医院でセラミック治療を勧められたことがあるのではないでしょうか?
セラミック治療にはたくさんのメリットがあります。
この記事では歯科医がセラミックをおすすめする理由について解説します。
セラミックをおすすめする理由
①自然で美しい歯にすることができる
セラミックは天然の歯のような色味、透明感、光沢感を再現できます。
ご自分の周囲の歯に合わせて色味を調節することができるので、どの歯を治療したかわからないほど周囲になじみ、綺麗な仕上がりになります。
また、綺麗に仕上がることで口元に自信が持てるので、食事や会話をストレスなく楽しむことができます。
②耐久性が高い
保険診療で使われるプラスチックの材料の場合は、吸収性があり数年使用していると変色してしまうリスクがありますが、セラミックは長期間使用しても変色の心配がありません。
また、硬い材料を使用しているため耐久性が高く、綺麗な状態のまま長く使用することができます。
③虫歯が再発しにくい
虫歯は、詰め物や接着の材料が経年劣化し、歯と詰め物の間に隙間ができ細菌が入り込むことによって再発します。
セラミックは歯にピッタリとフィットし強固な接着ができるため、歯とセラミックの間に隙間ができにくいという特徴があります。
また、劣化しにくく金属のような変形が起こらない素材のため、虫歯が再発するリスクを抑えることができます。
④金属アレルギーが発症するリスクがない
金属が長期間お口の中にあると金属イオンが溶け出し、体の中に蓄積されます。
そのため、ある日突然金属アレルギーを発症するというリスクがあります。
また、溶け出した金属により歯ぐきが黒ずむことがあります。
その点、セラミックは陶器であるため、金属を使用していません。
身体に優しく、歯ぐきが黒ずむ心配もありません。
⑤細菌が付着しにくい
セラミックは表面がツルツルしていて、汚れがつきにくくなっています。
また、硬い材料のため表面に傷がつきにくく、細菌が付着しにくいという特徴があります。
細菌が付着しにくいことで、虫歯や歯周病を予防する効果が期待できます。
セラミックのデメリットは?
前述の通りセラミック治療にはメリットがたくさんありますが、デメリットもゼロではありません。
セラミック治療で起こり得るデメリットを紹介していきます。
①健康保険が使えない
セラミック治療は健康保険が使えないため、保険適用の治療と比べるとどうしても費用が高額になってしまいます。
セラミックの種類によっても料金が変わってくるので、治療前に確認しておきましょう。
②割れることがある
セラミックは耐久性があり硬い材料ですが、強い力がかかることで割れる場合があります。
奥歯など、強い力がかかる部位の場合は、セラミックの中でもより丈夫なジルコニアがおすすめです。
③一生物ではない
セラミックが割れる可能性や、治療したところが虫歯や歯周病になってしまい、再治療しなければならない場合もあります。
そのようにならないよう、一度治療したら終わりではなく、その後のセルフケアやメンテナンスもしっかりと行いましょう。
まとめ
歯科医院でセラミックがおすすめされる理由は、見た目が綺麗だからだけでなく、長く使用でき、お口の中の健康を保つことに適しているからです。
しかし、セラミックが金属や歯科用プラスチックに比べて虫歯や歯周病になりにくいと言っても、毎日のケアを怠っていれば虫歯や歯周病になる可能性も十分あります。
セラミックを長持ちさせるためには、歯科医院のメンテナンスや毎日のセルフケアにしっかり取り組むことが大切です。
歯の神経を抜くとどうなるの?
歯科医院で「歯の神経を抜く」という言葉を耳にしたことがある方は多いと思います。
歯科の治療で「歯の神経」と言われているものは、一般的に「歯髄」のことを言います。
歯の神経は、歯に栄養を運んだり、歯の異変を知らせる役割をしています。
では実際に歯の神経を抜くとどうなってしまうのでしょうか?
歯の神経を抜いた後に起こる症状と、歯の神経を抜く必要がある症状について解説します。
歯の神経を抜いた後に起こる症状とは?
①感覚がなくなる
歯の神経があることによって、歯に異変が生じた際に、痛みや刺激を感じるようになっています。
そのため歯の神経を抜くと、痛みを感じなくなります。
一見メリットのように感じますが、痛みがなくなってしまうことで、虫歯などのトラブルが起きた時に気付きにくくなってしまいます。
②歯が脆くなる
歯の神経には血管が入っており、歯に栄養を供給しています。歯の神経がなくなると、歯に栄養が行かなくなり脆くなります。
神経のある健康な歯と比べて、割れたり、折れる可能性も高くなるため、被せ物で保護する必要があります。
③歯が変色する
神経を抜いた後の歯は、時間の経過とともに黒く変色していきます。
神経を抜くことで、歯の内部への血液の循環がなくなり、残っている血液の成分や、古いコラーゲンが代謝されず、そのままになってしまうためです。
内部から変色してしまった歯は、ブラッシングや表面のホワイトニングでは白く戻すことはできません。
白く戻すためには、内部からのホワイトニング(ウォーキングブリーチ)や被せ物で対応する必要があります。
歯の神経を抜く必要がある症状とは?
①歯髄炎が起きている
歯髄炎とは、歯髄が炎症を起こして痛みが出ている状態です。
虫歯の細菌によって感染したり、噛み合わせが高い被せ物が当たる刺激や、知覚過敏の刺激などが伝わり続けることで歯髄炎が起きます。
そのまま放置していると次第に痛みは消えますが、歯の中では神経が壊死しており、細菌の住処になってしまいます。痛みがなくなってもそのままにせず、歯科医院で治療を受けましょう。
以下の症状に当てはまる場合は、歯髄炎が起きている可能性があります。
•何もしていなくてもズキズキと強い痛みがある
•噛むと痛い
•熱いもの、冷たいものがしみる
②歯の神経の壊死
事故や怪我などによって歯が外傷を受けた場合、その強い刺激により歯の神経の壊死が起きてしまうことがあります。
外傷後、痛みがなくても知らず知らずのうちに神経が壊死してしまい、歯が黒ずんでくることがあります。
その場合は神経を抜く処置をする必要があります。
また、前述したように歯髄炎を放置した場合も歯髄壊死が起こります。
③歯茎から膿が出ている
歯茎から膿が出ている場合、根尖性歯周炎の可能性が考えられます。
根尖性歯周炎とは、大きな虫歯により神経が細菌感染し、根っこの先まで感染が広がり炎症が起きている状態です。
根尖性歯周炎になると、根っこの先に膿が溜まり、歯茎におできのような膿の出口ができることがあります。
放置すると悪化してしまい、最悪の場合抜歯する必要が出てきてしまいます。
まとめ
歯の神経を抜くと、感覚がなくなる、歯が脆くなる、歯が変色するなどの症状が起きます。
歯の寿命を延ばすためにも、歯の神経は極力抜かない方が良いですが、状況によっては抜かなければならない場合もあります。
神経を抜いた歯はご自分で異変に気づくことが難しくなるため、歯科医院での定期的なメンテナンスで管理する必要があります。
また、日頃から定期的にメンテナンスを受けることで、虫歯の早期発見・早期治療に繋がり、神経を抜く必要がない小さな虫歯のうちに対処することができます。
定期的なメンテナンスを受け、少しでも気になる症状がある場合は歯科医院を受診しましょう。
口臭の原因とは?自宅で行える対策
口臭の原因のほとんどが、口の中にあります。主に、歯周病や舌苔がその大部分を占めると考えられています。
口臭は誰もが起こり得る可能性があります。自分で気づくことが難しいため、無自覚にしている人が多いのです。
当記事では、口臭の原因と自宅でできる対策を紹介します。
口臭の原因
①生理的なものが原因
生理的な口臭とは、生活していく上で誰にでも発生する口臭のことを言います。
起床時、空腹時、緊張時には、唾液の分泌量が低下しお口の中の細菌が増殖するため、口臭が発生します。
その他にも、月経や妊娠によるホルモンバランスの乱れや、加齢によっても唾液の分泌量が低下することから口臭が発生します。
②お口のケアが原因
•舌苔(ぜったい)の付着
口臭の原因としてもっとも考えられるのが、舌苔です。
舌苔とは、舌の表面についている白いもののことで、歯垢と同じく、細菌のかたまりです。しかし、舌苔は病気ではありません。舌の全体に薄くついている分には正常の範囲です。
舌苔は自宅でケアすることが可能です。舌は傷つきやすいので、舌ブラシや柔らかめの歯ブラシで、優しく行いましょう。
•歯周病
歯周病の細菌が発生させるガスが、口臭となります。
歯周病とは、細菌感染によって歯肉に炎症が起き、歯の周りの骨が溶けてしまう病気です。
口の中のネバネバ感や、歯肉の腫れ・出血、歯と歯の間に食べものが詰まりやすい、歯が浮いたような感じがする、歯が揺れているなどの症状が徴です。
•虫歯
虫歯になり歯に穴があくと、その中に食べカスが入ったり細菌が繁殖するため、口臭の原因となります。
•入れ歯の清掃不良
入れ歯のお手入れを怠っていると、入れ歯の隙間に溜まった汚れなどから細菌が繁殖し、口臭が発生しやすいです。
③全身疾患が原因
鼻・のどの病気、呼吸器系・消化器系の病気、糖尿病などの病気によって、口臭が発生する場合があります。
④飲食物・嗜好品が原因
にら、ねぎ、にんにくなどの匂いが強い食べ物を食べた後や、タバコやアルコールを摂取すると、口臭として匂いが残ります。時間の経過とともに口臭は減少します。
⑤心理的なものが原因
実際に口臭が発生していなくても、「自分には口臭があるのではないか」と思い込んでしまうことを、心理的口臭と言います。
自宅でできる対策
①丁寧なセルフケア
食後にしっかり歯磨きをすることが大切です。
フロス、歯間ブラシ、舌ブラシ、洗口液などの補助的な清掃用具も使用しましょう。ご自分に合った清掃用具がわからない方は、歯科医院でのブラッシング指導を受けましょう。
②よく噛んで食事をする
しっかりと噛んで食べることで、唾液の分泌量が増えて口臭の予防に繋がります。
ガムを噛むことも効果的です。
③水を飲む
適度に水を飲むことで口の中の乾燥を防ぎ、唾液の分泌が促されるため、口臭予防になります。
④ポリフェノールを摂取する
ポリフェノールには、口臭を抑える効果があります。緑茶や紅茶、リンゴなどに含まれており、それらを摂取することで口臭の対策に繋がります。
⑤健康的な生活をする
緊張やストレスを感じていたり、睡眠不足の状態だと、唾液の分泌が低下し口臭が発生しやすくなってしまいます。また、朝食を抜いたり、食事を簡単に済まそうとすると、きちんと噛むことができず口臭に繋がります。
緊張やストレスを溜め込まないようにする、睡眠をしっかりとるなど、規則正しく過ごしましょう。
歯科医院でできる対策
①虫歯や歯周病の治療
セルフケアで改善しない場合、虫歯があったり歯周病にかかってしまっている可能性があります。歯科医院を受診し、治療しましょう。
②定期的なメンテナンス
定期的に歯科医院でのクリーニングを受診することで、歯周病予防や、虫歯の早期発見にも繋がります。
③ブラッシング指導を受ける
正しいブラッシング方法の指導を受けることで、ご自分のお口の中の状況に合ったセルフケアを身につけることができます。
④入れ歯のお手入れ指導を受ける
正しいお手入れ方法を取り入れることで、入れ歯を清潔に保てます。
長く使用している場合、破損していたり、お口に合わないまま使用していることもあるため、歯科医院で定期的にチェックしてもらいましょう。
まとめ
口臭の原因は、口の中によるものが大部分を占めます。歯科医院に通い、自宅でしっかり対策すれば解決できるものがほとんどです。
口臭が気になっている方や、口臭の原因について心当たりがある場合は、取り入れられるものから始めてみましょう。